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「日本の週ごとのワクチン接種歴別感染者数」を検証する

Twitterを眺めていたところ、以下のツイートを見つけました。

これはなんだろう?と思い、画像検索してみたところ、「日本の週ごとのワクチン接種歴別感染者数(HER-SYSデータ)による、接種歴別人口に占める新規感染者数を人口10万対とした未接種者と2回接種者の陽性数推移とその比率」とのことです。

なにか既視感がありますね。

↑の件もあったので、この手のものは足してみればだいたいわかるかな、と思い、実際に足してみました。

とりあえず、3月第1週を見てみましょう。
数値がわからないので目分量ですが、未接種を「650人」、接種者を「150人」としました。
未接種人口は「2500万人」、2回以上接種者人口は「1億500万人」です。
10万人あたり数値x(人口÷10万)で「感染者の実数」を求めることができます。
したがって未接種感染者「162500人」、2回以上接種者「157500人」
このグラフの3月第1週の総感染者は「320000人」となります。

そして2022年3月第1週の総感染者数は「440999人」(NHKデータ、2/28~3/6)

12万人ほど足りません。やはり案の定という感じです。

同様に他の週も計算してみました。

2022年1月第1週→「9042人」不足
2022年1月第2週→「15776人」不足
2022年1月第3週→「41616人」不足
2022年1月第4週→「24662人」不足
2022年2月第1週→「211879人」不足
2022年2月第2週→「200228人」不足
2022年2月第3週→「171698人」不足
2022年2月第4週→「134469人」不足
2022年3月第1週→「120999人」不足
2022年3月第2週→「102032人」不足
2022年3月第3週→「82725人」不足
2022年3月第4週→「64506人」不足

すごいですね…。2月第2週に至っては発表されている感染者数に対して20万人も足りません。
不足人数は週ごとにばらつきがありますが、概ね1/4~1/3程度抜いているようです。

あとそもそもの話なんですが、未接種陽性者には「12歳未満」の陽性者も含まれています。12歳未満は2月までは全員未接種です。3月以降は12歳未満の接種も始まりますがあまり進んでいないのでほぼ未接種と考えられます。

従って、この形式で比較すること自体間違っています。本来条件を揃えて比較するなら、

未接種(12歳以上)
2回接種者

とするべきです。2回接種者は自動的に12歳以上なので、こうすることでフェアな比較ができます。
12歳未満は陽性になりやすく、全未接種の約65%~80%程度が12歳未満です。

↑は以前の記事で示した「12歳以上未接種/11歳以下未接種」のグラフですが0.25あたりで推移しているのがわかると思います。

↑に詳細があります。

というわけで、未接種からおよそ75%を占める「12歳未満」を差し引いて比較しないといけないわけです。

ここからは半分遊びですが、
・「抜いた人数を2回接種以上に追加」
・75%の「12歳未満」を差し引く

以上を行ったグラフは以下のとおりです。

同じくらいになりました。なんとも不思議な話ですね。

これから「変な表」を見かけたら、とりあえず「実数を足してみる」ことをおすすめします。