遠藤瑞季の自己紹介

 今公演に出演する、遠藤と申します。
 2020卒なのでOB3年目です。 

現役時代

 現役のときは主に役者をしていました。
 他のOBOGは、現役生から他己紹介のnoteにて自分の参加作品を余すことなく紹介してもらっていましたが、僕を紹介してくれた川上君が横着して遠藤の参加公演すべてを挙げてくれませんでした。このままでは自己顕示欲が満たされません。ここで満たすことにします。

2016(1年)
 7月公演『さいたま、竜神ものがたり』 照明
 夏企画公演『猿は何処に』 役者
 一橋祭公演『水平線のキミ』 役者
 1年生公演『グッドバイ』 役者
 卒業公演『めぐりめぐりゆく、(残響)』 役者
2017(2年)
 新歓公演『走れメロスのように』『ぼとぼと』 広報
 7月公演『赤い泉のほとりの夢』 面製作
2018(3年)
 新歓公演『ヒーロー』 照明
 7月公演『HAVE A NICE DAY!!』 役者
 一橋祭公演『フレームの外の、あの子』 役者
 卒業公演『ときめいて大鴉』 演出助手
2019(4年)
 7月公演『今日は、』 舞台監督
 夏企画公演『ともだちが来た』 演出
 一橋祭公演『もうひとつの地球にある水平線のあるピアノ』 役者
 卒業公演『不完全なけもの』 脚本・演出

 やはり役者がほとんどを占めています。
 また、3年の最後に演出助手を経験し、4年になってから満を持して舞台監督や演出など公演の核となる役職をしているあたり、絵にかいたような順当・保守的・レールの上を行くキャリアパスを歩んでいます。私の臆病な性格をよく表した年表となっております。
 さらに注目すべきは2017年度7月公演『赤い泉のほとりの夢』にて、「面製作」なる役職を務めていたことです。「面製作」とは文字通り、「お面の製作」です。コギトで「面製作」を務めた人間は、後にも先にも遠藤一人だけでしょう。いわば私はコギトにおける「面製作」のパイオニア、草分け、第一人者、巨匠なのであります。今後コギトで面製作をする場合は、必ず「名誉面製作」としてクレジットに載せるべきなのです。
 

象が好き

 話は変わって、遠藤は象が好きです。あまり人に話す機会もないので、僕と被っている現役の方も知らなかったと思います。


 なぜ好きなのかというと、小学生の同級生に、象のような眼をした男の子がいたからです。
 その子は転校生だったのですが、転入してきてしばらくすると、軽いいじめに遭うようになりました。でも、象の目をした彼は基本的に無表情なので、悪口を言われても無表情のままでした。
 僕ももしかしたらいじめに加担していたかもしれません。でも、何度か彼の家に遊びに行ってスマブラをした記憶もあります。昨日の敵が今日の友になり、逆もまた然り、そんな程度の小学生の関係性です。
 ある日、教室内で突然象の目をした彼が豹変し、近くの別の男子にとびかかり、取っ組み合いのけんかのようになりました。おそらくいつものように悪口を言われたのでしょう。いつも無表情で無反応の彼が急に暴れたことで、教室内は騒然となりました。僕はその象の目の奥で、無表情で無反応な穏やかな目の奥で、今までどれだけの情念を押しとどめてきたのだろうか、と恐ろしくなりました。

 問題なのはここからで、象の目の彼はその日以降、無表情ではなくなりました。むしろ「キレキャラ」になりました。何か悪口や不満を言われると、すぐに取っ組み合いのけんかをするようになりました。さらに、女子のスカートをめくったりするなど、当時としてもすでに時代錯誤なセクハラキャラになりました。甚だ迷惑な話で、もちろん彼はそのためにものすごい勢いで嫌われていくのですが、あの日を境に人が変わったように自己を解放する彼を見て、興味深いと感じる自分がいます。

 動物園なんかで象を見るたび、彼のことを思い出します。そして、穏やかな目の奥に渦巻く情念を想像して恐ろしさに身震いしつつも、人間っておもれーなーと思ったりします。
 現役の頃は、目の奥が見える演技をしたいなと思っていました。今公演でもそれを目指して頑張る所存です。


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