『あなたが私の絶望を願うなら』コネコネコさんインタビュー
2022年12月に連載開始した人気作『あなたが私の絶望を願うなら』。
本作のネーム作家コネコネコさんは、実は韓国のご出身。日本への留学中にcomicoにオファーされ、ネームを担当されています。
今回は、学生からプロデビューしたコネコネコさんにインタビュー！
制作の裏側に迫ります！
コネコネコさんインタビュー
原作：Samoh/Shinyoung Media 構成：コネコネコ 作画：殿下
STORY
孤児のアナスタシアは、両親が残した借金のせいで貴族にも関わらず食べるものにも困る日々を送っていた。
ある日、伯父のエバディーン伯爵から、借金を返す代わりに敵対関係の公爵家であるセオドアとの婚約を提案され、アナスタシアはセオドアと一緒に暮らすことになった。
しかし、待っていたのはセオドアはもちろんメイドにも馬鹿にされる日々。ぐちゃぐちゃにされたドレスや、腐った食事を出されたり、終いにはセオドアから「あなたの両親が死んでいてよかった」と言われてしまう。
孤独で絶望の淵に立たされていたアナスタシアだったが、ある日参加した舞踏会で出会った男性をきっかけに運命が大きく動いていく。
プロデビューのきっかけ
――自己紹介をお願いします！
コネコネコ こんにちは！『あなたが私の絶望を願うなら』でネームを担当しているコネコネコと申します。よろしくお願いいたします。
―― ネームを担当することになったきっかけは？
コネコネコ 大学４年生の時、comicoの編集さんが大学の特別講義をされていたんです。その時、ちょうど私は日本に住みながら仕事がしたいと考えていたのですが、その講義で「comicoの作家になると日本のビザが取れる」という話があり、大学の同級生と一緒にポートフォリオを送りました。
そうしたら次の日には連絡が来て、私には『あなたが私の絶望を願うなら』のネーム制作の提案が、同級生には同作の線画制作の提案がきたんです。
それで「やります！」と返信したのがきっかけでした。
―― そうなんですよね、実はコネコネコさんと作画者の殿下さんは大学の同級生なんです！ ちなみに同級生とのWEBTOON制作について不安に感じたりは？
コネコネコ 線画作家さんは元々仲が良かった友達で、実力も分かっていたので不安には思わなかったですね。
―― WEBTOON制作は韓国が本場ですが、日本でデビューしたいと思ったのはなぜですか？
コネコネコ 韓国のWEBTOONも好きですが、「漫画」という広い市場で見ると日本の方が大きいと思ったのが一つです。あと、せっかく日本で大学まで卒業したので、日本で漫画家になりたいと思いました。
もし韓国で作家としてデビューしたかったなら、そもそも留学してなかったと思います。
韓国のウェブ小説『나의 절망을 바라는 당신에게（私の絶望を願うあなたへ）』が原作の
コミカライズ作品です
ネームのやりがいと工夫ポイント
―― ネームのやりがいはどういうところでしょう？
コネコネコ 実は毎回コメントを読んでいるのですが、（コメントを見て）ネームを作った時の意図が読者に伝わったときに「やったー！」って思います。あとは、制作しながら自分が「こうしたいな」と思ったところが、完成原稿で上手く表現されたときもやりがいを感じます。
―― 制作で工夫されていることはありますか？
コネコネコ どうやって話を効果的に見せるかを考えています。
やり方としては、小説の中の大事な話はコマを大きくしたり、そうでもない箇所はたとえ読者が読み飛ばして読んでも大丈夫なようにコマを小さくしたりしています。他にも「どちらのキャラを読者に近い立ち位置にするか」や「誰の顔を大きく見せるか」によって読者の反応も変わりますね。
最後に、小説では単純に「立って、そのまま喋る二人」というシーンが多いのですが、これはWEBTOONなので、キャラクターの立ち位置を見せるために、アングルを変えたり、全体が見えるコマを入れたりしています。
色々なアングルで見せることで、1シーンに緩急が生まれます
―― 分業制作で大変なことは？
コネコネコ そうですね。一人で制作する感じでネームをつくると、線画作家さんに伝わらない時もあるので、その辺が最初一番難しかったです。
また、「このコマは、このまま描いてほしいー！」と思ったコマが、線画で修正されることもあって色々悩みました。
―― その時は、どうしましたか？
コネコネコ 自分がもっと細かく描くようにしました。また、曖昧なところには横にコメントを書いたり、「これだけは描いてほしい！」と思うところには★マークを付けたりしました(笑)。
――★マークいいですね(笑)！
コネコネコ その辺りは、線画作家さんが前向きに受けいれてくれて感謝しています。今は、★マークを付けなくても「このコマに力入れてほしかったんでしょ？」と分かってくれるのでびっくりします(°o°;)。
▼コネコネコさんが「★マーク」を付けた原稿がこちら！
ネームの左下に注目★
―― お気に入りのシーンは？
コネコネコ ネタバレにならないところで言いますと16話のラストから17話の冒頭までの会話シーンは全部好きです。ある意味、あの会話が『あなたが私の絶望を願うなら』の話のテーマ（結末）を貫いているところなので。
▼その会話シーンがこちら！
―― 今後、工夫していきたいところはありますか？
コネコネコ 吹き出しやセリフなどのテキストですね。
私は韓国語でネームを制作していますが、日本語の翻訳を意識しないと読みづらくなることに気づきました。
具体的に言うと、基本的には日本語のフォントサイズの方が大きいので、最初に考えた時より吹き出しが大きくなって絵を隠すことがあります。
あとは、日本語に翻訳するとセリフが横書きから縦書きになるので、セリフが長くなるともっと読みづらくなります。
―― そうですね。横で制作したときに読みづらくなかったセリフも、縦になって急に読みづらくなることがありますよね。
コネコネコ そうです。特に、横のセリフと縦のセリフは、目線の流れが違うので、それを考えるとセリフは長くても３行か４行ぐらいで作成しないといけないと思いました。
―― なるほど、それは細かい工夫ですね！
制作環境と１週間のスケジュール
―― では次に、作業環境を教えていただけますか？
コネコネコ パソコンは、大学入学時に購入したMacBook Air 13インチを、ペンタブレットは、連載初期はWacom Cintiq 16を、今はWacom Cintiq 22を使用しています。また、外出時にはiPadを使います。
（小声で）Windowsのパソコンは、できるゲームの種類が多くてついゲームばかりしてしまうので止めました(笑)。
ノートパソコン
MacBook Air 13インチ
ペンタブレット
Wacom Cintiq 22HD(DTK-2200/K)
iPad
iPad Pro 12.9インチ(第4世代)
――１週間のタイムスケジュールを教えてください。
コネコネコ 今年の５月までは他社の作品のネーム作業もあり、月～火に他社の作品、水～金に『あなたが私の絶望を願うなら』の作業をしていました。
ただ、本作の制作に集中するためには時間が必要で、木曜日の夜から『あなたが私の絶望を願うなら』の作業に入ったことも多々あります。今は『あなたが私の絶望を願うなら』だけです。
次回作もcomicoさんとがいいですね(笑)。他社でも制作してきましたが、分業制作でも編集さんが一対一で話を聞いてくれるので、一緒に制作している感じがあって良いです。
―― おすすめのcomico作品はありますか？
コネコネコ 『復讐の皇后』を面白く読ませていただきました。ロマンスファンタジーの定番のような作品だとも思います。
完結した作品をおすすめしましたが、他にもcomicoの作品をよく読んでいます。comicoにはランキングに入ってない作品の中でも読んでみたら面白い作品が多いです。読者の皆さんも色々な作品にチャレンジしてみることをおすすめします！
―― 最後に、作品の宣伝とファンに一言どうぞ！
コネコネコ いつもアーシャに愛情をもってくれてありがとうございます。
作品の雰囲気が暗いので、コメントを見ると「きつい」「つらい」というコメントが多いですが、そう言いながらも毎週読んでいただいている皆さんには本当に感謝しています。
『あなたが私の絶望を願うなら』をまだ読んだことのない読者さんも、本作はつらいお話ではありますが、既存のロマンスファンタジーとは違う感情を味わえる作品ですので、是非ご覧ください！
『あなたが私の絶望を願うなら』はcomicoで好評配信中！
コネコネコさん、ありがとうございました！
『あなたが私の絶望を願うなら』皆さん是非ご覧ください！
「comicoタテカラー®漫画賞2023」開催中！ ※募集終了しました
現在comicoでは、WEBTOONに特化したコンテスト「comicoタテカラー®漫画賞2023」を開催中です！ ※募集は終了しました。
今年の募集テーマは「溺愛」！
45コマ以上の読切作品を描く「オリジナル部門」、お題の溺愛シナリオをネームにする「ネーム部門」の２部門で募集しています。
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応募〆切は2024年1月15日(月)23:59！
あなたならではの溺愛作品でチャレンジしてみませんか？
ご応募、お待ちしております！
『あなたが私の絶望を願うなら』©殿下・コネコネコ/comico ©Samoh/Shinyoung Media