見出し画像

ボドゲフリマの有料化のあれこれの話

もう数えて10回もボドゲフリマやってるんですね。ずっと主催としてやってますが、結構やったなぁ、って気がします。
そんな長期間続いているイベントなんですが、ここに当たって入場料を取る話になりました。決めたのは私ですが、運営内はもちろん、詳しそうな人たちとも話した結果の変更となりました。

今回は、そこんところを詳しく、って感じで書きたいと思います。
色々複雑に組み合わさっているので、ちょっと長いかもしれません。


1.有料化?

ボドゲフリマは、これまで出展料も参加費用も可能な限り下げる方針でやってきました。出展料は元々1000円(今は2000円)、入場料は無料でした。
それを第11回を迎えるにあたって有料化することにしました。入場料500円です!

「コロナ禍だから?」と思ってる場合もあると思うので、今のうちに書いておきますが、直接的な関係はありません。有料化を前倒しした原因ではありますけれど。


2.今の、将来の問題点

変更があるってことは、「現状に問題があるから」ってことです。経済状態が悪いとかそういうのではありません。ま、ご時世がご時世ですからそう思われることもあるかもってことで……

さて、ボドゲフリマは、いくつかの問題(将来出てくるものを含む)を抱えながら、開催しています。その中で最も大きいものが「参加者の増加」です。

「増加すると何が問題なの? いいことじゃないの?」と思われがちな話かもしれません。
でも、「参加者人数に沿う会場が無くなる」という問題があります。

私の場合、イベントをやるときは、ちょっと先のことを考えながらイベントをやってます。具体的に2回先ぐらいまで考えてイベントの構成をやってます。
第9回の前後だったと思いますが、参加人数がちょっとヤバい人数になるなぁってその時点では試算が出てました。(希望的な人数ではなく、これまでの結果から推測される人数を出しています。)


3.会場の変更

ちょっと具体的な話をしましょう。
ボドゲフリマでは人員の関係上、来場者の数を数えていません。そんなことをする人がいるなら、別に回します。
でも、これまでの経験上と待機列のざっくりとした人数から来場者を予想することはできます。
コロナ禍の前、第9回では待機列1100人、来場合計は大体2200人程度の来場者がありました。(出展者とスタッフは含みません)

会場となっていた、KIITOは全体の2/3を使って大体1400m2ぐらいの広さがあります。
収容人数は1m2=来場者1人ぐらいだと思います。消防法とかもろもろありますけれど、ざっくりね。

その上で、これまでの統計から、回を重ねるごとに大体3割程度増えています。
今後も同様に増えていくとなると、次の次には3500人ぐらいまで増えそうな計算になります。一応シミュレーションはしていて、今の会場でギリギリいけるかなと考えていました。(残りの1/3を使うと2000m2ぐらいにはなる)

そんな訳で、将来的に別の会場を探さねばなりません。


4.大規模になるということ

ボドゲフリマは大分自由なイベントです。ブースでは「周りに迷惑をかけなければ」何をやってもらっても構わない、というルールです。
もちろん、消防法や保健所関連などは守らないといけません。主催からのフォローは最低限(案内程度)しか行わない、という感じです。

これは、「みんな大人なんだから分かるでしょ」っていう発想です。(とはいえ、野放しって感じではないのです。一応ね。見てるところは見てるっていう)

さて、前述のように会場をさらに大きくしなければなりません。
そんな会場がやすやすとあるでしょうか。

答え:ありません。


そうです、ここまで来るとイベント会場が限られてきます。教えてもらえる会場は10年弱もイベントやってれば大体こちらから問い合わせたことがある会場ばかりになります。

さて、具体的に開催できる会場で、3000人程度が収容できる場所が必要です。どこでしょうか? 今、パッと思いつく限りはこんな感じですね。

1.神戸国際展示場
2.インテックス大阪
3.ATC
※屋外ならまだいくつかありました……

大阪近辺のイベント会場をご存知の方であれば、ちょっとヤバい規模になりつつあるのが分かると思います。嬉しい反面、ヤバいなぁって言葉しか出てこなくなってます。

イベント規模が大きくなってくると、主催メンバーも最小で押さえているため(これは別の理由が強いのですが)、5人程度で行うには無理が出てきます。そうなってくると、外部からバイトなどを雇うしか手段が無くなってきます。また、会場費もかなり上がります。


5.そろばんぱちぱち

最近の人は言わないですし、そろばん自体、見ることが無くなってますよね。(余談)
さて、第9回の流れがそのままだとして、第11回か第12回になればもう会場を変えなければなりません。ここまで大規模だと急に変えることはとてもじゃないですが、できません。

そんなこんなで、来場者や会場の使用方法の試算は第9回の後ぐらいには一度やってて、第10回後にはちゃんとしたフロー作らないとなー、ってなってました。
その時点で有料化は確定していました。別のイベントの代表者にお願いして、有料イベント周りのことも教えてもらったりもしつつありました。これが2019年末ぐらいの話ですね。

まー、それからしばらくするとコロナ禍になっちゃって、そんな場合でもなくなったんですけどね。

この辺の構想が一斉につぶれたんですよねぇ。
具体的に言うと、2020年12月に開催したボドゲフリマのイベント参加者はかなり減りました。大体350人程度だったと思います。1/7程度ですね。これならこのままの規模でも今後も安泰です。有料化の必要もない、のかもしれません。


6.でも有料化を今やる

このままでいい訳ないだろ、っていうツッコミ待ちです。

さて、次回、第11回で有料化する、と決断するにはまだいくつかのステップがありました。

1)これまでの会場が使えない
2)手順の慣れが必要
3)運営コスト(手順?)の増加


7.有料化を今やる - これまでの会場が使えない

まず、これまでの開催方法ではこれまでの会場が使えなくなりました。
第10回が住之江に移動した理由がこれが一番大きいです。

どの部分で問題が出たのかというと「来場数の制限」です。会場に一度に入る人数を1/2や場合によっては1/3に抑えなければなりません。
これが何を指すかと言えば、「待機列が長くなる」ということです。
第10回は、待機列が相当長くなっても大丈夫なようにかなりの準備をしました。(実際はほぼ使うことがなかったのですが、それはそれでよかったと思います。当日雨が降ってましたし。)

ちなみに以前の会場となるKIITOではこの点が解決できませんでした。他のイベントでの様子なども確認、会場との相談は行いましたが、結論として「開催できない」となりました。待機列を会場内に作らないといけない、っていうのもあって、なかなか難しいですねぇ。安全は難しい。


8.有料化を今やる - 手順の慣れが必要

次に、「有料化」と簡単に書けますが、これはかなり難しい要素がたくさん含んでいます。実際のところ、それも合って「そのコストを出すなら無料化した方が楽」という結論で、これまでやってきたところもあります。
以下、有料化によって発生することが予想されるものです。

1)来場者が「客」であるという認識を少なからず持つ
2)集金する必要がある
3)再入場を厳密にする必要がある

個人的に最も大きいと思っているのは1つ目ですが、オペレーションとしては、2と3があります。
これを厳密に行おうとすると人員が必要となります。
これまでボドゲフリマをご覧になった方がいればわかると思いますが、「運営? どこにいるの?」っていうぐらい見ることはなかったと思います。

それをさらに増やさなければなりません。
もちろん、入場の混雑をさせないために多めに配置する必要もあるでしょう。

そして何より、これらの変更を運営側が滞りなく行なわなくてはなりません。
正直、ぶっつけでできるとは思わなかったので、参加者数が減ったこのタイミングで行うにはちょうどいいタイミングだった、というのがあります。


9.有料化を今やる - 運営コスト(手順?)の増加

前述したように手順が増えるのですが、それよりも「コロナ禍」の対策のための手順が滅茶苦茶増えました。

正直なところ、第10回で350人の来場者が来たと書きましたが、今の開催方法では500人が限界だと思います。限界っていうのは、運営チームを使い尽くして、というイメージです。休憩や交代もありません。

350人だったから若干余裕はあったけれど、これ以上はボランティアでやるには無茶があると感じました。
※書いてませんでしたが、ボドゲフリマは運営含めてほぼボランティアです。電車代が出るか出ないかぐらいだと思ってもらえればOKです。大体会場費に消えてます。

さて、そんなこともあって、規模が増えるにしたがって、運営側も人を増やすか、「機械や什器を増やすか」するしかありません。

また、イベントを主催する、運営に入る側としての感染リスクが以前よりかなり大きくなってしまったため、それらの報酬もちゃんと払おう、ということになりました。(意思決定はほぼ私1人のため、そういうふうにしました。)


10.片手間ではできなくなった

ちょっと話がずれるんですが、これまでのボドゲフリマのコンセプト、というか運営参加者全員(私を含めて)に強く求めていたのが、「片手間でやること」でした。

全力でやってしまうと2回目以降続かないからです。私も含めて、全員本業が別にあるし、かけられる時間もそう多くはありません。
そのため、片手間でできるよう、準備し、片手間でできるよう振り分け、片手間でできるよう、運営内容(例えば有料化や受付、ブースの面倒)なども軽くしていました。

それらの前提がコロナ禍で崩れたことになります。

またこれ以外にもこれまでの運営方法では難しい面も出てきました。
それは「イベントとして公共的な補填がない」です。

これまではCOLON ARCの事業として扱わず、私個人の趣味の域で行っていました。(とはいえ、ちゃんと収支や会計処理はしていましたが)
今回の変更を受け、COLON ARCの事業の1つとして行う変更を行うことにしました。具体的には何1つ変わってはいませんが、内部的には私が片手間ではなく、仕事としてちゃんとやる、という感じになります。

これによって、運営チームには報酬をちゃんと払う体制を考えることもできます。
報酬にはもちろん元手が必要です。


11.こういったことをまとめて

有料化することになりました。
1つの要因、例えば会場変更だから、例えばコロナ禍だから、有料化することにした、という単純な結論ではありません。
あれがあって、これがあって、これもあって、それもあって、それの解決案の1つが有料化であって、それに対するタイミングはいつなのか、というのを考えた結果が今だった、という感じです。逆にやるなら今しかなかった、とも言えます。

それくらい有料化は重いことだし、参加される側としても大きい変更だと思います。

元々は「祇園祭」のようなイベントを目指していたのですが、続けていくうちに、すべてボランティアというのは、感覚としてよくないと感じていました。
※祇園祭でも警察が出てくる費用などについて、あれこれあるみたいですし。

そんなこんなで、今回から有料化を行う予定です。
第10回のアンケートで「有料化についてどう思いますか?」といった項目を設けていたのもこれの所以です。

実際のアンケート結果の画像を貼っておきます。

第10回

画像1

アンケートに回答いただいた方のみの割合ではありますが、やるなら今かなと思った1つの要因でもあります。アンケート外ではありますが、第8回辺りから「有料化しないんですか?」と書かれることもあったんで。

とはいえ、高額の入場料は取りたくありません。自分としても「これくらいの入場料ならOK」と思える金額にしたい、というのがあります。
同じく出展料もそうです。中古を5-6個売りたいんだけど、というのに、出展料が5000円もしてはいけません。何のために出るんだということになっちゃいます。

そんな訳で、

出展料:2000円(企業は倍)
入場料:500円(保護者がいる場合は無料)

となりました。

簡単に書けない内容ですみません。
高々有料化するだけで複雑怪奇ですみません。

でも、遊びに来るときは結局500円払うだけになったので許してください。
後、募金箱は有料化の時点で廃止します。
別途グッズ販売所みたいなのを作るかもしれませんが、平たく言うと人手が足りてないのでないかもしれません。

まずは、自分(COLON ARC)が出店できるところまで整えたいと思っています。私だって出店したい!w


とりあえず、第11回も第10回に並んで、新しいこと尽くしになりそうです。会場も変わりますし、入場方法も変わります。
コロナ禍での対策はこれまで通りなので、その部分についてはおそらく問題が出ることはないと思います。

今後もボドゲフリマをよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?