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理想と正義と現実の狭間に取り残される人種問題

みなさんはNetflix制作の「13th」というドキュメンタリー映画を知っていますか?
もし知らない、知っているけど見たことがないって人がいたら、今、YouTubeで無料公開されているので見て欲しい。

私自身この映画を見るまで、人種問題に対して全く無知であった。

Twitterで回ってきた人種問題を扱った動画(白人警官が黒人を殺す動画や、黒人差別に対するデモの動画、はたまた黒人が白人に暴力を振るう動画)や文面(被害者当人達のツイートや声明、芸能人のツイート)を見て、
黒人差別は良くない!!!
又は
警官は自衛をしただけだ!
悪いのは黒人だ!(白人だ!)
とか、人種というディープな問題に対して偏見から入ってしまい浅はかな考えが生まれてしまう。

過去の歴史を見つめ直してから現代の人種問題にスポットを当てると、もっと深く見つめ直す事ができる。これを書いている私自身も、まだまだ知識が薄いため偏見が入っているのかもしれない。でも「13th」を見ると、多少人種問題については理解できると思う。

例えば麻薬戦争。

映画「ボーダーライン」など麻薬戦争を扱った映画は沢山あって、見ていた自分の中では、
麻薬は悪。取締るのが正義。
だと、当然ながら思ってた。
麻薬だけを対象に見るとそこの構図は正義なのかもしれないけど、人種問題を対象に見るときこれは正義じゃなくなる。
「麻薬戦争」という言葉はアメリカのニクソン元大統領が初めに使ったのだが、「麻薬戦争」という言葉を使った真意は、自分の中では、
麻薬を撲滅したいから
だと思ってた。
でも、「13th」で語られる真実は違う。
麻薬戦争の真意は
ヒスパニックや黒人などを麻薬所持者と見立て、犯罪者というイメージを社会的に植え付けること
であると、この映画は主張しており、歴史、統計的に見てもその事実が裏付けられている。

「國民の創生」という1915年の映画がある。これはKKKが黒人を不当に扱う、現代と全く同じ構図の映画である。この映画が引き金となってKKKが復活し、更にはこの映画がヒットしたことによって黒人は更なる窮地に立たされた。

「13th」の冒頭はオバマ大統領の以下のような台詞から始まる
アメリカの人口は世界全体の5%に過ぎないにもかかわらず、アメリカの受刑者は世界全体の受刑者数の25%を占めている

南北戦争で敗れた南部は奴隷という労働力を失い、経済を立て直すために、罪のない黒人の人々を犯罪者として見立てて牢獄送りにした。そして、受刑者達を労働力として経済を立て直した。
有色人種を犯罪者に見立てて、社会に対して悪のレッテルをはる。
この構図に自分は「13th」を見るまで気づけなかった。
奴隷じゃなくなったら犯罪者にして労働力にすれば良い。
白人が黒人に暴力を振るうとか、黒人が白人に暴力を振るうとか、それって、本質は人種で見る問題ではないのだと思う。
そういうニュースを見て、一方的に白人が悪い、黒人が悪い、と言うのでは問題の解決には結びつかない。白人にも黒人にも良い人もいれば悪い人もいる、人種ではなく個を見なきゃ解決には結びつかないと思う。逆に言えば、個を見ることによって、人種問題は解決するのではないか!!
ところがそうはいかない。
理由は歴史にある。
歴史がある限り、ステレオタイプな人も生まれるし、差別も生まれるし、はたまたそのような問題に抗う人も生まれるのであろう。

この考え方は、いわゆる現実主義なのかもしれない。

歴史を学ぶことによって差別主義者が生まれるから、歴史を学ばせない、学ばないのは違う。歴史を自分で見つめ直して、現状を見つめた時に何が正義なのか、何が正しいのかを考えなければならない。

人種問題に限らず差別をなくすことは、理想主義であると思う。

理想と現実の狭間にある人種問題、差別問題。
そこには十人十色の正義があって、簡単に白黒付けられるものではない。
ただし、差別は絶対になくさなければいけないこと、それに向かって理想を掲げて行動していくこと、これは必ず自分の心に刻みながら生きていきたいと思う。

理想から革命が生まれる。

きっとこのBLMも革命と呼べる日が来るのかもしれない。

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