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I'm a dreamer


BTSが兵役の義務を履行する準備を開始したことが発表された。

韓国のエンタメのファン歴が長い方程、今後の彼等の人生を考えたら忖度なしで行くべきだという意見が多い。
彼等も事務所も長い時間をかけて話し合い、決定したことだ。

それが最善なのだろうと思う。

けれども本当のところ、私は彼らには兵役に就いて欲しくはなかった。
数年間彼らに会えなくなるとか、そんなことではない。
彼らが掲げるLove Myselfと兵役とはどう考えても交わらないと思うからだ。
ARMYみんなが彼らから受け取った大切なメッセージを今彼らはどんな思いで胸に抱えているのだろう。


兵役は約2年間ただ軍隊に押し込められ、アイドルとペンが会えない期間というだけではない。
彼らがその手に武器をとるのだ。
勿論配属による差はあるだろうとは思う。
でも軍人である以上、有事の際は率先して武器を手にしなければならないということだ。


韓国人の男性として生まれ、教育を受け、年長者を敬い、先人達の国家への忠誠の恩恵を感じてきた彼等の人生。
それは皆真実だ。
BTSとしてデビューし、活動した約10年間に実際に感じた世界は彼等の目にどんな風に映ったのだろう。
誰よりも密に世界中のARMYと触れ合い、世界中で一緒なら砂漠も海になる美しい光景を何度も目の当たりにした筈だ。
奇跡のようなそれらの体験も皆真実だ。

本当は彼らこそ、

音楽は国籍や民族や言語や宗教など様々なボーダーを超えて伝わることを誰よりもよく知っているのに。

愛こそが人々の心を動かし、生活を豊かにすることを知っているのに。

この地球の上に国境線等というものが存在しないことを知っているのに。

人々がそれぞれのLove Myselfを大切にし、それぞれの小さな幸せを持って一生懸命生きていると知っているのに。

彼等の音楽で世界を変える力を夢見たことはなかっただろうか。


彼らが祖国をとても愛していることはよく分かる。
祖国のために兵役の義務を果たすことを納得し、その行動に自尊心を抱いていると思う。
また、彼ら自身だけでなく、ご家族やスタッフ、韓国のARMYたちがそんな彼らを誇りに思う気持ちも理解できる。
だって朝鮮半島は未だ休戦中なのだ。
戦争は遠い昔や、遠い彼方の物語ではない。
戦争が終結していないという事実は、彼等と彼等の大切な人達の安全が常に脅かされているということだ。


私はどんな事情であれ、戦争やあらゆる暴力に反対する。
でも韓国人である彼等はそう発言することすら許されないのかもしれない。


事務所の発表では、英語でだけ、彼等に対する想いが書き添えられていた。
単に書いた人の個性なのかもしれないけれど、私は兵役に対する理解が得られにくいファンに宛てた配慮ではないかと思う。
日本人のファンは韓国の兵役という制度に理解がありすぎるように感じる。
他国の制度を外国人が論じるのは宜しくないという考えもあるし、日本人である私たちは韓国の近代史に大きく関わっており、簡単に口をだせるような話ではないことも分かっている。
けれども私は一人の人間として、戦争そのものに反対だ。


もしも自国の制度ならどうだっただろう。
韓国の方々は自分の家族や恋人をどんな想いで送り出されるのだろう。
実際に兵役に就かれる方はどんな想いなのだろう。
胸が詰まる。

今も世界中のあちこちで祖国のために武器をとる人たちがいる。
血を流す人たちがいる。
武器で何の恨みもない誰かを傷つけることはきっと、傷つけられることより辛い。

大人たちは自分が片付けられなかった問題を先送りして、若い人たちに押し付けるばかり。

彼らよりずっと長く大人として生きてきた自分の無力さに途方に暮れる。

今までもそうだったから、
みんな平等だから、
当たり前だから、
そんな考えに前進はない。


Imagine there's no countries
It isn't hard to do
Nothing to kill or die for
And no religion too
Imagine all the people
Living life in peace

You may say I'm a dreamer
But I'm not the only one
I hope someday you'll join us
And the world will be as one
Imagine  / John Lennon


ジョンがこの曲をリリースしたのは31歳、今の彼らと同じ位の年齢の時だ。
それから約50年、dreamerの数は増えていないないのだろうか。

きっとそんなことはないと思う。
私もまたdreamerであるように。

世界が平和であって欲しいと願う。
ただ、一人の人間として。


今も重い荷物を背負い、防弾であり続ける彼等のこれからの人生は長い。
釜山コンでもBTSとしてずっと長く続けていくと約束してくれた。
大切な彼等の人生が自由で祝福に満ちたものであって欲しい。

早速、人の顔色を窺ってばかりの人達の「彼等が望むなら」「国益のために」なんて都合のいい声が聞こえてきてうんざりだ。
義務を全うすれば、今まで利用され続けてきた立場も変わるかもしれない。
奪われた声を取り戻すことができるかもしれない。


だから私も嘆いてばかりはいられない。
今が思い通りにならないからといって、すべてを諦めてしまうわけにはいかない。
世界中のARMYが世界平和を望み、それぞれに考えて行動することは、きっとその一歩になる。



ただ、彼らの心と身体の健康を願い、
7人との再会を待ちたいと思う。
昨日より今日、今日より明日が少しだけいい日になるように。
その明日は、与えられるのを待つのではなく、自分達の手で掴み取る。
これから訪れる最高の日を、笑顔で迎えられるように。
一歩ずつ。


BTSには音楽がある。
この音楽をPROOFにBTSとARMYは歩みを止めない。




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平和ボケと思われる方もいるだろう。
でも私は、戦争ボケになんかならない。
絶対になるものか。






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