SCPの世界における「対抗概念」について

ざっくり言うと「反ミーム≒対抗概念」

財団の報告書、特に反ミームオブジェクトの報告書を読んでいると「対抗概念部門」という言葉に出会うことがあります。具体的にはSCP-2358「これは何処かで前に見た……」や、反ミーム部門ハブ「SCP-SCP-033」などです。

上記のどちらの作品においても、対抗概念部門は公式には存在していないはずの謎の部門という形で紹介されており、反ミーム部門すらも存在を知らないということになっています。もっとも、「反ミーム部門は存在しない」のタイトルと内容のとおり、当の反ミーム部門も外から見ればそういう立ち位置の組織なのですが。

そして、肝心の「対抗概念」とはどのようなものなのか、これまた全くと言ってよいほど作品の中では説明されていません。内容を読んでいくと、どうやら知覚・記憶・記録できないといった性質を有することが読み取れます。

それって反ミームと同じじゃないの?そうです。語弊を恐れぬのなら、ほぼ同じような性質と理解して差し支えないと思われます。

「概念化出来ない概念」を概念化する

実は、対抗概念については第三法則ハブの用語集に説明が掲載されています。同ハブから引用します。

対抗概念(Counterconceptul) — 知覚や概念化が不可能なもの。逆説的または不可解な概念。
第三法則ハブ用語集

対抗概念は、知覚や概念化が不可能なものとのこと。後段にあるとおり、これは確かに「逆説的または不可解な概念」です。
知覚できない、概念化が出来ないからこそ、裏返せばそこに「無」や「空白」が存在していることがわかる=対抗概念という概念を概念化できる、ということなのでしょう。

なお、同用語集における反ミームの説明は以下のとおりです。

反ミーム(Antimeme) - 自己検閲性を有するアイデア。流布を阻害する為に、記憶したり伝えたりすることが不可能なミームの事です。
第三法則ハブ用語集

反ミームは、記録や伝達の流布を阻害する性質です。反ミーム部門においては「完璧な迷彩」と形容されています。そこに存在しているけど、見えないし、気付くことも出来ないし、伝えることもかなわないという特性です。

以上のことから、この2つは性質が似通っている、ある程度共通していることがわかります。厳密には完全なイコールではないとしても、とりあえず同じようなものなのだと理解しておけば、報告書を読み進める上では充分だと思います。
(以下作成中……)

Author: HotCocoaNerd
Title: SCP-2358 – これは何処かで前に見た……
Source: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-2358
2015年

Author: HotCocoaNerd
Title: SCP-SCP-033
Source: https://scp-wiki.wikidot.com/scp-scp-033
2015年

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