木漏れ日

青い葉っぱの木漏れ日とともに
あたらしいまぶしさ
なぜ、そんなにつつみこんでくるの
疑り癖がこびりついて
最初は気がつかなかった

キーっと怒ってしまったこともあった
困り果てた後ろ姿に
仕方がなかったんだ
それでも、伝わってくるやわらかさ
すくなくとも
暗くて食べてばっかりの
トンネルの中にいるような
状態からずっと楽にしてくれた
人生はすてたものではないと
たまにそんな時に巡り合う
具合の悪かった帰りの
偶然の同じ車両
エレベーターを乗り継いで地上に出るまで
話も柔らかくて、
木漏れ日にいるような
ここは、夕方の地下鉄の駅なのに
これからもずっと話して…
横にいて…

知っている、
この木漏れ日が続かないことも
いつか曇り雨が降って
遠いところでその木漏れ日
が必要なことも
でも、今その木漏れ日に助けられている

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