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月下美人

白。瞼を閉じると脳裏に浮かぶ鮮やかな白。手に取ると今にも崩れてしまいそうな感触を覚えさせる。

蜜。鼻の奥を微かに、そっと撫でていく甘い香り。

ベール。分厚い雲のベールに覆われても尚、辺りを照らす月の光。

ミツバチがあと100年で全滅するのなら、あと100回も見れないんじゃないかと調べたら、1年に一晩しか咲かない、原産地がメキシコのこの花は、コウモリに花粉を運んでもらうらしい。豆知識。

“書くことは、自分が目で見た世界を一度バラバラに解いて、再構成していくこと。”

原稿に追われ、何処かへ逃げ出したい夜に、何処へも行けない電車に揺られ、ふと想う

いつ訪れるかもわからない月灯りの夜のために、淡々と蜜を蓄える花、忘れられた頃にふと、重なるベールの白を惜しげもなく曝す花を、見習いたい

もう、10月も2日が終わる。

月下美人

溜まったお金は全額、月に行くために使います!