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「0」から「1」を生み出す考え【デュエルマスターズ】

はじめまして。コクトウと申します。

本稿は、デュエルマスターズにおけるデッキ構築において、漫画「ブルーロック」に登場する「0」から「1」を生み出す理論の共通性について思うことがあったので執筆させていただきました。

「そんなことわかっとるわい」
「ほな環境に対抗できる1枚ってどうやって見つけんねん」
という感想いただきそうな内容です。
自分の頭の整理がてら書いてますので悪しからず…。
どのように書けば読みやすいかなど、まだまだ模索中ではありますが少しばかりお付き合いください。

■デュエルマスターズのデッキ構築について

はじめに、デュエルマスターズのデッキ構築ですが、現在は以下の3つの手法で作られています。  

 ①既存のデッキを参考にする  
 ②新しいデッキをゼロから作る

多くのプレイヤーは、①でデッキを作られていると思います。毎日のように全国で開催されているCSで結果を残している構築、YouTubeで所謂デュエチューバーの方が紹介している面白い構築など、探せば参考になる情報が山のように出てきます。強力なデッキを模倣しつつ、少しずつ改良を加えていくこのプロセス自体が、既に80/100点くらいで確立されたものを自分が使いやすい構築や、環境にマッチした構築に変えるという連続的な進化です。

しかし、そんな①も、最初はどこかの誰かが②の手法でもってデッキを作っています。最初は無名なデッキですが、他のプレイヤーに認知され、次第に一般化していきます。これが「0」から「1」を生み出す過程です。

ここでは、そんな②の手法でデッキを作ることについて考えていければと思います。

それを前提に、次の項で登場する理論を絡めていきます。

■「0」から「1」を生み出す理論

漫画「ブルーロック」はご存知でしょうか。

ブルーロック
原作:金城宗幸、作画:ノ村優介による日本の漫画作品。『週刊少年マガジン』にて連載中。

参照:Wikipedia

(アニメから入った身ですが、これが面白く、簡単に言うとサッカー版デスゲームです。負けたらその後のサッカー人生がおしまいになります。オススメ。)

作品のタイトルにもなっている「ブルーロック」とは、サッカーにおける世界一のストライカーを育成するための施設です。施設の創設者である絵心甚八(えごじんぱち)は以下のように語ります:

「サッカーは元々点を取るスポーツです。お前らの中にバカみたいに刷り込まれてるポジションや戦術なんてのはサッカーの進化の歴史で成立してきた、ただの役割であってサッカーとは元来全員がストライカーであることから始まった。お前らの頭で0から作り直すんだよ。日本を世界一にするのは11人のチームワークではない、たった1人の英雄だ。」

ブルーロック(2)第8話より

この言葉から、主人公・潔(いさぎ)は
「『秩序のない0』から、『圧倒的な個性・才能を持った1人のストライカー』がチームを形作る
と解釈します。

作中で試合に参加している選手全員が、己のゴールのために、敵味方チーム関係なく互いにボールを奪い合う「お団子サッカー状態」となってしまうという描写があります。これがサッカーにおける「0」の状態です。
その局面から、選手として強力な武器を持つ馬狼(ばろう)により相手チームが先制点を奪います。相手チームはこの馬狼を中心にゲームを組み立てれば勝てることに気が付き、馬狼にボールを回すために動き始めます。つまり、馬狼が「1」。圧倒的な個性・才能を持つ1人のストライカーなのです。

■デュエマにおける「0」を「1」にする考え

では、デュエマにおいてはどうでしょうか。
「0」を「1」にする考え方は、
秩序のない0=圧倒的なカードプール から、
圧倒的な個性・才能を持つ1=環境に台頭できるキーカード を見つけ出し、
勝利のためのデッキ構築を目指すことだと考えます。

この考え方の核心は、無秩序なカードの集合体から勝利への明確な法則性を生み出し、カードの各要素を一貫した方向へと導いてデッキを構築することにあります。
先述したブルーロックでの馬狼を中心にチームが出来上がった過程と似てませんか?

■個性と能力の発揮

デッキ構築において「0」とは圧倒的なカードプール、「1」とは環境に台頭できるキーカードとしました。
ここで言う「1」とは、環境に対してそのキーカードの個性が他の追随を許さない形で最大限に引き出されることです。

デュエマには多種多様なカードが存在し、それぞれが独自の能力を持っています。これらのカードを無秩序に組み合わせても、勝利に至ることは難しいです。
しかし、その中には環境に対して、刺さるカードが存在します。主に場に与える影響が大きいこれらのカードは、その強力な能力により、試合の流れを変える力を持っています。

これらのカードを中心に据え、その能力を最大限に引き出す形で、他のカードを使って補強し、デッキを構築します。
各カードの能力が相互に補完し合うように組み合わせることで、勝利への道が見えてくるのです。

個人的に分かりやすい強力な「1」
(マナコスト的にも。)
■デッキの法則性と一貫性

では、次にデッキ構築においての勝ちに向ける方向性の話です。
デッキというのは、各カードが一貫した勝利の方向性を持つように構築されるべきです。現在、デュエマでは主に以下の3つの勝ち方が存在します。 

 【1】相手シールドを全てブレイクしてダイレクトアタック
 【2】エクストラウィン
 【3】相手山札のライブラリアウト

先程の項で選んだ中心に据える「1」のカードが、上記【1】〜【3】のどの勝ち方に合うのかを見極めます。
が、大多数のカードは【1】です。【2】【3】は大方ループした後のフィニッシュとなるので、1枚のカードというより複数カードのシナジーが鍵となります。なので、今回は【1】中心にします。
(絵心さんも多分「デュエルマスターズはもともと、シールドをすべて割ってトドメを刺すゲームです」みたいに言うよね…多分…。)

フィニッシュは「シールド全部割ってダイレクトアタックすること」になるので、そこに辿り着くための明確なプランを考えます。
相手より早く殴り切るのか、妨害した後に盤面を整えて攻めるのか、ガッチリ守りを固めて受けて返すのか、など。

無秩序に様々なカードを詰め込んだデッキでは、各カードの能力が相殺しあい、素直に勝てない、勝ちまでに右往左往してしまうなど、互いの能力の引き算の結果となってしまいます。
しかし、デッキ内のカードが同じ勝ちのベクトルを持つことで、それぞれの能力が足し算もしくは掛け算となり、相乗効果を生み出します。

■勝利のための策略について

前項で考え出したデッキのベクトルに基づいて、中心となる「1」以外の他のカードが選ばれます。

デッキ構築の際には以下の点を考慮します:

  • シナジーの最大化:カード同士のシナジーを見極め、互いに補完しあうカードを選ぶ。「1」のカードを最大限活かせるように。

  • バランスの確保:攻撃、防御、リソース管理など、デッキの全体的なバランスを考慮する。

  • 柔軟性の確保:対戦相手や状況に応じて柔軟に対応できるカードを組み込む。要は環境に応じて変更できる枠のこと。

ここまで考えて、デッキを組んだら一度実践です。

■デッキ構築の実践

中心的なカード、勝ち方、デッキを補強するカードを決めてデッキを組んだら、ここで一度テストしてみます。この際、確認するのは以下の項目です。

  • デッキの目的:デッキの目的(例:速攻、コントロール、コンボ)が明確になっているか。

  • デッキの勝ち方:デッキの勝ち方は明確になっているか。また、その道筋は適切か。

  • 下位互換:他デッキの下位互換になっていないか。例えば相手より早く殴り切ることが目的なのに、別デッキのほうが1ターン動きが早いではいけない。(特定のカードを使いたいならそれでもいいけど、多分勝てない)

  • 不要なカード:実際に使ってみて、不要なカードはないか。(受けの枚数、初動の枚数などが調整できるかと。)

この構築→実践→改良を繰り返し、デッキを完成に近づけます。実際は、「完成」という状態は一過性のもので、環境ごとに改良が必要になるのが常です。
その時その時の最善の構築というものにどれだけ近づけるか、また気づけるかが環境内で生き残るのに必要なスキルとなります。
Tier1のデッキ達は、シェア率トップなので、研究され続けますが、それ以外は自分でなんとかするしかありません。なにせ圧倒的に試行回数が少なくなるのですから。どれだけ自分で研究を進められるか、というのも重要事項となるでしょう。

まとめ

デュエルマスターズのデッキ構築において、「0」から「1」を生み出すプロセスは非常に重要です。
膨大なカードプールという無秩序な「0」の状態から、環境に適応したキーカードを見つけ出し、それを中心に据えてデッキを構築することが、勝利への鍵となります。このプロセスは、既存のデッキを模倣して改良を加える進化の段階だけでなく、全く新しい発想でデッキをゼロから生み出す創造的な挑戦でもあります。
プレイヤーは、個々のカードの強力な能力を最大限に引き出し、デッキ全体のシナジーを意識しながら、一貫した勝利へのプランを構築する必要があります。これは、単なるカードの寄せ集めではなく、各カードの役割を明確にし、相互に補完し合うことでデッキ全体が強力な戦力となるように設計することです。

このようなデッキ構築の方法論は、ブルーロックの「0」から「1」を生み出す理論とも通じるものがありますが、デュエルマスターズにおいて特に重要なのは、独自の視点で環境を分析し、新しいデッキを生み出す創造性と実践力です。環境に合わせて常に進化し続けることが求められるこのゲームにおいて、他のプレイヤーと差をつけるためには、既存の枠組みにとらわれない発想と実行力が不可欠です。

最終的に、デュエルマスターズでの「0」から「1」を生み出す力は、他のプレイヤーに先駆けて新たなデッキを発見し、環境に適応した独自の戦略を確立することによって、競技シーンでの成功をつかむための最重要要素となるのです。

また、この共通のプロセスは、ゲームやスポーツの枠を超えて、あらゆる創造的な活動においても有効であると言えるでしょう。

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