第5回fuzzカップ観戦記ベスト64B
【担当記者:今田孝志】
1回戦(江崎-坪川-秋瀬-市井)
この両無筋の④ピン。押すべきか、押さざるべきか。
(⑦ピンはドラ)
④ピンを切れば五-八萬待ちテンパイ。自身親番でドラ1内蔵。
点数状況は49700点持ちの抜けたトップ目。2着目まで25000以上の差がある。対面の市井からリーチが入っている。
リーチはマンズとソーズのスジがほぼすべて通っていて、ピンズ待ちが濃厚。
(ワンチャンスの1-4索のみ通っていない)
単純にピンズの6スジが残っていると考えると、両無筋の④ピンは1/3の確率で放銃ということになる。
自身の手牌価値や親番ということを考えると押してもいいが、点棒状況的には押しにくいところではないか。今重なった8索を捨ててもテンパイ復活できそうということもある。
坪川の選択を紹介する前に、時間を巻き戻してみる。
市井のリーチを受けて安全牌を3枚捨て、六萬を引いた場面。
無筋の四萬を捨ててもまだリャンシャンテンのため、かなり押しにくい。ドラの⑦ピンを使い切れるかも不確かだ。
ただリーチへの安全牌は二萬のみ。あとはスジの8索があるだけなので、二萬を抜いても後が続くかという懸念はある。
坪川は四萬プッシュを選択。
⑥ピン引きで一手進む。
安全牌は四萬・二萬、スジの8索・七萬があるが、坪川は無筋の六萬を勝負。
⑨ピンを暗刻にして6索を切り、冒頭のテンパイへと辿り着く。
ここまでの経過を見れば、坪川の選択を想像することは難しくない。
追いかけリーチだ。
そして⑨ピン暗槓からの嶺上開花。
圧倒的有利な状況から、ダメ押しの4000オールのアガリとなる。
強気の選択でかなり有利な立場となった坪川だが、2回戦も含めて安易に安全牌を貯め込む配牌降りのようなことはせず、ギリギリまで真っ直ぐ踏み込む姿が印象的だった。
1回戦は高打点連発の荒れた展開。
一時は持ち点0まで落ち込んだ秋瀬が東3局に盛り返す。
東2局3本場の坪川に続いて、また嶺上開花である。
新しくドラになったばかりの5索をツモって6000オール。
東3局1本場は江崎が市井から8000は8300のアガリ。
東4局1本場は市井が6000オールは6100オール。
南1局は坪川がダブルリーチ。
秋瀬から8000を出アガる。
さらに坪川は南3局にも3000-6000をツモアガり、ダメにダメを押して大差の大トップを取る。
2着江崎、3着市井、4着秋瀬。
2回戦(江崎-坪川-秋瀬-市井)
1回戦はマンガン以上のアガリ7回、うちハネマン3回と高打点が飛び交い、ダブルリーチや嶺上開花も飛び出した。ダブルリーチや嶺上開花などはそうそう出るものではないはずだが、
東4局に秋瀬がダブルリーチ。
そして四萬を暗槓して嶺上からの2索でツモアガリ。
そうそう出ないはずのダブルリーチと嶺上開花をまとめて繰り出す。
fuzzカップでは先日開催されたベスト128I卓で、二見がカンドラモロ乗りの嶺上開花を決めた。
また先日行われたA1リーグ第4節B卓では、下石戟による地和が炸裂したばかりである。
協会のレア役出現の上振れ期であろうか。
さて試合に戻る。
勝敗を分けたのは南1局の攻防。
親の江崎が先制リーチ。
同巡、秋瀬も赤五萬を引いてテンパイ。
トップ目は秋瀬だが、トータルポイントでは江崎がわずかに上回り、両者は当面のライバル同士。江崎の親リーチが決まれば決定打にもなり得る。
ここが山場と、秋瀬が⑥ピンを切って追いかける。
坪川が三萬をチーしてテンパイを取ると、
江崎がツモアガるはずの⑤ピンが食い流れ、
秋瀬のアガリ牌の④ピンも流れるが、
秋瀬が④ピンでツモアガリ。
1300-2600のアガリで勝負所を制し、通過ポジションに立つ。
秋瀬は南2局に2600のアガリで加点し、南3局の3メンチャンをダマテンにした2600オールが決定打。
ベスト64B卓の勝ち上がりは、攻めの姿勢を見せ続けた坪川と、1回戦箱下のラスから逆転を果たした秋瀬。
最後に。
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