アニマルウェルフェアと「五つの自由」
畜産にけるEUや各国の法令の土台となった原則がある。1960年代に英国で生まれた動物の福祉のための「五つの自由」である。
①空腹および渇きからの自由。(健康と活力を維持させるため、新鮮な水およびエサの提供。)
②不快からの自由。(快適な休息場所などの提供を含む適切な飼育環境の提供。)
③苦痛、損傷、疾病からの自由。(予防および的確な診断と迅速な処置。)
④正常行動発現の自由。(十分な空間、適切な刺激、そして仲間との同居。)
⑤恐怖および苦悩からの自由。(心理的苦悩を避ける状況および取り扱いの確保。)
欧州でアニマルウェルフェアの取り組みが進んでいる理由は、EU法による規制、飼育方法の工夫、国をあげての認証システムの導入があげられる。また、生産コストが高いままでは農家のアニマルウェルフェア対応は進まないため、アニマルウェルフェアの遵守農家に対して補助金を出すなどの対応も検討すべきであろう。
アニマルウェルフェアの基準の策定は、みんなが依拠できる科学的知見に基づいて作成を進めることも必要である。
<参考文献>枝廣淳子『アニマルウェルフェアとは何か』
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