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フェチ垢でQOLが上がった話

私がツイッターのアカウントを作り、界隈に足を踏み入れてからもうすぐ2年半。その間、色んなことを経験し、すごく成長できた。本当に良い学びの機会だった。ここに学んだこと整理しておく。



1.色んな人がいる

界隈民は「くすぐりフェチ」ただその一点のみにおいて共通していて、つまりそれ以外はまったくバラバラ。学校やバイト先、地元…リアルのコミュニティだと出身地域や価値観、志向、家庭環境などはどうしても似てくる。それは色んなことが合いやすく楽、という意味では良いのかもしれないが、逆に自分と同じような人としか出会えないということでもある。普段生活している中では出会えない人と出会えるのはとても新鮮だし、色々な人を理解したり自分を相対化したりするのにすごく良い機会だ。


2.社交性とは何か

色んな人がいるネット空間に飛び込んだら、次にあるのが「交流する」段階。交流というと双方向に聞えるけれど、その始まりはどちらかが出す最初の一歩。
そして私は、最初の一歩が出ないタイプだった。フォロー(無言)はできるけど、リプやDMはまずできない。つまり、誰かが先に私にリプかDMをしてくれないと、何も始まらない。
幸いなことに、フォローをはじめリプやDMを送ってくれた人がこれまでたくさんいた。これは私が特別人気という訳ではなく、たまたまぐら女性だったことが大きい。属性ってある程度のインパクトをを持つのだな。

自らリプやDMを送れる人は、きっとこれまでもそうしてきたのでしょう、相手と適切な距離感を保ち、その距離を少しずつ縮めて信頼関係を築くのが本当に上手だ(もちろんクソリプや雑魚ムーブをする人の話ではない)。まずは挨拶し、自分がどういう人かを先に開示し、相手に質問する。相手の話を聞き、共通して楽しめる話題を見つける。ある程度お互いのことが分かったら通話する。通話で信頼関係を確認できたら実際に合う。そして何より、これら全ての段階で、そうしたければ断りやすい雰囲気を作りながら、こちらが快く同意できる準備ができるまで待ってくれる。

こんなことは学校では教わらない。けれど、社交性の高い人たちは自然と身につけてきたのでしょう。社交性とは何かを、私は彼/彼女たちから学んだ。本当に尊敬、そして感謝している。
なぜならそれは私に最も欠けていたものだったからだ。人とどうやって仲良くなるか。どうやって信頼関係をつくるか。そんなことは考えたことがなかった。だけど上手な人たちのコミュニケーションの取り方を真似て練習していくうちに、私も人と関係をつくることが少しずつ上手になってきたように思う。まだまだ頑張りたい。


3.境界線を知る

ここでやっと界隈らしい話。プレイするとなると、自分のNGをしっかり相手に伝えないといけない。もちろん自分が不快な思いをしないためだけど、同時に相手のためでもあると私は思う。「ここからがNG」と伝えることは「ここまではOK」の表明でもある。そこが曖昧なままだと、相手はずっと迷いながらプレイすることになってしまう。不要な迷いや不安を取り除き、お互い存分にプレイを楽しむためにも、境界線をはっきりさせておくことは大切だと思う。


4.欲望の声を聞く

さらに界隈らしい話。この界隈はくすぐり界隈。性癖で成り立っている。
私の親は厳しく頭の固い親だった。もちろん純潔主義。だから、自分の欲望など考えたことがなかった。そもそもあるとも思っていなかったし、仮にあってもそれは隠さなければいけないものだと思っていた。
だけどツイッターを開けば、色んな人の色んな欲望で溢れている。たしかに一部ヤバい人もいるが、それ以外は、恐らく問題なく日常生活を送っている人々だろう。彼ら・彼女らのそういうバランス感覚を見て、私はとても安心した。自分の欲望を認め、向き合い、従っても大丈夫なのだと。そうしても日常に何の支障もないばかりか、寧ろ人生は豊かになるのだと。


5.行動する人たち

私はかなり保守的な環境で育った。親だけでなく、出身地域までもが保守的だった。それが私の性格と合っていたら良かったものを、私は変化や挑戦が大好きなタイプで、かといって周囲の大人たちに逆らうこともできず、夢や希望を抱きながらも諦めることばかりが上手になっていった。
だけどツイッターの向こうには、当たり前に欲望に従い、当たり前に行動している人がたくさんいた。コミュニティを作ったり、イベントを開催したり、何かを販売したり…そういう人たちのリアリティに触れてやっと気づいた。欲望は否定したり諦めたりするためではなく、叶えるためにあるのだと。彼ら・彼女らにとっては余りにも当たり前かもしれないことを、私はやっと知ることができた。そうしたら、界隈だけでなく、他の分野でも、自分にフィットした生き方を選べるようになった。


6.文章力

ツイッターは140字に収めないといけない。もちろんツリーで繋げることもできるけれど、そもそも短い文で発信するのに向いたツール。私は一つのことを考え出すと連動して色々なことを考えてしまうから、基本、140字に収まらない。だけどそれも何だか悔しくて、「ポイントを絞る」「削る」ことを覚えた。これはなかなか頭を使う作業で、でもそれ以上に楽しくて、頭の中で考えていることを言葉で表現する力が磨かれた気がする。

そして、ちゃんと表現できれば、伝わるべき人にはちゃんと伝わるのだ。もちろんフェチツイもするけれど、私はその根底にある価値観や考え方のようなことをツイートすることが多い。そういう私の核心を表したツイートほどいいねは少ない傾向にあるのだけれど、分かってくれる人はちゃんと分かってくれて、考え方が好きという理由でメッセージをもらえたり、わざわざ遠くから会いに来てくれたり、良い友達ができたり…本当にうれしいことがたくさんあった。フェチ垢をやっていなければそれら全ては起こらなかった訳で、つまりSNSの最も素晴らしい面だと思う。



誰でもアクセスできるインターネットの性質、交流を目的としたSNSの性質、欲望依存の界隈的性質。ツイッターをベースにしたこの界隈を、色んな要素に因数分解してみた。
色んな性質がある分、当然ながら色々なリスクもある。何せ性癖を中心とした性的欲求で回っている世界だ。私も不快な思いをしたことがない訳ではない。
けれど、上手く使えば想像もしなかった経験ができる。人間的に大きく成長することもできる。今回書いたのはその良い面の方だ。

もちろんTwitterがすべてではないし、これは私の主観的な意見にすぎない。客観的な事実でもなければ、科学的根拠もない。
けれどやっぱり言いたい。界隈に入って良かった!フェチ垢を始めて良かった!

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