【超獣理論値列伝】Part10 《滅砕!鬼札MAX》

 こんにちは。第十回、今回紹介するは《滅砕!鬼札MAX》。腐る対面は極小の中々の強呪文である。ただ、色が少々微妙と言われたら絶妙に言い返し難いのだけが難点。それでは名目スペック。

滅砕!鬼札MAX   呪文
コスト2   文明:火/闇
・Sトリガー
・どちらか、自分の火と闇のクリーチャーがそれぞれ居るなら両方選ぶ
 ◇ランダム1ハンデス
 ◇単体3000火力

 MAX呪文のサイクルの1枚。火力とハンデスのモードを持った2コスト多色呪文。《ゴースト・タッチ》に火力がついた呪文、みたいなもの。魔境とも言える2コストハンデス集団に於いて、この呪文はある種独自の地位にいる。基本的にどのハンデスも独自の地位を保っているが、この呪文の他への優位性は何か、と言えば対速攻性能である。
 基本的に、ハンデスは速攻に対して効き目が悪い。何故なら、ハンデスによるリソース削りの影響が顕在化する前に勝負を決めにかかるから。速攻側は1ターン目からクリーチャーを並べられるけど、ハンデス側は序盤には1ターンに1枚しか削れない。しかも、ハンデスに枠を割く所為で、受け札もあまり入り難い。

 だけど、コイツにはST付き火力、と言う側面がある。例えば【赤単我我我】で後手を引いて、相手が《カンゴク入道》を2ターン目に出してきた時、他の2コストハンデス札と違って、火力として使用してカンゴクを破壊して、コダマンマと同じアドバンテージ量に貶められる。またそれどころか、《凶戦士ブレイズ・クロー》の1点で、STとして打てる可能性も秘めている。これは、この札のみの特徴。

 3000火力の範囲に収まっているカードといえば、《凶戦士ブレイズ・クロー》や《死神術師デスマーチ》などの1コストカード、条件未達成の《カンゴク入道》《こたつむり》、2コストメタカード群の《奇石ミクセル/ジャミング・チャフ》、《天翼クリティブ-1》、《音奏プーンギ》、《赤い稲妻テスタ・ロッサ》などに、初動軽減の一番隊サイクルや一撃奪取、虹彩奪取サイクル、などで、大体の2〜3コストのクリーチャーは焼ける。よく見る範囲で焼けないのは、《その子供、可憐につき》や《ベイBセガーレ》、《とこしえの超人》くらい。
 地味に、《イグゾースト・II・フォー》なども焼けるので範囲が広い。

 そして、火力が対して役に立たない対面ではそれこそハンデスが役に立つ。2コストの普通のランダムハンデスの強さは、今までの数々のハンデスデッキが証明済み。
 んなわけで、基本的に腐る対面が無いこのカードが弱い訳がない。

 なんで使われていないのか、と言われればまあ、色が合わないから、ってことになる。【青黒GRハンデス】【青黒緑ダークネスコントロール】【白青黒超次元ハンデス】などがハンデスの主流で、火の入るハンデスデッキは、白抜きの【4cダークネス】か、【青黒赤バグ丸くんコントロール】ぐらいのものだが、前者はそもそもハンデスは少なめ、後者は《コオニ童子》や《特攻人形ジェニー》、《バグ丸くん》に《堕魔ドゥポイズ》《学校男》などのコスト2のクリーチャーを《有象無造》などで使い回すタイプのデッキで、呪文ハンデスの入る余地は殆ど無い。
 その更に原因とも言えるのは、火の入った、強いハンデス呪文がそんなに無い所為である。《執拗なる凱亜の牢獄》くらいかな?

 それを踏まえると、実戦で使うなら、ハイランダー気味のグッドスタッフか、さもなきゃ《執拗なる凱亜の牢獄》を軸に戦っていくデッキでも組むのが良いと思う。他の赤マナとしては、《”魔神轟怒”万軍投》あたりが適任。GRにはカットとソゲキの二大ハンデス屋に天啓サザンのリソース屋もいるので、十分過ぎるほどに十分だろう。ただ問題は、ここまでくるとどっちかと言えば、【4c万軍投】変則版という感じになってしまうことか。そこはまあ、頑張るしか無い。

 今回はここまで。次回は《龍素記号Sbリュウイーソウ》。それでは。

つぎ
まだ


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