第4回fuzzカップ観戦記ベスト128F
【担当記者:今田孝志】
対局前に自身でも笑って語ったように、格ということでは圧倒的に金が格上。現A1リーガーであり、なんといっても第16期、17期雀王である。
その格上の強者に他3人が挑む形となる。
1回戦(水谷-ようへい-金-石田)
その金が4巡目リーチからいきなりこのアガリ。
赤をツモって裏も乗り、3000-6000で先制する。
追撃の一番手はようへい。
東2局1本場に2600は2700オールをツモ。
ようへいはトップの金まで200点差に肉薄し、東2局2本場に水谷から1500は2100をアガってトップに立つ。
東2局3本場からは水谷が反撃。
金が1巡目に赤⑤ピン、2巡目にドラ三萬、3巡目に七萬と理想的なツモで早くもくっつきのイーシャンテン。
だがここからがもどかしい。
次巡2索引きでテンパイするが、カン3索は不満とテンパイ取らずのツモ切り。
一萬、九萬と引いて8巡目にイッツーのカン五萬のテンパイとなるが、この五萬がすでに2枚切れ。九萬切りでここもテンパイ取らず。
直後の水谷。ここから七萬ツモ切りを選択。
この選択がズバリで、①ピン、八萬と引いて赤五萬切りリーチ。
4索をツモって2000-4000は2300-4300のアガリとなる。
水谷は続く東3局にさらに1300-2600をアガって、トップのようへいまで300点差に迫る。
東4局。ここまでノーホーラの親の石田に強烈なアガリが出る。
チートイツの發単騎リーチ。捨て牌は派手だが發は2枚切れでいわゆる地獄待ち。
これを金が掴んで一発放銃。裏も乗って18000となった。
東1局のリードが消し飛んで、1人離された展開となった金は、東4局1本場、中と④ピンをポンしてホンイツに向かい、④ピンをツモってテンパイ。
2枚切れの①ピンを捨てて②ピン単騎に受ける。
そのあと生牌のドラの1索を引き、1索単騎に待ち変え。
さらに⑥ピンを引くと打1索で③-⑥-⑨ピン待ちとする。
だがこのあと①ピン・1索は引くも、③-⑥-⑨ピンは引かず。流局となった。
南3局は②-⑤-⑧ピンか③-⑥-⑨ピンかの選択。
金の選択は②ピン切りリーチ。高め③ピンでタンヤオ・三色だが、⑤ピンは引くも③-⑥-⑨ピンは引かず。ここも流局となった。
南3局1本場はようへいが水谷から白・北・ホンイツの8000は8300をアガる。
南4局を迎えて点棒状況は以下の通り。
1着 石田 41200
2着 ようへい 37700
3着 水谷 12800
4着 金 8300
石田とようへいのトップ争い、水谷と金のラス回避争いの様相。
ようへいが2つポンしてトイトイのみのテンパイ。
石田から直撃かツモアガリで逆転トップとなる。
トップ目の親の石田。6-9索待ちで追いつくと果敢にリーチといく。
石田からリーチ棒が出たことで、ようへいは誰からアガっても逆転トップとなったが、結末はようへいが9索を掴んで放銃。
石田は当面のライバルからの5800でかなり有利になった。
南4局1本場。金の手牌。
3着の水谷まで4500点差。ドラ5索がトイツで条件クリアのカン七萬待ちのところに四萬引き。
カン五萬へ待ち変えが可能だが、金の選択はカン七萬待ち続行。
しかしこのあとのツモで赤五萬を引く。
金はこの半荘、難しい選択でことごとく裏目を引く展開だった。
この局は水谷が400-700のアガリで3着を確保して1回戦を終える。
2回戦(ようへい-金-石田-水谷)
東2局1本場。ラスさえ引かなければほぼ勝ち上がりの石田がフリテン4-7索待ちでリーチ。ドラの②ピン2枚内蔵。
親の金の追いかけリーチを受けるが、4索をツモると、裏ドラも②ピンで3000-6000のアガリとなる。
要所での積極的なリーチ判断が功を奏す。
1回戦トップの石田は先制してかなり楽になる。
残る1つのイスを3人で争うが、石田がトップであれば、水谷はようへいと2着順差をつけるか、1着順+16900点以上の差をつける必要がある。
金はトップ必須なので無論苦しいが、ようへいを3着以下にしたいところなので、石田が走った形は並びとしては良い状態。
東3局1本場。ようへいに大物手が入る。
ドラの白をポンして手牌に赤が2枚。使い切れればハネマンになる。
金はここから發をポン。
ようへいのドラポンに対して1000点の仕掛けでリャンシャンテンだが、ようへいに加点されると苦しくなるので、かわしに行く。
さらに8索をチー。②ピンを引いて①-④ピン待ち。
ようへいもアガれば決定打になる可能性のある12000のカン八萬テンパイを入れるが、④ピンで金に1000は1300を放銃。チャンスは実らなかった。
苦しみながらチャンスを手繰り寄せようとする金の執念が実ったのが東4局2本場。
發をポンして打六萬でメンツ落としを敢行。
中もポン。重ねた⑦ピンもポンして、ドラの北を残して2枚切れの打①ピン。
白・北・ピンズを抱えて周囲が迂回を余儀なくされる中、金は③ピンを暗刻にして北をツモ。
これしかいらなかった、というような發・中・ホンイツ・トイトイ・ドラ2の4000-8000。一気に2着に浮上する。
続く南1局。金は4巡目リーチから2000-4000をツモ。
トップに立って通過ポジションとなる。1回戦2着のようへいがラスの理想的な並び。ただしトップから陥落すれば通過ポジションからも陥落するので、予断は許さない。
南3局。11800点差の金をまくれば通過ポジションとなる水谷が高目リャンペーコーのリーチ。
高目ツモなら4000-8000から。安目出アガリでも8000からである。
しかしアガリは金。1000-2000をツモアガり、水谷のリャンペーコーは潰えた。
南4局
追いすがる親の水谷が4巡目リーチから4000オールのアガリ。
これで水谷は石田に代わって2着に浮上し、トップの金まで2800点まで迫る。
だが最後は3副露の石田の1000は1300のアガリで決着となった。
メリハリの利いた果敢な攻めを見せた石田。
1回戦ラスで2回戦も苦しいラス目から、バイマンツモで大逆転を果たした金。
以上の2名の勝ち上がりとなった。
ここまで本選放送対局に登場したA1リーガー全員が勝ち抜く展開となっている。
最後に。
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