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みちのく津軽ジャーニーラン 参戦記②

1.中盤戦:CP4~CP10

改めて中盤戦スタート!
ここが一番走りたかった鰊御殿からふるさと体験館への約86km。津軽海峡冬景色で有名な「竜飛岬」を通る海沿いの道になります。

①CP4~CP5
■区間距離:5.1㎞ 累積距離:97.7㎞ 
■想定タイム:7:40 実測タイム:8:13
リフレッシュして気分良くスタートしましたが、なかなか脚が言うこと聞いてくれなくてスピードは出ません。タイムチャートからの遅れはありますが、まあまあ想定内の走り。海岸沿いから街中に向かい太宰治さんの「津軽」の記念碑を目指します。途中のファミマでクーリッシュとポカリを補給してぼちぼちと。ジャーニーランにクーリッシュは最高!
道はあっていると思うけど手前の小学校がでかくて記念碑までなかなかつかない。ほかのランナーさんから記念碑の場所を教えていただきます。そして、やっと着いたらなんか裏側?(MAP通りだと裏側に出ちゃいます)

これが記念碑かな?

記念碑を記念に撮って次を目指します。

②CP5~CP6
■区間距離:16.9㎞ 累積距離:114.6㎞ 
■想定タイム:10:05 実測タイム:11:16
ここからは館山会長も一番の難所と言っていた眺瞰台への龍泊ライン。
いや~ガスっていてなんか表示距離より無限な感じがしますが、黙々と上ります。
斜度は10%くらいかな?フレッシュな状態なら走れちゃうかも(走れないかも)ですがついついパワーウォークに。まったく前後に人がいなかったんですが上りの道中で2人に追いついて3人でぶつぶつと言いながら頂上まで到着!
いや~何も見えないし少し寒い。そんな中、エイドの方々の温かい出迎えはありがたかった。体が冷えると動けなくなりそうなのでスポドリをいただいてトイレによって早々と次を目指します。

③CP6~CP7
■区間距離:8.3㎞ 累積距離:122.9㎞ 
■想定タイム:11:40 実測タイム:12:30
眺瞰台へは上ってきたので竜飛岬までは下るだけ!でも、ここまでくると下りの方がきつい。抑えながら走っても大腿四頭筋が悲鳴を上げます。そこへ、めちゃめちゃ強い雨風に襲われて、ケアした足裏もやばい感じに。
やっと下り終えて、少し坂を上っていくと歌が聞こえてきて記念碑が見えてきました。

津軽海峡冬景色~♪

チェックポイントではないんですが、皆さんと竜飛岬へ。ここの階段の上り下りもきつい感じになってきています。

竜飛岬灯台

岬からの眺めは荘厳でした。
そして、階段国道を降りて龍飛コミュニティへ。ここではシューズを脱いで座敷で補給するスタイル。メニューは豊富でしたが、頭が回らないのと空腹の感じがつかめなくて、もつの煮込みとバナナをいただきました。もつの煮込みはほんとおいしかった!味噌の塩分を体が欲している感じでした。(あとでライスをつければよかったと後悔)
奥では横になって休めるので休憩を取られている方もちらほらいらっしゃいました。
脚全体がやばそうになってきましたが、一息ついて足裏を確認してシューズをしっかり履きなおして次を目指します。

④CP7~CP8
■区間距離:12.0㎞ 累積距離:134.9㎞ 
■想定タイム:13:50 実測タイム:14:49
ず~っと海岸沿いの街並みを走っていきます。初めてきたところなんですがどこか懐かしい感じがします。左手に日本海、右手が山という景色が続きます。途中で缶コーヒーとコーラを購入して水分とカフェインをチャージ。なぜか青森はDyDoの自販機が多く、そして、空き缶を入れる箱がほとんどない!なので、手に持ったまま走ります。三厩体育館が見えてきました。道路の反対側にファミマが見えてきたのでそちらに先にピットイン。多くのランナーの方に久々にお会いしました。ぼーっとしすぎて何も買わずに出て道路を渡ってエイドへ。ここはいろいろな事情でめちゃ小さいエイドでしたが椅子をお借りして足裏の手当てを。しわしわが大きなまめになって痛みが強くなっていたのでテーピングをはがしてゼッケンを止めていた安全ピンで水を抜いて傷絆創膏を貼って痛みが弱くなるのを願います。
サンドイッチをいただいて水を補給して次を目指します。

⑤CP8~CP9
■区間距離:24.0㎞ 累積距離:158.9㎞ 
■想定タイム:18:00 実測タイム:18:57
ここからは少しアップダウンがある旧道を走る区間。ボランティアの方のお話だとコンビニもなく自販機も10㎞過ぎに1台だけとのこと。
区間距離もまあまああるのでその自販機で補給を確保せねばとスタート。しかし、すぐに自販機発見!その後も何台かあり水分補給は大丈夫な感じで安心。そして、この区間では長い距離を走ってくるとペースがそろってくるロングレースのあるあるで数名の方と追いついたり追い越されたり一緒に走って何気ない会話をしたりとジャーニーランを楽しみます。足裏の痛みもあり歩く頻度が上がりますがまだまだ先は長いので気にせずマイペースで。
夕暮れ近くなってやっと道の駅たいらだてに到着。
ここではカップヌードルの塩をいただきました。胃腸トラブルをカレーで回避したので、ここでも空腹をリアルフードで満たします。まるっと1杯食べれたので元気が出てきました。麦茶をいただいて、スポドリを補給してコースに戻ります。

⑤CP9~CP10

■区間距離:19.7㎞ 累積距離:178.6㎞ 
■想定タイム:21:30 実測タイム:22:40
ヘッデンを装着してナイトランの準備をしてゆっくりと歩いてスタート。お腹がいっぱい過ぎて走れないので2㎞ほど歩いてそこからは街灯と電柱作戦で歩いたり走ったりしながらトータルペースで10min/kmを維持できるように無理しないけどそこそこ頑張って次のレストステーションふるさと体験館を目指します。
海沿いの道を進むのですが家があってもかなり暗く、足を痛めているせいもあってなかなか足取りがおぼつかない感じで進んでいきます。
途中で道を間違えそうになった時にお声がけいただいた方としばらく話しながら並走したので気分も紛れて少しリズムが戻りましたが、自分が遅いので先に行っていただきます。
右折してから約2㎞ぐらいかな?と思っていたのですがGoogleMapで確認するとその倍ぐらいはありそう。また靄ってきてますます心が折れそうになりますが1歩1歩進むしかありません。
建物の明かりが見えてきてたどり着いた安堵感でほんとにほっとしました。
入り口でデポバックを受け取って体育館で場所を確保してとりあえず食事をと食堂へ。板の間を歩くのに特に右足の裏の痛みが大きくこの先のプランを考えなければと思いながら食堂でもつ煮込みとメロンとコーラと麦茶をいただきました。ここもメニューが豊富にあったのですが、深夜だったので食べ過ぎると胃腸に負担がかかるかなというのと、相変わらず頭が回っていなかったのだと。あとあと、もう少し炭水化物と糖質を補給しておけばと後悔することに。
体育館に戻ると先ほどご一緒した方がザックのずれで背中に痛みがあるということで処置のお手伝いを。ここまでくると皆さん何らかのトラブルを抱えているもんですね。
ウェアを脱いで顔と体を拭いて、着替えをして、補給食の入れ替えをして、ここから先はほぼ歩きになることを考えてザックの中身の軽量化を考えてリパッキング。(天気予報から天候を考えて、レインの上下とウィンドシェルをドロップに)
準備が整ったところで、脳と脚を休めようと体育館の床の上に横になって目を閉じますが、眠気はおとずれずに10分ほどで出発することに。

2.後半戦:CP10~CP11 そしてリタイア

①CP10~CP11

■区間距離:25.9㎞ 累積距離:204.5㎞ 
■想定タイム:3:10 実測タイム:4:58
真っ暗な道をペースを気にしながら進みます。最初は緩いくだりもありなんとか大きな遅れもなく進みますが4㎞過ぎたあたりから、足裏の痛みが尋常じゃない感じに。自分としては痛みに強いと思っていたのでなんかなっちゃってるかな?と思いつつも歩を進めます。
暗がりの道を進んでいると道の両側に美女と野獣のねぶたが見えてきました!さすが青森、こんな山の中にも公園とかあって展示されているのかと感心しながら近づくとただの森!そう!幻覚の時間がやってまいりました。今回は脳が休まっていなかったこととエネルギー補給が足りていなかったことから引き起ったと考えられますが、なんと約3時間のロングラン!ほぼ、ディズニー基調で、道端の草花はダンシングしながら歌うし、空の雲はゴーストバスターズのような動き、遠くに見える風力発電の風車はスターウォーズのようにメカニカルな感じに、これはいけないと下を向くとできた水たまりから影が伸びてこちらもダンシング!
まあ、怖い映像ではなかったので暗い夜道の一人旅的には良かったのかと。糖分補給を目的にDyDoの自販機で甘めのコーヒーを飲みますが明るくなるまで消えることはありませんでした。
どちらかというとこの区間での問題は足裏が痛くてまともに歩けなくなってきたこと。途中でインソールを抜いてみたり、土踏まずにジェルを入れてみたりして一番痛い前足部のクッション性を高めてみますが上手くいかず。何とかエイドまでと進みます。
街中に入ってからもなかなかエイドが遠い。ショートの方もちらほら見えてきてやっとの思いでCP11の津軽中里駅に到着。
足裏の痛みの件をスタッフの方に伝えて、救急箱を探していただいてる間に足裏を確かめると、ありゃ!足裏半分ぐらいに水ぶくれが広がっていて中の水もピンク色に。こりゃ痛いはずだわ。と独り言をいいながらまた、安全ピンで水抜きをして傷絆創膏を張りなおして、その上からお借りしたテーピングで広めに抑えます。
手当はしたもののこの先行けるかどうかわからず悩んでいると、眺瞰台でも励ましてくれたスタッフの方が「ここまでくれば歩いても行けますよ。完走できるはず。」と再度、いい意味で活を入れてくださいました。
次のCP12までは約8㎞なので、とりあえずそこまでは向かおうとエイドを出発することに。

https://komacchan.blog.jp/archives/1080862490.html
から画像をお借りいたしました

街中に入る手前で見た像。実はこれも幻覚だと思っていて、今までとなんかトーン&マナーがあまりにも違うなと思いつつなめまわすように見たんですが案山子とは気が付きませんでした。(のちほど、映像をお借りした方のブログで真実を知ることに)

②CP11~CP12

■区間距離:8.1㎞ 累積距離:212.6㎞ 
■想定タイム:4:55 実測タイム:DNF
足裏の状態を確かめつつ、とりあえず進むことに。エイドでかなり休んでしまったこととこれまでの遅れを考えて11min/kmですすめれば制限時間内にゴールできる計算。
とりあえず2㎞ほど進んでその平均をとってみることに。最初の1㎞が11:15min/kmで次が11:10min/km。う~ん、リスタート直後でこの数字だとタイムオーバーかな?という考えが頭に浮かびます。あとは足裏の状態から70㎞歩いた時のダメージがどれくらいになるのか?しばらく考えて、この時点でリタイアを決めることに。
リタイアとなったら先に進むよりも戻るほうが距離が短いので、中里まで引き返します。リタイアと決めるとなぜか足の痛みも増します。
これから先に進むランナーの方々に声をかけながら中里に。スタッフの方に残念ながらと声をかけ始発の電車を待つことにしました。
その間にも次々とランナーがエイドに入ってきて元気にゴールを目指していきます。

3.DNFの決め手

1番は足裏のけがの状態。目標の完走に向けて自分なりに頑張ってみたものの、ゲインとリスクを考えてこれ以上は難しと判断しました。
2番目は時間的に厳しいこと。タイムオーバーになっても進めるところまでは進むとスタート前には決めていたんですが、これは自分自身との約束が守れなくて残念。そして、タイム表で制限時間51時間のところを49時間でのゴール設定にしていたのですが、すでに中里からのリスタートまでに2時間のロスがあり、もう余裕がないなと思い込んでしまったこと。実はこれには大きなミスがあり、自分のタイムチャートは49時間ではなく47時間でのゴールになっていたことがわかり、あと2時間の余裕があったことに気が付かなかったんですよね。これは痛かった。後半頭が回らなくなるので事前の準備はすごく大切だと改めて感じました。
もう一つ、準備といえば、最後の方は歩きがメインになると想定しているのにポールを持参しなかったこと。替えの靴の持参をしなかった点といい、自分の中でのレース展開が十分にシミュレーション出来ていなかったことは非常に悔やまれます。
タラレバになりますが、準備ができていて、レストステーションでもきっちり手当をし直していたらこの状態でも25%くらいの完走の可能性はあったかな?と考えています。

4.振り返り

すでにDNFのことで振り返りをしていますが、再度まとめてみると
①休息をきちんととること
これは、眠気に強い体質なので進もうと思えば寝ないで進めちゃうことから休息時間をおろそかにしてしまう傾向があること。100Km のウルトラマラソンならエイドワークを短くすることがタイムに大きく影響しますが、ジャーニーランやトレイルのマイルレースなどは睡眠の確保も重要な要件だと再度認識しました。
(例えば、レストステーションふるさと体験館で横になる時間を延ばしたり、足のむくみや水ぶくれ対策として足を上げて休んだり、ちゃんと治療をするなど時間の余裕と心の余裕は比例している感じなので気をつければ)
②地図をちゃんとみること
当たり前といえば当たり前なんですが、Garminにコースを入れておくと誘導してくれるのでついつい携帯のMapでさえ見ないことに。コース情報もよくよく確認すれば自分もタイムチャートが間違ってたとしても制限時間が18時ではなく20時とはわかったはず。少しの余裕があれば大きなミスにつながらないとわかっていても時間がたつにつれてどんどん省いていっちゃうことに。
③事前の準備は大切に
今回は緩くみていたわけではないんですが、仕事の都合もありほとんどの準備を前日にしたことと、いつもは作る持ち物リストを完璧に仕上げていなかったこと。実際には補給食を持参しても食べきれなかったり、着替えを持っても使わなかったりはあるんですが、当たり前ですが持っていなければ使えない!ポールもそうですが、今回はデポバッグには各種テーピングを入れていたんですが、ザックには入れていなかったりと上手い取捨選択ができていなかった。準備の段階でレストステーションでやることをトレイルのように書いておかないと忘れちゃうんだろうなと考えていたことが現実に。足首のテーピングも貼りなおす予定だったし、補給食もちゃんととる予定だったしと。小江戸大江戸の経験から200㎞までは何とかなると少ない経験をこのレースにあてはめちゃったのもまずかったと。
いつものように考えればきりがない(笑)とはいえ、そう言うことも含めて実力だと思うので、完走された選手の皆さんをめちゃリスペクトします。
当分レースの予定はありませんが、もう一度、ゼロから鍛えなおしてリベンジしたいですね。あっ、このレースを来年も走るかはわかりませんが(笑)



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