久しぶりに!恋してるの!210820


ヴィジュアル系が好きなの?に対する答えはNOだった。…つい最近まで。

 わたしの好きなのはGACKTとHYDEであって、その愛には自信があっても「ヴィジュアル系」に含まれる他のバンドに対する気持ちがフラットすぎるから、わたしはヴィジュアル系好きを名乗るべきでない。それは10年以上揺るがなかったのだけど、7月に入って、突如新たなる扉が開けてしまった…。 

  HYDEの新譜「NOSTALGIC」を、そしてそれに伴い『Röntgen』をヘビロテしていたら、Spotifyがこれも聴くでしょとばかりにこれまで触れてこなかった90'sあたりの全盛期ヴィジュアル系( X JAPAN、LUNA SEA、DIR EN GREY、GLAY etc…)をわたしに聴かせてきて、そこにある曲が紛れ込んだ。「赤 黄色 向日葵…橙 群青 紫陽花…」と繰り返される歌詞の奇妙さ、SF的でかっこいいのに廃墟的な怪しさ満点のサウンドに載る、若い頃のがっちゃんに似てるけどがっちゃんより、何というか…もっともっと色っぺえ声。「エッなにこれだれ…!?!?」とおもわずその場でリピートボタンを押しつつアーティストページに飛んだ、それがBUCK-TICKとの出会いだった。もちろん存在も、今もアルバムを出し続けていることも知っていて何回かは聞いていたはずだけど、その時初めて出遭った。 

  それからしばらくはその「月世界」や代表曲の「ドレス」…ダークでゴシックな楽曲がイメージだったのだけど、あるときまたもSpotifyがやってくれた。スピーカーから突如沖縄テイストなお祭りサウンドが流れ出したのだった。陽気でロックでありながらも、十分すぎるくらい祭祀的な雰囲気を纏った「memento mori」それから、どこか砂漠のある国の魔女とか魔術師とか錬金術師のようなイメージのある「coyote」この2曲に脳内はすっかりジャックされてしまった!!ついでに好きな曲の次の曲って自然と好きになってたりしません…?疾走感満点のロックナンバー「Jonathan Jet-Coaster」もしっかり好きになった。この3曲が収録されているアルバム『memento mori』はハードロック色(わたしの大好物)が強いアルバムで、BUCK-TICKこんなのも作るのか。しかもめちゃくちゃきもちよくかっこいいじゃないか!!とわたしのオタク精神は呆気なく着火されたのだった。昔のから最近のものまで、ざーっと聴きあさり、そして気がつく。…昔のもいいけど、このひとたち最近のものが良すぎる!と。

 GACKTもHYDEも愛してる。でもそれは常に過去を追いかける行為だった。若かりし頃の彼らが、彼らの生み出したものが好きで「好きだ〜!!」という気持ちには幸せを感じつつ、「ここにいたかった…生まれる時代間違えた…」という悔しい思いが常に伴う。それはそれなりに歳を重ねた人を好きになった時点でわかっていたことでもあるし、しかもビジュアル系という外見の美も重視の世界だし、やっぱり若い頃最高、当然そういうものだと思ってた。ところがどっこい!!!!BUCK-TICKはわたしが心を捧げたその二人よりもさらに年上だけれど、最新作がいい。むしろ今がかっこいい。もちろん昔の櫻井敦司氏はめちゃめちゃ、めちゃめちゃ美しい。今井さんもヒデさんもユータ氏もアニイもそりゃ若い頃はかっこいい。かわいい。やっぱり20年くらい早く生まれて、一緒に歳を取りたかったきもちには変わりない。だけど、まあいいかと思えてしまうくらいに、曲も容姿も、今、かっこいい。この状況、もはやワクワクしかできない。 

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BUCK-TICKについて(2021/08/20現在のわたしのきもち)

 さて、まだまだ無知ではあるけれど、今現在感じてること、残しておこうと思う。


①サウンド面

BUCK-TICKのWikipediaを見るとジャンルの項目が以下の通り。 

ロック、ニュー・ウェイヴ、ビートロック、オルタナティヴ・ロック、ポストパンク、ゴシック・ロック、インダストリアル、テクノポップ、ヘヴィメタル、エレクトロニック・ボディ・ミュージック、ポップ・パンク、ドラムンベース、アンビエント、エレクトロニカ、グランジ、シューゲイザー、ポストロック、ブレイクビーツ、ハードロック、昭和歌謡 

 音楽における「ジャンル」って結局かなりフッワフワしていると思っているし、Wikipediaだしというのは重々承知なのだけど、わかりやすいなとおもったので引用。例えば~ロックみたいなのが並んでるバンドはある。~メタルとかね。それでどんな方向性なのか大体なんとなく掴めたりするけど、BUCK-TICKはこの通り…多様すぎないか。最後「昭和歌謡」だよ??少なくともわたしにはこれをみてもどんな音楽の人たちなのかつかめない!そしてこの多様性は文字上の話ではなく事実なのです。聞いてみればわかる。アルバムごと、というか曲ごと、もはや一曲の中でも一番当てはまるジャンルが変わる。絶えずくるくるいろんなものを横断し続けるのがBUCK-TICKなのだ(と思う。まだ1ヶ月くらいだから、ちょっと弱気 笑)

   前掲の『memento mori』みたいに超ロックかと思えば、「舞夢マイム」とかもろ歌謡曲なのもあるし、「BABEL」ではティトゥン!!て音にチルボド感じたり「ノスタルジア-ヰタメカニカリス-」の語りはボウイの「it's no game」感じたり、はたまたわらべうた感じたり…わたしは知っている範囲でしか感じられなくてその範囲の狭さ的にもっときっとほんとはたくさんあるんだろうなー!とおもいつつ、サウンド面のエッセンス拾うのも楽しい。


②歌詞・世界観

  わたしの場合はなのだけど、BUCK-TICKを聴く時のモードはデヴィッド・ボウイを聴く時とすごく近い。キャッチーなメロディに載っていても、歌詞はわかりやすくないし、引用とか流用がたくさんある。というかわたしの知識なんぞでは言葉すらわからない。しかもわからない言葉やそのソースを調べても、まだわからないの。調べてそれを組み立てないとなのだけど、ニュアンスはつかめても絶対の正解はわからない。くうう!わかんねぇ!!っていうところに悦びがあるんですよ…!(この辺り、歌詞の解釈にブレが出ないようにどんどんわかりやすくしたラルクと対照的だよね〜と思った。どっちがいいとか悪いではなくて!まだ文字の情報にはアクセスしてないけど、ファンクラブの会報とか雑誌とかにはある程度オープンになるのかな?)久しぶりにそういうわからなさにぶち当たって、知りたい!って気持ちになってます。

  例えば「こっちの水は甘いぞあっちの水は苦いぞ」だったり「ねんねんころり」だったり昔からある童歌ってなんだか陰があってこわかったりする。それの引用や流用もあって、生々しい生や性や死、祭祀的な感覚はここからもきているんだろうなと思ったり。ほかにも「ゲルニカの夜」や「DADA DISCO」とか、すでにある概念を借りてきて一曲の中にぎゅっと世界を詰めるという点で、ほんとうにボウイみたいなの〜!ただ娯楽として楽しむ音楽じゃなくて、思考のきっかけになる音楽というか…美術館にいる時と近い感覚になれる音楽。こういうのばかりがあふれていたら、それはそれできっと疲れてしまうんだろうけど、ここのところの日本のポップミュージックの中には知らない語彙や概念に出会うきっかけになる音楽、絶対なんか意味があるよなあって日常生活では働かない脳の領域を突かれる音楽ってなかなか無いと思うんです。もーすきー! 

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  そんなわけで、ズブズブと沼にハマり、ついに人生で初めてのファンクラブにも入ってしまった。しかも、年代的にちょっとヴィジュアル系全盛期はずれてるからGACKTやHYDEを好きでいることはこれまで孤独な戦いだったのだけど、今回初めてこのすきを共有できる人が身近にいる。それも純粋に楽しい。うれしい! 

  大学生くらいまで、わたしのすきなものたちはいつか卒業すべきもの、なんならGACKTに関しては卒業したとすら思ってた。そんなことないな。いまはもう、どこまで行ってもいくつになっても好きなんだろうなと思う。むしろ歳を重ねた分、自分の好きに堂々としていられるしいい意味で見境がなくなるから、これからもっと好きになるのかもしれない!とすら思う。 楽しいなぁ。

 ふたりを好きでいることはもはや日常となっているから、どれだけ摂取してもバイタルに影響はしないんだけど、BUCK-TICKはまだわたしの日常にはなってない。まだまだ知らない曲もたくさんあって、知らない顔も沢山ある。今はもう開拓が楽しくてしょうがない!久々にドキドキして、好きすぎて気持ち悪いいいっていう恋してる状態になってて楽しいよう…!しあわせだようすっきー!!っていう23歳の夏休み最終日でした。とっちらかっちゃったけど、そう、なのでもうヴィジュアル系が好きなわけじゃない、とは言えないなって思ってます。

…明日から仕事だ。そして帰ってきたら去年のライブのDVD届いてるはず。ふふ、がんばろう。

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