第3章 カロンと少女

〜第2話 瞬間移動〜

皆さんは、瞬間移動というとどんなイメージをお持ちでしょうか? 少女やママの立場で見ると カロンは一瞬でママの頭から消えて一瞬で少女の頭へ移動したことになるのですが、実は カロンを主体にして見ると全く瞬間なんかではありませんでした!

カロンはママの頭からスープの鍋に飛び込み鍋底から無限に広がると思われる宇宙空間へ飛び出ました。

そしてある一点を目指して宇宙空間を飛び続けました。

いつのまにか現れたのか?

お月様もエンジェルさんも金魚のタナもUFOに乗った宇宙人さんも後を着いてきていたのです❗️

彼らは本当にカロンのことが心配なのか それとも 単に興味があって着いて来るのか?

それになんとあのスープの入っていた鍋底は、宇宙空間の中では、ブラックホールのように見えます。
ブラックホールって実は鍋底だったのか〜・・・

さて、はるばる宇宙空間を旅してやっとはるか向こうに 三角錐の塔みたいなものが見えてきました。

とても美しく光り輝いています。

塔の先端から中ほどまではピンク系の色で輝き、中程から下はスカイブルー系で輝いています。

そしてその塔の中程は、グリーン系の輪で囲まれています。

なんと美しい塔なのでしょう!

えっ、惑星ではないのかですって?

そうです、その塔の周りにはいくつかの惑星が浮かんでいます。その惑星たちの中間にその塔は、衛星のように浮かんでいるのです。

カロンは迷わずにその塔を目指して飛び続けました。

そして、ついに

その塔の先端に立っているひょろ長い少女を見つけ出しました。

カロンは、スピードを徐々に弱めに弱めて、ふわりと少女の頭の上に着地しました。

この一連の出来事が少女にとっては一瞬のことに感じられたのです。
しかし、カロンにとっては、時空を超えてはるばる旅をしたような達成感がありました。

カロンを追って来た仲間たちは、無事に少女の元にたどり着いたのを見届けて、安堵の表情でどこかへと姿を消しました。

少女は、ふんわりと自分の頭に乗ったカロンを感じて閉じていた両目をそっと開きました。

少女は、

「カロン、来てくれてありがとう❗️」

と感動で震える声で言いました。

カロンは少し疲れたのか少女の頭の上でスヤスヤと眠りました。

少女はそんなカロンをとても愛おしく感じました。

それにしても、頭にカロンを乗せて凛として立つこの少女は、一体どんな生活をしているのでしょう。

次回は、この少女の生い立ちなどについてお話ししましょう。

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