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猿と犬と私

2023年の9月3日、Amazonからヘッド博士の世界塔が届いた。
夏休みも終わり、家族旅行から帰ってきて学校も始まるっていうのに私以外の家族がみんなコロナに感染して出席停止、リビングで1人繰り返し繰り返し聴いてたのをよく覚えている。

話は飛んで、まずはフリッパーズギターとの出会いから……

中学生までの私は殆どアニメソングしか聞いていなかった。よく聞いていたのはJ・A・シーザーやアイドルマスター関連。あるとき、大好きなアイドルマスターのキャラクターである水瀬伊織さんのラビットパニックのカバーを聞いた。外国のようなオシャレでキュートな印象にとてつもなく心惹かれた私は作曲者のササキトモコさんを調べ漁った。
なるほどセラニポージというバンドをやっていたのか…好きな感じだな、という印象。

そこからはジャンル名もわからず(いま思えばネオ渋谷系以外の何物でも無いのだが)Spotifyでセラニポージを聴き漁り、オススメされるハイポジ、strawberry machine、pitcher56などを聴き漁った。そんな中で私が心惹かれるジャンルが「渋谷系」と呼ばれていることを知った。そしてまたSpotifyで渋谷系、と検索しプレイリストを聴いた。高1の秋頃だったか。

その頃のお気に入りに入れてた曲たち
「そんな感じ」の曲をずっと聴いてた

そこで出会ったのが「サマービュティー1990」と「グルーヴ・チューブ」だった。初めて聴いた後何日経っても忘れられなかった。それから2ヶ月程経った2023年6月11日、高2の春のことだった。音楽好きの姉に連れられて中古cd屋巡りをした。「折角だから」と、あのとき忘れられなかったフリッパーズギターとやらを渋谷のレコファンで買った。カメラ・トークだった。

あまりにもカッコよすぎた。衝撃的だった。すぐにフリッパーズについて調べ漁った。(ササキトモコのときもそうだが、昔からオタク気質なのか熱中したものは何でもかんでも調べ尽くしてしまう癖がある)
元ネタを聴き、休日にはディスクユニオンで1stを買い、1stの元ネタを聴き、母にフリッパーズの話を振ると「昔ファンでカラーミーポップとLIFE、FIRST QUESTION AWARD、小沢小山田のシングルをいくつか持ってるからあげるよ」と言われ、Twitterでパブサをし写真を保存しまくり、色々な情報を得た。
その頃にはもうフリッパーズギターもロリポップ・ソニックも何もかもが大好きになっていた。
もちろんヘッド博士のことも知っていたが、いかんせん訪れるディスクユニオンにはなかなか売っていない。そこでAmazonの取り寄せをした。
話が追いついた。ヘッド博士の話をしよう。

前述の通り、1人深夜のリビングで集中して聴いていた。
レビューはずっと読んでいたから当時のファン程の驚きは少なかったのではないかと思う。「グルーヴチューブ」と「世界塔よ永遠に」はカラーミーポップにもあり全体の雰囲気は感じ取っていたのもあると思う。今度はそうきたか、という印象だった。

何曲か即ハマる曲もあったが、そのときはパッとしなくて暗いな、と思った。ただ、私の世界を広げてくれるのがフリッパーズだ。それに、学校にも行けず家族とも顔を合わせられない物理的孤独を抱えた私にはヘッド博士の独特な閉塞感、終末感が寄り添ってくれている感じがした。
何度も聴くうちにヘッド博士はマイベストアルバムトップ10に入るくらいには好きになっていた。アクアマリンの浮遊感、世界塔よ永遠にのオモチャ箱感、全てが心地よい。特にドルフィンソングはある種の賛美歌に聞こえ、聴くたびにフリッパーズに思いを馳せ少し胸が苦しくなったりもするようになった。なんとも拗らせた若者だ。

今ではカラオケに行けばフリッパーズや2人の曲ばっかり、Ambient Kyotoにもモノクロマテイックにも行き、小山田くんの30thと小沢くんのLIFE再現ライブにも行く予定だ。ネオアコもよく聞くようになり、この前はヘアカット100のPaint And Paintをゲットした。最近再結成していて嬉しい。

この熱がいつまで続くのかは正直わからない。数ヶ月もしたら冷めてしまうかもしれないし、何十年も続くかもしれない。まぁ後者だとは思う。そのぐらいフリッパーズには現在進行形で人生を狂わされている。

とまぁ、以上がフリッパーズをフリッパーズとして認識してからあと1週間で丸一年のまだまだ新参者の私からの思い出だ。出会いが長くなってしまってヘッド博士の話があまり書けなかった気がする……

あまり関係ないが、元ネタを自分で見つける瞬間ってすごく興奮するんだと知った。数ヶ月前にハーパース・ビザールを聴いていたらグルーヴチューブパートIIのサンプリング元に出会って何気なく開けた引き出しに失くした宝物があったような感覚になった。
さらに関係ないが、実は「海へ出るつもりじゃなかった」が1番好きだ。ボーイズ、トリコに火を放つが本当に好き。

2024年6月4日

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