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コンカフェに通うとは何か 〜店の物語に入る

 こんばんは、ベールです。なんで僕らってコンカフェに足繁く通うんでしょうかというのが今回のテーマです。理由は色々とあると思います。いろんな切り口で議論されてきたこのテーマを、キャストや店の雰囲気とかいう表向きの理由じゃない物語という切り口で考えたいと思います。

コンカフェという物語

 どのコンカフェにもそのお店だけの物語があります。お店ができた経緯から、変わりゆくキャストや客の人間関係や店の経営や業界としての立ち位置、その時系列も含めて様々な要素からストーリーが描かれます。良い話もあれば、時には良くないような話もありますが、それも全てその店の持つオリジナルの物語なんです。その店の事を知るってことは、物語の本を手にすること。その店に行くということは、物語を読むことに他なりません。

物語を読みたい人と参加したい人

 客側の通う理由を考察する時に、この物語というフィルターにかけてみます。すると大きく2つの分類が生まれます。そのお店のオリジナルの物語を読みたい人と登場人物になりたい人です。

物語の読み手としての客

 コンカフェの物語を読みたい人は、店に入った時、”店”と”店に入っている自分”という意識でいるし、そもそも物語を読み解こうという意識では入店していないのかもしれません。それが当たり前だから。
 このタイプは、お店が出来るに至った経緯やオーナーの想いやキャストさんの背景設定などに凄い敏感に反応すると思います。それを直接受け取ることが好きな人もいれば、店の空気からそれを感じ取りたい人もいます。オーナーがでしゃばるコンカフェを好きな人と嫌いな人の差はこの辺にあるのかなと思います。
 背景設定の他にも、きちっとした世界観なども彼らを興奮させます。彼らは読み手として世界観・背景などの物語を享受する側に回っていて、そのためにお金を払っています。だからなのか、メタ的な発言、世界観を崩すような行動は御法度で、不快感を感じることでしょう。
 元々喫茶系店舗を中心に通う方に多いタイプで、一回一回で完結して楽しめるお客さんです。

物語の担い手としての客

 読み手側と二分する形で存在するのが担い手としての客です。彼らは、物語の登場人物になりたいと考えています。その店の物語、歴史の中に自分の名前があることが至上の喜びです。
 このタイプは、お店が出来る経緯やキャストの背景設定よりも、どれだけ店に対して存在感があるかを重視しています。その店の人間が店の歴史を語る時にどの程度自分の名前が上がるかという点ですね。
 重用されていることに興奮するので、往々にして構ってちゃんになりがちなのですが、店の登場人物になるためには、より多くの時間を店と共に過ごす必要があり、また店への存在感を示すために売上にも大いに貢献してくれます。
 読み手と一番違う点としては、メタ的発言やテンプレ接客を崩されることは御法度ではなくむしろ歓迎します。それこそが重用されていることを示すバロメーターになるからです。
 こちらは近年のバー系店舗(コミュニケーションがメインの店)に通う方に多いタイプで、連続して通うことによって楽しさが倍々に増えていくお客さんです。

 2つに分類しましたが、必ずしも100:0ではなく、30:70など中途半端にそれぞれの人の中で揺れ動いているものかなと思います。通っている方の中には、ある店では読み手だけどある店では担い手みたいな使い分けをしていたりもします。

キャストの物語と推しについて

 今回は店を中心に話をしましたが、物語という点においてはキャスト個人に対してもこの分類を当てはめることができます。キャストを”推す”人の中にも、そのキャストの物語を読みたい人と、登場人物になりたい人がおり、ここまでお話してきた通り、それぞれが気持ちよくなるポイントが違いますので、もしこれを見ているキャストさんがいたら、目の前のお客さんが読み手なのか、担い手なのか分類してみると面白いのかもしれません。
 また適用できる例として、地上アイドルとかAKBとかがよくライブの舞台裏とか当日を迎えるまでのみんなの努力みたいなのを映像化していますが、これは物語を見せているんですよね。地上だとより読み手側に寄っていて、地下アイドルとか距離が近くファン一人一人の存在感が大きい現場だと担い手側に寄っていますね。ただ地上でも参加型にして担い手タイプの人も取り込もうとしたのが握手会という形なんじゃないかなと思いました。
 私は担い手気質なので、どのコンカフェも自分を登場人物にしたいと思ってしまうタイプで、通い始めたらずっと通ってしまいます。

全国の全てのコンカフェの物語の登場人物になりたい

 自分の将来の夢の一つに、日本全国の全てのコンカフェの物語の登場人物になりたいという夢があります。私が口癖のように言うのが
「日本全国の全てのコンカフェに毎日通いたい」
なんですが、これってこの分類に当てはめると、すべてのコンカフェの物語の登場人物になりたいって事ですよね。
 全てのコンカフェの登場人物になって、そのコンカフェで働くキャストさんたちをもっともっと楽しませたい、コンカフェ楽しいって思ってもらいたいって気持ちが強いです。沢山地方に出向くのもこれを少しでも実現したいからです。
 ただ、やはり物理的に不可能なところはたしかにあって、もっと別の方法で、例えば自分が凄い有名になったり影響力が大きかったりすれば、それだけで日頃行ってない店でも登場人物としてカウントしてもらえるんじゃないかとか、色々考えています。

おわりに

 今回は、コンカフェの物語をテーマに語ってみました。いかがでしたでしょうか。あなたはどちらの割合が多いですか?良い悪いとかの区別があるわけではないので、良ければ自分がどちらの割合が多いか、店としてはどちらの割合が多い方が楽しめるか、考えてみるのも楽しいかもしれません。それではまた。

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