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リチャード・バック「ONE」

週末の深夜に「惑星ソラリス」を観た。今週は「かもめのジョナサン完全版」を通勤の電車の中で読んだ。次に読もうと「ONE」にブックカバーをかけた。かもめのジョナサンと同じ、リチャード・バックの小説。

小型飛行機に乗る仲の良い夫婦が、飛行の最中で時空を超えて、様々な自分、また様々な歴史や国にいる人と出会い、旅を続ける、そんな物語。

この本には、格言となる言葉がページをめくる度に出てくる。そのたびにアンダーラインを引いていたら、真っ黒になってしまう。

哲学的な問いや、生きる意味や、自分自身やパートナーなんかとの向き合い方を説明されながら、話が進んでいく。哲学によって世界を開いていく「ソフィーの世界」や、航海のなかで色々なふしぎな体験をする「ナルニア国物語 朝びらき丸東の海へ」のような本。

本を読むタイミングとして、思念の海が出てくるソラリスを思い浮かべ、話に「かもめのジョナサン」の作者自身がでてくる為に、表側の「ジョナサン」としても読めてしまう「ONE」。幻の最終章と類似した説話が、「ONE」の中にも「ページ」として登場する。

この本を帰りの最寄り駅に降り立つくらいで丁度読み終わって、自転車に乗って、帰宅して、シャワーを浴びて、夕食を温めている間もずっと、この本を、いろんな自分の興味ある話と結びつけて色々考えたりもした。(個人的には大抵Keyの諸作品)

(脱線:麻枝准と共にインタビューを受けた涼元悠一がAIR期の時の記事では、NewAge/Hearing ピアニストのWilliam Ackermanのアルバムと共に、リチャード・バックの「イリュージョン」を影響を受けた作品としてあげている。Key前身会社での代表作は「ONE」。)

良くも悪くも、この本ではいろいろな現象が「言葉」によって説明をされていってしまう。そこが西洋的な受け止め方らしいなとも思った。東洋人ならば、一句あれば、一筆の墨絵があれば、多くの余白をもってこの神秘を表して、その隙間から色々なことを見ていくことができるのだろう。かつては。

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