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ワクチン接種歴「不明」者は、ほぼ「接種者」なのではないかという話(その2)

東京の報道発表や、厚労省の発表データには「接種歴不明陽性者」がつきものです。どこを見ても不明、不明、不明です。この不明者が実際のところ誰なのか、というのははっきりした答えはありません。

そこで、東京のデータを見てみて、「接種歴不明は接種者なのでは?」と思い書いたのが↑の記事です。

今回、もう1つ「接種歴不明は接種者なのでは?」と思えるデータを見つけたので紹介します。

広島、石川、茨城

↑のデータです。

すでに一度紹介しているので、細かい内容は↑をご覧ください。

それで、このデータですが、0~3回接種の陽性者/重症者/死亡者の合算と、「まとめ」の数値が合わず、それがいわゆる「不明」なのですが、今回この合わない分(不明)について見てみたら面白いことがわかりました。

具体的に言うと、「まとめ」と「0~3回接種の陽性者/重症者/死亡者の合算」の差をとり、「不明」の重症率、致死率を出して見ました。50代以下は重症者がほとんどいないので、60代からです。とりあえずこんな形で計算していきます。

60代 不明陽性者:2279人 不明重症者:11人 不明死者数:7人
  →不明重症率:0.48% 不明致死率:0.31%

こんな感じです。

そして、結果がこれ。

不明60代 →重症率:0.48% 致死率:0.31%
不明70代 →重症率:1.73% 致死率:1.21%
不明80代 →重症率:3.61% 致死率:3.12%
不明90代以上 →重症率:6.20% 致死率:6.00%

するとなかなかに驚く結果になりました。

・不明60代 →重症率:0.48% 致死率:0.31%
未60代 →重症率:1.72% 致死率:0.63%
・2回60代 →重症率:0.47% 致死率:0.22%
3回60代 →重症率:0.31% 致死率:0.31%

・不明70代 →重症率:1.73% 致死率:1.21%
未70代 →重症率:3.83% 致死率:2.00%
・2回70代 →重症率:1.94% 致死率:1.14%
3回70代 →重症率:0.95% 致死率:0.63%

・不明80代 →重症率:3.61% 致死率:3.12%
未80代 →重症率:7.62% 致死率:6.63%
・2回80代 →重症率:3.67% 致死率:3.15%
3回80代 →重症率:2.15% 致死率:1.79%

・不明90代以上 →重症率:6.20% 致死率:6.00%
未90代以上 →重症率:9.76% 致死率:9.33%
・2回90代以上 →重症率:6.26% 致死率:5.95%
3回90代以上 →重症率:0.97% 致死率:0.97%

 パッと見て分かる通り、不明の重症率/致死率は、「2回接種」の数字とかなり符合しています。誤差かもしれませんが、多少2回接種の方が成績が悪いので、3回も少し含まれるかも、という感覚です。少なくとも、未接種が多く含まれることはなさそうです。

「結局、接種者の重症率、致死率は変わらないじゃないか」という意見もあると思いますが、不明の陽性者が接種者に足されることによって陽性率が上がるので、重症化リスク自体は増えます。60代の場合、陽性者3651人が5930人になるので、1.62倍のリスク増です。逆に言えば、不明があることによって0.6倍程度リスクを低く見せていることになります。

↑は不明者がいない浜松データですが、2回接種の方が陽性になりやすい週が見られます。その場合、陽性後重症化抑制効果があったとしても、陽性率を考慮したトータルだと効果が薄いばかりか、最悪の場合マイナス、なんて可能性も出てくるかもしれません。

個人的には、「接種歴」不明なんだから、そりゃ接種者でしょ、と思っていましたが、ここまでデータなどもありますし、実際そうなんだろうな、と思っています。