第4回fuzzカップ観戦記ベスト64B
【担当記者:今田孝志】
1回戦(下石-中月-吉田-柚花)
先週行われたfuzzカップベスト64の初戦A卓は、1、2回戦全21局で流局なし。マンガン以上のアガリ10回という打撃戦となった。
続くベスト64B卓1回戦は、12局で5回の流局。マンガン以上のアガリは2回だけと、A卓とは対照的な展開となった。
そして2回戦は、最後の最後まで全員に現実的な勝利条件が残る大接戦となる。
吉田、我慢の1回戦。
ラス目で迎えた東3局の親番。
中月からの先制リーチは、ドラの西と④ピンのシャンポン待ち。
吉田は西を捨てるとテンパイとなるが、これを止めてリーチに通っていない九萬切り。
最終的に西単騎の形式テンパイで親の維持に成功する。
東4局はドラ西を雀頭にしたホンイツテンパイ。
柚花の親リーチに勝負するが、終局間際に④ピンを掴んで降りる。
柚花はカン⑦ピン待ちだった。
南1局。
親の下石が序盤に9索をポンして、ドラ1赤2内蔵の12000を中バックでテンパイ。
吉田はドラ1赤1で三色の見える手だったが、捨て牌3段目に入るところで生牌の中を引くと、三萬切りでこれを止めた。
勝負の大きな山は東2局。
柚花がドラの東をポン。⑦ピンもポンして、さらに⑦ピンを加槓すると、ドラ表示牌に北が並ぶ。ドラが倍増して6枚になり、ハネマン以上確定、自風の西か赤五萬でのアガリならバイマンである。
だがアガったのは中月。白ホンイツ赤1で4000オール。
南3局は柚花がダブ南と白が暗刻で、ドラを1枚内蔵の手をリーチしてツモ。3000-6000となる。
南4局は流局で終局。
序盤のリードを守った中月がトップ。
吉田は固い守備を見せたが、アガれなければ勝てないのが麻雀で、ノーホーラの4着に終わった。
だが吉田の我慢はこのあと大接戦となった2回戦で報われる。
2回戦(中月-吉田-柚花-下石)
1回戦4着の吉田が東1局にマンガンツモで先制。
東3局には柚花が4000オールのアガリ。
南場に入って下石が3900を二度アガって接戦のまま終盤へ。
南3局を迎えて点棒状況は以下の通り。
1着 吉田 31600
2着 柚花 27900
3着 下石 23300
4着 中月 17200
通過ポジションは中月と柚花。
下石は8300点差のトップ吉田をまくれば通過ポジション。
吉田は現在トップ目だが、通過には以下のいずれかを満たす必要がある。
・中月と32800以上の差をつける(吉田トップ・中月4着)
現時点14400点差なので、あと18400点差が必要。
・柚花と23300以上の差をつける(吉田トップ・柚花2着)
現時点3700点差があるので、あと19600点差が必要。
・柚花を3着以下にする(吉田トップ・柚花3着)
柚花と3300以上の差が必要。現時点3700点差なので素点条件はクリア済。
中月がやや有利、吉田がやや厳しい。だが全員に勝ち上がり、敗退の現実的条件がある。
最初にテンパイしたのは中月。
發をポンするとドラの東が暗刻になり、下石の切った六萬をチーして2索・6索のシャンポン待ち。
下石が追いついてリーチ。
三色にはならなかったが、赤⑤ピン引きでテンパイ。安め5索でもマンガンから、高め2索ツモなら3000-6000から。
しかし2索を手元に引き寄せたのは、中月だった。
南4局を迎えて点棒状況は以下の通り
1着 吉田 29600
2着 中月 26200
3着 柚花 23900
4着 下石 20300
南3局の2000-4000で、中月はかなり有利になった。
同時にこのアガリで、吉田と柚花の立場が逆転している。
中月が2着に浮上したことで柚花が3着になり、吉田は柚花とトップ・3着3300点差条件を満たしたため、吉田が通過ポジションとなった。
激戦のオーラス。それぞれの通過条件は以下の通り。
■下石
親のためアガるのみ。
以下のいずれかで通過ポジション
・2600オール以上ツモ
・吉田から6800以上
・中月、柚花から9600以上
■柚花
以下のいずれかを満たすと通過。
・中月まで2300を逆転して2着になる。
・吉田トップ、自身3着のままで、差を3200以下にする。現在5700点差なので、あと2500縮める。
⇩
・500-1000ツモ
・吉田から1300以上
・中月から1300以上
・下石から2300以上
さらに柚花にはもう1つ勝ち上がりルートがある。
・中月に差し込んで中月をトップにする。ただし自身がラスに落ちるので、3着の下石まで11100点差以内に留まる必要がある。
⇩
・中月に3900以上、12000以下を放銃。
■中月
現在通過ポジション
吉田には12000まで、柚花には役満放銃しても通過。
吉田
現在通過ポジション
中月に1600まで放銃可。
親の下石の配牌にドラ2枚、赤2枚。アガれば一気に通過ポジションに達する高打点が見込める。
中月が⑧ピンをポンしてタンヤオに向かう。打4索。
中月の捨てた4索を吉田がチーして打⑥ピン。二-五萬待ちテンパイ。
その⑥ピンを下石がポンしてイーシャンテン。打中。
柚花がその中をポンしてイーシャンテン。
一気に場が煮詰まる。
柚花が七萬を引いてテンパイ。6-9索待ち。
赤1で2000点のため、下石からはアガれない。
中月、吉田からはOK。ツモアガリでも勝ち上がり。
下石が4索をチーして12000のテンパイ。柚花のアガリ牌6索が河に放たれるが、柚花はアガれない。
二-五萬か、6-9索か、四萬・⑤ピンか。
三者でめくり合いとなったが、最後は吉田が二萬をツモって大接戦を制した。
オーラスに3人が条件をクリアしたテンパイを入れてめくり合う大接戦の果てに、中月と吉田がベスト32進出を決めた。
最後に。
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