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英国の君主シリーズ チャールズ1世復刻コイン

イギリス造幣局から新たなコインが発行されました。英国の君主コレクション「チャールズ1世」のコインです。本コインはヘンリー7世、ジェームズ1世、ジョージ1世、エドワード7世、ヘンリー8世、チャールズ1世に続く6番目のコインコレクションです。

本コインのデザインはトリプルユナイトなど数々著名コインのデザインで採用されているニコラス・ブリオのデザインが採用されております。

引用:Royalmint

チャールズ1世の生涯

チャールズ1世は、1625年から1649年までイングランド、スコットランド、およびアイルランドの王でした。彼の統治は内戦、共和国時代(インターレグナム)、そして最終的には自身の処刑という非常に過酷な生涯を過ごしております。

チャールズ1世は1600年にスコットランドで生まれ、ジェームズ6世(後のジェームズ1世)とアン・オブ・デンマークの息子でした。彼は1625年に父親の死去を受けて王位につき、その年の後半にフランスのヘンリエッタ・マリアと結婚しました。

チャールズ1世の治世の初期は、財政問題と宗教的な緊張が特徴でした。彼は議会の協力を得られず、高い税を課していました。また、彼の妃ヘンリエッタ・マリアはカトリックであり、彼自身も高教会派の影響を受けていました。これは強くプロテスタントだった国民との間に摩擦を生む要因となりました。

これらの問題がピークに達したのが、1639年から1640年にかけてのビショップ戦争です。これはスコットランドでの宗教改革を巡る対立から引き起こされました。この戦争はチャールズ1世にとって不利な結果に終わり、国王と議会との間の対立をさらに深める結果となりました。
最終的には、1642年にイングランド内戦が勃発します。議会派(通常は「ラウンドヘッド」と呼ばれる)と王党派(または「カヴァリア」)との間で争われ、一連の衝突と包囲戦が続きました。初期の戦闘では、どちらの側も明確な優位を確立することはできませんでしたが、1645年のナーズビーの戦いで議会派が大勝した後、戦争は徐々に議会派が優勢となりました。

引用:Royalmint

1646年にチャールズ1世は議会派に捕らえられ、その後3年間を監禁されることになります。彼は再び王位につくための試みを続けましたが、それらの試みは最終的に失敗に終わり、彼は議会とその新たな軍事リーダー、オリバー・クロムウェルによって裏切られました。クロムウェルは新モデル軍と共に英国の政治的風景を支配し、1649年にチャールズ1世を裁判にかけることを決定しました。

この裁判では、チャールズ1世は議会と国民に対する反逆罪で告発され、有罪判決を受けて処刑されました。これにより、英国の歴史上で唯一公開処刑された君主となりました。彼の死は共和国時代(インターレグナム)の始まりを示し、オリバー・クロムウェルが護国卿として英国を統治する時代へと移行しました。

彼の治世は、王権神授説と議会主義の間の緊張が頂点に達した時期であり、それは王権の絶対性と議会の権限との間の戦いを象徴しています。彼の死後、国は共和国となり、オリバー・クロムウェルの下でプロテクトレート(護国卿時代)を経験しましたが、彼の死後わずか11年で王政復古が実現し、チャールズ1世の息子チャールズ2世が王位に戻りました。

発行されたコインの規格

今回発行されたコインは1,2,5,10オンス銀貨、1,2,5オンス金貨がそれぞれ発行されました。英国の君主シリーズコインは通常のシリーズよりも発行枚数が少なく希少度が高いです。

歴史的にも大きな転換を果たした人物の復刻コインとなります。希少度も高く、特別なコインを手に入れ、英国の歴史を感じてみてはいかがでしょうか。

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