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俺ひとりが分からない!

そもそも、英語の勉強をしようと思ったのはなぜだったのか。


手元にはNHKの語学テキスト「ラジオ英会話」のテキストが2023年1月号から11月号までが揃っている。
そして、「英会話タイムトライアル」が2023年の2月号から最新号まで揃っている。

何をやればいいのか、を考えた時まず「ラジオ英会話」を始めようと決意し、翌月から「英会話タイムトライアル」もやろう!と決意したことが分かる。

同23年の2月11日号の「週刊ダイヤモンド『一度覚えたら忘れない英語勉強法』」を、その翌月に「PRESIDENT『何歳でも、グズでもできる英語勉強法』」3月17日号を買っているので、NHKのラジオ以外に、どんな勉強法があるのか調べていたことが分かる。


このほかに、もうひとつの勉強法を実践しているのだが、それはまた別の回に。


ここに至る前段として、前年の夏の出来事を話しておかなくてはならないだろう。

2022年の8月。俺たち夫婦は、息子の住むクアラルンプールを訪ねていた。

息子は、大学に通うためクアラルンプールに移住。そこで学生生活を始めていた。息子の通う大学がどんなところなのか。住環境はどんな感じなのか。
何か不自由なことや不便なことがないかと、俺たち夫婦はクアラルンプールを訪ねた。

息子はマレーシア在住1年目で、すっかり現地での暮らしにも慣れ、普通に英語を喋っていた。
「Grab」というウーバーのようなアプリを使いこなし、タクシーを使い倒していた。電車に乗るのと大差ない金額で利用できることから、便利に使っているようだった。

クアラルンプールといえば、ペトロナス・ツインタワーが有名だ。
息子とそこで落ち合い、食事や買い物を楽しんだ帰り、3人でホテルまでタクシーで帰る途中のことだった。

息子がGrabで呼んでくれたタクシーに乗り、運転手に行き先を伝えた。
助手席には息子が座り、俺と妻が後部座席に座った。
乗ってすぐに運転手が息子に話しかけてきた。
自分も会話に加わろうと聴き耳を立てていたが、聴き取れない会話の方が多かった。

ホテルに着いて降車した時だった。俺が膝から崩れ落ちるような衝撃の体験をしたのは!

俺は息子に「運転手さんと何を話してたの?」と訊いた。

「いや、あの運転手さん、日本に住んでたことがあって、渋谷で働いてたって話をしてくれたんだよ。温泉に入りに箱根にも行ってて、すごく良かったって言ってた」

妻が畳み掛けてくる。
「箱根で温泉に入ったっていう話、私も分かったよ!」

俺が聞き耳を立てていた息子と運転手の会話には、箱根や渋谷という単語が出てきていたのだ。
そんな馴染み深い単語すら聴き取れてない自分のヒアリング能力に呆れ返った。
温泉を英語でHot springsということくらいは知っている。
にもかかわらず、聴き取れていないのだ。
しかも、俺だけが。

タクシーという個室で会話をする4人。
運転手は客が日本人だと気付き、喜んで自分が日本に住んでいた話を披露してくれていたのだ。

なのに、なのに、その中で俺だけが、聴き取れず、理解できていなかったのだ。


ホテルの玄関で、俺は崩れ落ちるような屈辱を味わっていた。
                              続く


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