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読書ノート「ミンネのかけら~ムーミン谷へと続く道~」冨原眞弓著



 ムーミンの本の訳でよく見る名前の著者という認識で立ち読みしたら、文章がとてもきれいで素敵だなあと思ったので買った本。
 もともとは、大学時代にフランスの思想家シモーヌヴェイユにハマってパリへ行って研究して、そのころの人脈で、日本にいるときに北欧の友人ができて、その人たちを訪ねて北欧へ行ったときにムーミンに出会い、ト-ヴェヤンソンに出会い翻訳家になっていく。

 前半はパリでの生活、中盤は日本で出会った北欧の友人たちとの話、後半はトーヴェヤンソンとのエピソードという感じ。

 印象に残ったことば

〇シモーヌヴェイユ
「ユーモアとやさしさ(カインドネス)」が英国人一般の特質として、そのうえで「現今のようにごとき苦難の時にこそ、この資質は真価を発揮する」  

 晩年近く、体調を崩してロンドンの病院に一人入院していた時に、ニューヨークに住む両親を心配させないようにと書いた手紙の中に出てきた言葉。

〇北欧から日本を訪ねてきた友人
「旅をするには40歳がちょうどいい」

 40歳になったのをきっかけに仕事を辞めて世界一周旅行をしている二人の女性が言った言葉。すごい。強いし自由。

〇トーヴェヤンソン
「みなさんの、たくさんの実りをもたらす理解と、それに負けず劣らずたくさんの覚醒をもたらす誤解に感謝します。」

「トーヴェヤンソン国際会議」(1994年)の記者会見でトーヴェが言った言葉。かっこいいー。誤解にも感謝するという寛容さ、包容力、皮肉!やっぱり芸術家だなあ。

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