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Homecomings『WHALE LIVING』について (霧矢あおいの手紙について)

まず、凄くいいアルバム。先入観抜きに、何度も聞いて欲しいなという1枚。

今自分が強く思っている事と重なるところ、風景とも重なったところもあって、本当はそれを文章としてまとめてしまうべきなのかもしれないけれど、それをしちゃうと、形としてまとまらないまま終わってしまう気がする。今思う事をそのまま、連ねて書いてしまう。読みづらい文になると思う。

今年観た映画の中で「リズと青い鳥」の突き詰めた空気感は特別だった、最後に流れたのはhomecomingsという日本のバンドが歌う英語の曲だった。その時そのバンドのことを初めて知った。

このアルバムはTwitterの中で何人かが褒めているのをみて、Spotifyにあるのに気づいて、平日の夜に最後まで聴いて気に入って、ダウンロードをして、主に移動中の車の中で他にもたくさん聞くべきアルバムがあったのかもしれないけれども、このアルバムを何度も何度も聴いてしまった。軽やかで前向きさもある最中、アコースティックで憂さもある曲群が、今の自分にぴったしだった。

聴いているうちに「手紙」が曲の節々にあることに気がついた。波の音とテープから流れてくるような導入曲、ひとつの節を何度も繰り返す中で、作品群の中の風景が、あるアニメの情景とも重なってしまった。

後日知ったことだけれど、距離が離れてしまった二人の男女の手紙というのは、インタビューの中でもイメージされていた事だと知った。それだけではなくて、前作のアルバムの地点で、バンドはこれからの事がイメージできなくて、解散する寸前まで追い込まれていた、その中でリズと青い鳥の主題歌の依頼がきて、京都アニメーションで動く絵をみて、帰り道にバンド練習をするのをやめて、ただ線路沿いの道を歩いて行った、その後あっという間にこの曲ができた、バンドとしてのこれからの象徴となる一曲ができたと語っていた。

http://homecomings.jp/whaleliving/interview01/

僕は仕事の現場の帰り道に、高速道路を走っている時に、夕陽があたり全体を照らして、秋空がとても澄んでいて、そこでこのアルバムが流れた時の、言葉にできない、なんだろう、掴みきれないあの空気、中学校の時の部活で使っていた音楽室にまう埃とそこにさす夕陽とか、今の自分の中で何度も反芻してる場面の事とかが、その瞬間に色々と重なってしまったんだ。

この秋仕事でとても苦しんでいた折に「アイカツ!」というアニメのレコードが発売されるという情報をきっかけに、このアニメシリーズを見始めてしまった。ストイックに、私的な時間の殆どを費やし一気に全話を見終えてしまった。

劇中のドラマやメッセージ、特に1stシーズンの結末に心打たれた。

そこで描かれる「手紙」。本編の中で、大切な回のときに幾度となくあらわれる。

あの時の、描かれなかった物語。その一端が、自分の中でいくつも浮かび上がる。それを自分の物語として、自分でもかいてみなくちゃいけない気がする。

今の自分は自分の力から及ばぬところで、停滞していた場所から切り替わる所にいるみたいで、そこは自分が望んだ所なのかもわからないし、うまくいくのかもわからないけれども、現状は変わることができた。人生は不思議だと思う。

さっきのアニメに夢中になりすぎて、Twitterでは別のアカウントをつくった。周りの目を気にしなくて、気ままにアイカツオタクになれるのは楽しい。だけど、自分が2つに分離したようにも感じてしまう。

homecomingsのアルバムで描かれた、遠く離れた2人、それは遠い男女の話ではなくて、私と私、大切な人との繋がり、過去と未来、憧れや夢と現実、そんな重層的なお話から今を省みる、とても私的な物語のように思う。

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