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レイザーラモンと世紀末DEATH演芸

イベント開催制限の緩和が言われつつも、不穏な状況が続く昨今である。開催されたとて、遠方への移動はいささか抵抗を感じる部分もある。物足りなさを感じながらも、余暇の多くを家の中で過ごす日々である。

お笑いから音楽ライブまで、有料配信も多数視聴している。移動時間の斟酌も、チケットの争奪戦もないフラットな世界。仕事を終え、自室で一息つきながら配信を待つ。制約だらけの新しい生活様式、少しぐらいは良いことがないとやってはいられない。


数ある配信の中、「レイザーラモンの世紀末DEATH演芸」が最高だったので、今日はその話をしたい。7月9日、ルミネtheよしもとから配信された。

◆配信日時
7/9(木)19:30-21:30(19:15よりopen)
※見逃し視聴:7/10(金)19:30まで※
◆概要
レイザーラモンが主催するテレビでできないネタがコンセプトのネタライブですが、今回はテレビでできるネタだけど刺激強めのネタをお送りするネタライブです。
◆出演者
レイザーラモン、銀シャリ、キャベツ確認中、インポッシブル、バビロン、ゆにばーす、アイロンヘッド、マヂカルラブリー、カラタチ、ニューヨーク、ななまがり、ジャンゴ、ZAZY、そいつどいつ、蛙亭、リットン調査団、鬼越トマホーク、武井志門&シークレットゲスト
レイザーラモンの世紀末DEATH演芸(7/9)


販売期間もアーカイブ期間も既に終わっている公演であるが、チケットを買って本当に良かったと思うライブだった。多数の豪華な出演者たちが、入れ替わり立ち代わりディープなネタを展開する。トータル2時間を超える圧巻のボリューム。無観客配信の形式ではあるものの、演者たちが客席に詰めているため、劇場の臨場感がそのまま届く。練り上げられた芸、生きた人間を相手に生み出される笑いとガヤと拍手。この充足感が配信で味わえるとは思っていなかった。

「無観客」に代わり、客席を芸人同士が満たしてつくりだす得も言われぬ一体感。なんとなく深夜の生放送を見ている感覚に近くもあるのだけれど、テレビでは放送されないであろうラインのネタが続き、やはりこれは劇場の芸だと確信する。時間を追うごとに最高の盛り上がりを見せながら、次々とヒートアップして繰り広げられたライブであった。


合間にふと我に返れば、私がいるのは自宅のディスプレイの前であることに気づくのだけれども、それを忘れるほどの臨場感がそこにあって、さながら幽体離脱をして劇場をこっそり覗いているような不思議な感覚に襲われた。自分のいなくなった後も世界が続いていく様を見せつけられているような浮遊感、これはまさしくDEATH演芸だな、なんてどうにもつまらないことを考えながら、終幕まで笑いに笑った2時間だった。

誰の目も気にせず、何で笑ったっていい。自宅で完結するエンターテインメント。120分間、全てが冴えわたっていた。



あとがき

客席にいる芸人さんたちを沸かせていくレイザーラモン、ものすごく熱いライブでした。こういうものを配信で見れるのは本当に嬉しい。

鬼越トマホークが全部かっさらっていきましたが、前半戦、デスペラード・ゆにばーす・ニューヨークと畳みかけるようにDEATH漫才が続いて、ああやっぱりネタライブはいいなあ、漫才が好きだなあと。この4組の流れ、最高でした!

ちょっと前に、本noteの記事「すゑひろがりずと滑狼」でこんなことを書きました。

誰もが見れる配信も素晴らしいが、「神回」の劇場公演は口コミで伝播し、ムーブメントをつくり出す。明日から6月。チケットを取れなかった人が本気で羨み悔しがるような「あの公演ヤバかった」がSNSに戻ってくる日を待ち望む。

万人に勧めるものではないけれど、今回の「レイザーラモンの世紀末DEATH演芸」はまさにこの「あの公演ヤバかった!」だと思います。消えもののコンテンツだからこそ、いっそうに増す精彩。こういうのがあるから、やはりライブは魅力的なんだと思います。


関連

[1] 吉本興業 ONLINEチケットよしもと (公式Webサイト)
https://online-ticket.yoshimoto.co.jp/

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