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ラジオのハナシ #11 しゃべりは上手くないとダメなのか⁈問題 /<誰>に向けて<何>を発信する?(後編)

前編では、「誰に向けて何を発信するか」について触れました。
後編では、「ひとり語り」の時と「複数で」発信する時に気をつけたいことについてお送りします。

「ひとり語り」の場合に気をつけたいこと

ラジオや音声配信での「ひとり語り」の場合はどうしたらいいか。
相手がいないということは、話を振る相手も振ってくれる相手もいないですからね。

なので、まずは
「話すテーマを決めたら、聞いてほしいターゲットを決める」
空想で作り上げたターゲットひとりのために、そのテーマを話す。
「たったひとりのあなたに捧げる曲」みたいな感じです。

変に面白おかしく盛り上げてしゃべりまくるよりも、“たったひとりのあなた”に向けて発信することで、声に感情がこもります。
感情の先に、感動がある・・・はず。
たぶん、誰かの心に刺さる。


ひとり語りで気をつけたいところは、相手がいないことから
 ①思った以上に早口になりやすい
 ②専門用語を乱発しやすい
 ③自己満足になりやすい

ということが起こりがちです。
1つ1つ見ていきましょう。

① 思った以上に早口になりやすい
相手がいる場合、話す時に相手のペースもあるので、早口でまくしたてることについては相手からも指摘が入るでしょうし、ひとりで話すときよりも意識をしやすいもの。

「立板に水の如く」としゃべり倒すのは、聞いている側には騒音にしかなりません。
何言っているかわからず、しかも、早口でまくしたてられると聞いている側は「追い詰めらる焦り」を感じやすいからです。

普段よりワンテンポ遅いくらいでちょうどいい。
それでも後半は少しずつスピードが上がっていきますから。

②専門用語を乱発しやすい
専門用語はたいてい解説が必要になるのですが、普段使っていると「当たり前のように」使ってしまいます。
相手がいれば、相手が補足してくれたり、質問という形で説明する場を作ることができるのですが、ひとりだとそうはいきません。
ひとりボケ、ひとりツッコミ状態になりますしね。

専門用語は、時と場合によりますが解説を交えてわかりやすく伝えることが大切。
知らない人でもわかる言葉を使って説明しましょう。
これは、音声配信やラジオでのトーク以外でも使えることですよね。

③自己満足になりやすい
自分の話、特に「自分が得意とする話」をする時、どうしても自分本位になりがちです。
これも相手がいるとセーブしやすいのですし、相手によっては話が自分だけにならないように割り振ってくれるでしょう。

「リスナー置いてきぼり状態」というのは、伝える側の自己満足でしかありません。
「それって、なんの話?」と最初は興味を持たれても、置いていかれていると思ったら、そこで終わり。
自分がリスナーになったときに、そのような話を聞きたいと思うでしょうか。

①~③をカバーする方法として、私が実践していることです。
 ・ざっくりとでいいから原稿を作ること
 ・原稿は一度【声に出して】読んでみること

話すことを考えるときに、原稿を作ってそのまま読むのではなく、いったん自分で読んでみて、自分以外の人が聞いてもわかる言葉を使っているかどうか、確認するようにしてみてください。

書き言葉と話し言葉は違うので、原稿を書いているときにはしっくりきても、読んでみると違和感がある…ということもあります。

原稿があることを良しとしない方もいると思います。
話がぶれないのであれば、もちろん、それでも構いません。
ただ、自分が思う以上に「相手に話の内容が伝わっていない」ことがある、というのは、配信やラジオ放送で場数を踏むようになっても、頭の隅っこに入れておく必要がある、と思っています。

複数でトークをする場合に気をつけたいこと

1人だと何を話していいか、わからない。
相手がいた方が盛り上がる。

確かに、そうですね。

「ひとり語り」と違って、相手が居ることによって【反応】があるので、話の展開がしやすいことと、聴く側が想像しやすいというメリットがあります。

これは、ひとり漫才とコンビでの漫才との違いを思い浮かべてもらうとわかりやすいでしょうか。

どちらが「いい・悪い」ではなく、ひとりで漫才をするのとコンビで漫才をするのはネタの作り方も違うでしょうし、話の持っていき方も違うでしょう。
あくまでも、想像ですが。

「複数でしゃべる」スタイルのいいところは、相手の反応がある上で話せることと、ひとり語りよりも話の展開を広げやすいところでしょう。
あとは「1人じゃない安心感」。
これは、人によっては「1人だから安心」という場合もあるので、一概に言えないですけどね。

一方、このスタイルで気をつけたいところは、
① 出演者にしかわからない話で盛り上がりやすい
② 話す人と話さない人の差が大きく出やすい
③ 相手に「お任せ」
/MCの独断になりやすい
ということ。

詳しく見ていきましょう。

① 出演者にしかわからない話で盛り上がりやすい
仲間同士で番組をスタートするときに、【自分たちがわかる話だけ】になってしまうということです。

いわゆる<内輪話>になっていませんか?
専門用語もわかりにくいですが、内輪話はさらにわかりにくい。

それで「聞いてください」「聞いたら反応してください」と言われても、話がわからないから聞きようがないし、反応しようがありません。

しかも話が盛り上がると、ゲラゲラ笑い声だけしか聞こえない、ということがあります。
話し声と笑い声、どちらが耳に入りやすいかを考えたことがありますか?
笑い声の方が耳に入ってきます。
聞いている人からは話の前後がわからないので、「何?この笑い??」と思ってしまいます。

お笑い芸人さんがネタを披露するときに、ゲラゲラ笑いながらやりませんよね。
自分たちが大笑いしてしまったら、セリフは入りませんし、話が途切れてしまうからでしょう。

トークの中で「笑うな」というのではなくて、話を遮るほどの大笑いを避けるだけでも格段に聞きやすくなります。

笑い声が大きい人や、笑うときに手を叩く癖がある人は、要注意。
特に、トークの時は声が小さいけれど、笑うときには声が大音量になっている人も結構います。
そのような場合は、笑うときに意識してマイクから少し離れてみては。
そのときだけ体を後ろに倒すだけでも違うはずです。
笑うときに手を叩く癖や机などを叩く癖がある人は、「手はお膝」を意識すると叩く回数が減らせるでしょう。

とはいえ、多少の失敗を経て成長しますから、やらかしたことを引きずらないようにしましょう。

② 話す人と話さない人の差が大きく出やすい
2人でのトークならば気にするところではありませんが、人数が増えれば増えるほど起こるのが「話す人と話さない人の差」。

3人以上であれば、1つの話題について、トークを1人1人に話を振ることで、トークを膨らませることができます。

その時に気をつけたいのが、「話したい人ばかりが話す」ではなく、「話していない人に話を振る」ということ。

話したい人はいつまでも話す傾向があります。
話の区切りを見つけて次にバトンを渡すことも大切。
そうしないと、グループの中で温度差が出来てしまう原因になります。

③ 相手に「お任せ」/MCの独断になりやすい
人数が増えれば増えるほど起きるのが「人任せ」。
グループのリーダー的存在や、MCをする役回りの人に任せきりにしていませんか?
「任せる」ことも大切ですが、トークの時間は「自分たちが伝える」時間。相手に任せて、自分は好きな話だけ参加するという無責任さは、聴いていると伝わります。

一方で、「自分が話をまとめているから」とリーダーやMCの都合がいいように話を展開する、という危険性もあります。

グループの中で「トークの役割」を決めて、【みんなで番組・トークを作っていく】という意識が、続けていくコツ。
そして、リスナーさんへの配慮でもあります。

任せきりや独断になっていませんか?

インタビュー/ゲストトークでの注意点

最後に「複数」ということで、インタビューでの注意点を簡単に。

私もインタビューをしますし、受けることがあります。
その中で思うのは、

インタビュアー(インタビューする側)が、話の中身を持っていってはダメ

ということ。

あくまでも主役はインタビューを受ける人、ゲストです。

今、配信でもインタビューやコラボトークが増えていて、私もたまに聴くのですが、インタビュアーやトークのMCがしゃべりすぎていることが多いのです。

ゲストが主役です。
ご本人に話していただくことが大事です。

当たり前のことなんですけどね。
主役を差し置いて「私なら~」「私は~」ということが、ある。
「私は何のために呼ばれたんだろう?」と思わせるのは、最悪です。

これからインタビューやトークのMCをされる方は、その点も意識してみてはいかがでしょうか。
せっかくなら、「あなたの番組・チャンネルに出てよかった!楽しかった!」と言われるようにしたいものですね。

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取り上げてほしいテーマがありましたら、教えてくださいね。
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