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【ネタバレ感想】ウーユリーフの処方箋


iOS/Androidアプリゲーム、「ウーユリーフの処方箋」をクリアしました。
ジャンルは脱出アドベンチャーノベルゲーム。最初に言っておくと、むちゃくちゃ面白かったです。フルに楽しんだ気がします。

バッドエンド含め全エンド回収済で、特ストの試し読みまで終えました。
理解しました…………。
(以下個人解釈のみの感想です、好き勝手言ってる上にネタバレしかないです)



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トゥルーエンド後、そのまま特ストを試し読みして、まずびっくりしたのが、現実世界のみんなと「ヒールユープロジェクトのキャラクター」たちはモーションというか、各立ち絵のポーズがほぼ一緒なこと。すごい細かい。でもマツリだけはどうやら和歌の動きを真似してるっぽくて、そうか、「ああなりたい」がそこに表れるのかって。
ついでに言うとマツリの見た目は友喜を真似してるよね。「ウーユリーフ」の中の「ラスト・レジェンド」でもあったけど、友喜は円果の憧れなんだよなあ。

たぶん、だいぶ大雑把な解釈をすると、「ヒロイン」はファンたち全体で、「ンアウフ」は事件後もマツリを応援していたファンたちなんじゃないかと。
「ちゃんと見てるヨ」。「応援するヨ」。
マツリが白い部屋で頭を抱えて蹲っていた時。ンアウフの声がマツリに届いた瞬間、あの時、きっと初めてファンの声がマツリ/円果に届いたんじゃないかなって。誰もいなくて、自分はひとりで、何も出来ないと泣いてたマツリ/円果は、あそこで初めて誰かの存在に気づいて顔を上げられたんじゃないかなって……。
いや、プレイ中もンアウフの声が優しくて、あまりにも救いで、実は普通に涙ぐんでたんだけど、終わった後改めて振り返ると本当にぐっときてしまう。同じシーンで二度泣かすな(暴れ回る絵文字)

あと、ミトはね、振り返ると、ずっとマツリの傍にいたんだよね。優しいとか、何故か一緒にいると落ちつくとか、ミトの雰囲気のせいみたいなリードになってたけど、このマツリの印象もまた円果→和歌の印象なんだろうな。
某エンドでの「とんだクソゲーだ」発言すごく好き。すごく好きだけど、あれは円果を諦めちゃった瞬間なのかな。強制終了、リセットってそういう…話になるよね。そう考えるとあのエンドが一番苦しいかもな……。
そういえば「オフ会しよう」ってのもミトが言い出したんだよね。別れ際の「うん、(戻ってくるのを)待ってる」ってのも、ミトからマツリじゃなくて和歌から円果に向けた言葉だね。

で、友喜。キリオなんですけど。
わたし、本編中、何回、グアアって低い悲鳴あげながら転がったかな………………。普通にむちゃくちゃ好きでした。青も黒も。
青い時のキリオは円果→友喜のイメージだったのかもしれない。見た目じゃなくて、「自分で考えて行動できる」「友達になりたい」「皆を引っ張るリーダー」みたいなやつ。
もう色々ありすぎるので特に言いたいとこだけピックアップすると、あの、ちょっとーー!!カナタがテロリン↑する直前のエレベーター落下エンド!!!ずっと気になってたの!!ずっと気になってたの!!!キリオの「(嬉しそうに)マツリ!またこれだわ!」って発言、何だろうって!!幸せとは言いきれない展開が好きなのに基本的に構造がハッピーメルヘンファンタジーな頭を持ってる悲しい女だから「なんか千尋とハクみたいなこと言うなあ」とか思ってたの!!!まさか無意識的に発した「また一緒に落ちてるね」だと思わないじゃん(千尋とハクもそうっちゃそうだけど)!!グシャッじゃないよ!!!本当に勘弁して!!!?超楽しめたわチクショー!!!!
もっと言うとキリオくん、ステージで「助けて」って言うでしょ。助けられなくて、そのままボッシュートされるでしょ。「キリオの脱落/死亡」が「落下」に直結するのが苦しくて仕方ない。「俺を助けてよ、マツリ」って縋るように武器を向けてきた時も、マツリがそこから脱出できたのは「落下」って方法だったわけだけど、キリオはいくら「落下」しても逃げられない。最後の最後でマツリと一緒に「落下」した時も、マツリは円果として目覚めて現実世界のつづきに戻るけど、キリオは生死不明で、「少なくとも」足がスクラップになったままだ。円果のためのゲームとはいえ、あくまで装置として用意されたキャラクターとはいえ、キリオはそこから後にも先にも進めない。なのに、そのキャラクター自身が自分は後にも先にも進めないことを理解していて、嫌だ、助けてくれ、ともがきながら泣いている。な、なんだこれは……。
(余談ですが、マツリとキリオの落下後に出てくる「ゲームをやり直しますか?」でノータイム連打コンティニューしてトゥルー行けなくなってリアルに「へ!!?なんで!!?!?」って言ってました)
ここで「友喜にもヒールユープロジェクトを」とか言いたいんだけど、キリオに関しては、ちょっと単純に「友喜をモチーフにしたキャラクター」って感じじゃないなと思っていて。キリオはキリオ。わたしが救いたいというか、苦しくて愛しくて救われなくて可愛いなあと思うのは友喜じゃなくてキリオだなって。タイトル画面でひとりぼっちで泣いてたのは、友喜じゃなくてキリオだよなって……。

というか、他の皆も現実世界の人間モチーフではあっても、別にイコールじゃないよなって。ゲームのキャラクターにも心があって、生きてるって言ってたよね……。
試し読みしかしてないから友喜の今の精神状態はあまり分からないけど、友喜が救われたとして、キリオが救われるかと言ったらノーだと思う……。し、マツリは円果として目覚めたけど、ウーユリーフタウンに立ってたマツリ自身はどうなるのかな。廃人になるまでゲームにのめり込んで大学生活を謳歌して、そこから「ウーユリーフの処方箋」を受け取って、ウーユリーフタウンに迷い込んだのは「円果」というプレイヤーだろうけど、「マツリ」というキャラクターでもあると思ってて。自分の本当の姿が何なのか自覚してれば今そこにいるマツリとしての自分が消えていいってわけでもないだろうに。……まあ、どうにもならないんだろうな。ここからは二次創作の出番かなあ。


※上記全文もれなく満面の笑みで入力してます。全編通してとっても楽しかったので特スト買います。
あと乙女ゲーム制作チームの方に一切触れてないのは単純に頭が追いついてないだけです。時間かけてもう何周かしようかな。