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第6波(コロナオミクロン)のワクチン未接種/2回接種/3回接種の重症化率・致死率資料を読み解く

第80回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和4年4月13日)
資料5-2 第6波における重症化率・致死率について

広島、石川、茨城

上記資料について見ていきたいと思います。

パっと見だと、未接種致死率2%とか6%という数字を見てドキっとするかもしれません。

疑問① なぜ「石川、茨城、広島」なのか?

まず疑問に思ったのが、チョイスされたのがなぜ「石川、茨城、広島」なのかという部分でした。各都道府県で違いがあるかもしれないので、上記3県といくつかの都道府県の死者数を調べました。

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広島県は、期間内の死者数は185人のようです。

https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/133508

茨城県は、64人のようです。報道発表の期間内死者数を合算しました。

https://www.pref.ibaraki.jp/1saigai/2019-ncov/shiryouteikyou.html

石川県は調べてもわからなかったので、NHKの発表を使用しました。

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https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/pref/ishikawa.html

NHK資料によると、32人でした。

一応、NHK資料の死亡者数を先程の広島、茨城でも調べましたが、それぞれ「185人」「68人」。広島はピッタリ、茨城はややズレ。ひとまず概ね合っていると考えました。

従って、資料期間中の死亡者はそれぞれNHK資料からとった

広島:185人
茨城:68人
石川:32人

とします。

次に、それぞれの「感染者10万人あたりの死者数」を算出しました。
※「10万人あたり」の数字にしたのは、「致死率」だと数字が小さすぎてパッと見て比較がしにくいためです。

広島:354.3人
茨城:139.5人
石川:194.9人
3県平均:242.8人

次に、その他の都道府県の「感染者10万人あたりの死者数」を見てみます。※同様にNHK資料の死者数データを使用

北海道:253.9人
東京:77.6人
神奈川:133.8人
埼玉:59.6人
千葉:180.5人
大阪:185.4人
兵庫:227.7人
奈良:287.7人
宮城:95.5人
新潟:28.3人
沖縄:57.3人

かなりバラつきがあります。東京や神奈川といった大都市圏でも前述3県よりずっと下です。新潟とは9倍以上の開きがあります。

ちなみに全国平均は「161.0人」です。前述の3県の平均「242.8人」より少ないです。

つまり、「全国平均より大きくなるように3県をピックアップしたのではないか」と疑われてもおかしくないということです。少なくとも、住んでいる地域によっては実態と見合わないデータを見せられていることになります。

例えば「埼玉、新潟、沖縄」の3つを選んだとしたら、前述の致死率はかなり下がることになり、資料を見たときの印象はだいぶ変わるはずです。

しかも、3県の死者数合算は「285人」ですが、資料の死者数合算は「371人」です。死者数が合っていません。

あとから死者数が追加されることもありえるとは思いますが、それにしても100人近い差があると「盛ったのではないか」と思ってしまいます。

疑問② 資料データと実態が合っていないのではないか?

疑問①でも触れましたが、3県の死者数合算は「285人」ですが、資料の死者数合算は「371人」で、資料データと実態にズレがあります。

これは死者数だけではありません。各年代の未接種~3回接種の感染者数を合算しても、「まとめ」の数値と全然合っていません。

例えば70代ですが、未接種~3回接種の感染者数の合算は「3,799」。しかしまとめには「5,357」と書かれています。まとめは「1,558」人多く、全く合っていません。ちなみに死者数だとまとめは32人多いです。

そしておそらく、この差はいわゆる「不明」のことだと思われます。不明の欄を設けず、黙って消していることに気持ち悪さを感じます。

ちなみに、「ワクチン接種歴不明は、ほぼ接種者なのではないか」という記事を↑で書いています。よければ合わせてご覧ください。

そしてもし不明が接種者なのであれば、結果は違うものになります。さすがに恐ろしくてそこまで考えたくはありませんが、少なくとも「不明をこっそり隠している、計算しないとわからないようにしてある」のは確実かと思われます。

疑問③ 説明文とデータの合算が合っていない

これはおまけみたいなものですが、ある意味一番驚いた部分でもあります。

説明文には「感染者119,109人を対象に」とありますが、資料の感染者を合算すると「119,038人」となります。わざわざ説明までしているのに資料の合算と合わないわけです。こんなものは表計算ソフトで足せば簡単に算出できるわけですから、間違ったのは「説明文を書いた後、表のデータを『イジ』った」と考えざるを得ません。(もしくは、単純に計算ミスをした)

何にしても、こんなミスは通常見つかった時点で資料全部が『却下』となり得るものです。

④まとめ

1,3県ピックアップは「全国平均を上回るように選ばれたのではないか」

2,資料とデータの実態が合わない。「不明を隠しているのではないか」

3,そもそも、初歩的な計算ミスがある。

以上です。

個人的には、「印象操作」「隠蔽」「ミス」等さまざまなネガティブ要素を疑わざるを得ない資料となっていると感じました。