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Progate10周年の今年、東大に再入学した


はじめに

2024年7月31日にProgateは10周年を迎えました!
ここまで来れたのは、支えてくれたユーザーの皆さん、株主の皆さん、そして何よりProgateで頑張ってくれたメンバーのみんなのおかげです。本当にありがとうございます。

振り返ると、この10年は決して平坦な道ではありませんでした。数え切れないほどの困難を乗り越え、ここまでたどり着いた気がしています。10年という節目なので、これまでを振り返りつつ、今後やっていきたいことについても考えてみようと思います。

創業期のピッチと、現状の取り組み

過去の資料を漁りながら振り返る中で、2014年11月に初めて社外でProgateについてピッチしたときの原稿が出てきました。

はじめまして。
プログラミング学習サービス「Progate」の加藤將倫です。

私たちが解決したい問題は、大きく分けて三つあります。 まず一つ目は、プログラミング初心者にとってのプログラミングのハードルの高さです。やる気はあるのに何から始めればいいかわからなかったり、どう始めればいいのかがわからない人は数多くいます。

二つ目は、多くのスタートアップや企業でのエンジニア不足の問題です。アイデアや戦略があっても、それを実現するエンジニアがいないために足踏みしてしまうのは大きな問題です。

三つ目に、私たちはIT化が進む現代社会において、エンジニアでなくても最低限のプログラミングのリテラシーが必須になると考えています。そういった人たちが気軽に学べるサービスがないのは問題だと思っています。

最近の取り組みは、まさにこのビジョンの実現に直結しています。

まず、2023年6月にProgateの世界登録ユーザー数が300万人を突破しました。この10年で、プログラミング初心者にとってのプログラミングのハードルの高さを少しは下げられたのではないかと思います。

また、エンジニア実務を擬似体験できる「Progate Path」もユーザー数が1万人を突破しました。Progate Pathの公式Discordには1700人以上が参加してくれており、毎週のようにハッカソンやイベントが開催されています。
2024年4月には「Progate Prospects」というProgate Pathの学習を通じて企業と学生を繋げる採用プラットフォームのβ版提供を開始し、エンジニア不足の問題の解決に向けて前進しています。

さらに、昨年より「Progate Studio」というe-learningと講師付き研修のハイブリッド型研修サービスを法人向けに展開しています。Progateのわかりやすさを活かし、ビジネスアーキテクトやデータサイエンスなどをテーマにした実践的なプログラミング学習を提供し、DX人材やデジタル人材の創出に貢献しています。エンジニアでなくとも、最低限のプログラミングのリテラシーを身に着け、実務に活かしていけるように事業を展開しています。

提供サービスの全体像

総じて、現在の取り組みは創業時のVisionに忠実であり、一貫性を持って着実に進んでいます。

グローバルでの失敗

しかし、すべてが順調だったわけではありません。Visionに対して一貫性を持って進められている反面、悪く言えば21歳のときの自分の想像、期待を全然超えられていないと感じています。

特にこの5年、グローバル展開において思うような価値を生み出せなかったのは、自分の中で大きな失敗体験となりました。

15歳まで海外で育ったこともあり、自分の中に「世界中で使われるプロダクトを生み出したい」という強い欲求があります。海外で育ったからこそ、自身が日本人であるというアイデンティティを強く持っており、海外における日本のプレゼンスがじわじわと下がっていっていることについて、悔しさを感じてきました。

Progateも創業当時から英語版を開発し、創業4年目から世界へと挑戦してきました。

2018年にProduct HuntでProgateの英語版を公開

まずはProduct Huntでの公開時に反響が大きかったインドでの展開を開始しました。

現地で登壇したり
インドの新聞に載せてもらったり

また、非英語圏のインドネシアでは現地語版も提供するなど、ローカライズを進めていきました。

インドネシアチームも頑張ってくれてた

実際にインドでもインドネシアでも数十万人のユーザーが利用を開始してくれました。
しかし、ビジネスとしての成功には至らず、課金率が上がらない現実に直面しました。現地のユーザーは「エンジニアリングを学ぶなら絶対に就職したい」という思いが強く、初心者寄りの色が強かったProgateはそこに対してクリティカルな解を提供することができませんでした。

また、チームの体制として現地のカントリーマネージャーと日本から派遣したメンバーという形を取っており、プロダクト開発自体は日本で行っていたため、国ごとに異なるニーズに対してスピード感を持って連携していくことができませんでした。

2020年からはコロナ禍もあり、各国で発生する問題に対して日々対応に追われ、プロダクトも組織も中途半端な形になってしまいました。

そこから海外での展開は整理を進め、上述した事業を展開しながら、国内に絞って立て直しを進めてきましたが、グローバルでの挑戦に関しては不完全燃焼という感覚がとても強く残っています。

Progate10周年の今年、東大に再入学した

この経験を通じて一番感じたことは、「自分自身を含む経営陣が本格的にコミットし、迅速に意思決定を行なわなければグローバルでは戦えない」ということです。今は最前線で戦っていける環境を作るために、国内の事業ではかなり権限委譲を進めてきました。僕自身は虎視眈々と再挑戦できる機会を模索しています。

そんな中、今年4月東京大学に再入学することにしました。海外展開の準備を住環境も含めて広く見据えて、ビザなどの関係から学位は持っておいたほうが良いだろう、というのが発端です。しかしそれ以上に「学び続けたい」という強い想いが背景としてあります。

個人的に10年前よりもプロダクトや事業を創っていく難易度は上がっていると感じます。特にグローバルでインパクトを生むプロダクトを作るためには、小手先のアプローチではなく、「学び続け、枠にとらわれず、行動し続ける」必要があると思っています。アカデミックにおいて技術をしっかり学び直し、そこにプロダクトを掛け合わせて、自分の想像、期待を超えるような面白いものを生み出していきたいと考えています。

13年ぶりの試験はとても緊張しましたが、無事合格して再入学を認めてもらい、今は東京大学工学部電子情報工学科の4年生として、土日と平日の数日間は学業に打ち込み、それ以外は会社の仕事という生活を過ごしています。(昔と比べて多くの授業がオンラインになっていてとてもありがたい!)
情報系の学科ということもあり、普段の授業の中でもProgateに還元できそうなエッセンスが多く、すごくいい刺激になっています。

年末年始は懐かしの青チャートと戦った

さいごに

21歳で起業し、Progateでの最初の10年では、自分の想像を超える成果を達成することはできませんでした。次の10年、30代で成したいMissionとしては、「世界でリスペクトされる日本人になる」というのを個人的には掲げています。

社内キックオフで共有したスライド

そのために、個人としても会社としても「学び続ける人を支援し、自らも学び続けながら」グローバルで価値を届けられるようなプロダクト、事業を創りたいと考えています。

次の10年もよろしくお願いいたします!

さいごのさいごに

10周年のタイミングで、Web制作やReactを学ぶためのオンライン学習サービス「mosya」にProgateにジョインいただくこととなりました。(→プレスリリースはこちら
今後もProgateの描く学習体験を形にしていくために、仲間になってくれる人も事業も積極的に募集しています。(→採用情報はこちら
はじめましての人もお久しぶりの人もお茶やご飯などご一緒できると嬉しいです。気軽にお声がけください! (→日程調整リンクはこちら

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