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第4回fuzzカップ観戦記ベスト16C

【担当記者:今田孝志】

あけましておめでとうございます。
昨年、fuzzカップをご覧くださった皆様、観戦記を読んでくださった皆様、大変ありがとうございました。
2024年のfuzzカップはベスト16C卓より開幕し、準決勝・決勝へと続いていきます。
最終局面に突入したfuzzカップ。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


1回戦(渋川-仲林-二見-椿)
ベスト16の組み合わせは、ベスト32の勝ち上がり順位によってあらかじめ定められている。そのため作為の入り込む余地はないのだが、2024年最初の試合は、仲林・渋川のMリーガー2人と、麻雀のみならず幅広い活躍をしている椿、そして前回チャンピオン二見という豪華メンバーが揃った。まるで新春バージョン用にあつらえたような4人である。役満まで飛び出し、華々しいスタートとなる。

2024年最初のアガリは椿。2000-4000のツモアガリで先制する。

東3局1本場から、二見がチャンピオンの猛撃。
まず4000オールは4100オール。

続いて仲林から2900は3500。

さらに4000オールは4300オール。

この3連続アガリで持ち点は55000を超える。
東4局にも仲林から8000出アガリで加点して、独走態勢に入る。

苦しくなった仲林だが、南1局にとんでもない配牌が入る。

なんと国士無双のダブリーチャンス。

渋川から先制リーチが入る中、12巡目にテンパイ。發待ち。

第4回fuzzカップ放送対局で役満はまだ出ていない。新しい年を祝うべく、雀王仲林によって華々しく国士無双が成就するか。アガればラス目の仲林にとって起死回生の一撃になる。發は場に3枚切れ。

しかしアガリはリーチの渋川。仲林が⑦ピンを掴んで放銃。めくられた裏ドラ表示牌が發だった。

大逆転は起きず。1回戦はこのまま二見がトップで決着するが、南4局1本場のMリーガー2人の選択を紹介したいと思う。

渋川は2着目。トップの二見までは30000点以上の差があり、3着の親の椿までは14300点差。その椿が2索をリャンメンでチーしている。
⑦ピンを引いて渋川の手が止まる。

渋川としては着アップはほぼ見込めないため、このまま2着で1回戦を終えたい。好形のイーシャンテンだが、親の椿の仕掛けを見て、ここでは⑦ピンを止めて打北とする。受け入れは狭くなるが、イーシャンテンから危険牌を切らず、必ず役ありテンパイになる形。
椿は白暗刻のドラ1赤1、カン④ピン待ちでテンパイしていた。
渋川はこのあと慎重に北を3枚並べる。

箱下に沈む仲林は素点を回復したい。
リャンメン2つのイーシャンテンに、赤五萬を引いてターツ選択の場面。

567の三色とマンズのイッツーが見える。八萬九萬は椿に通っている。ピンズは厳しいところ。となれば三色狙いでマンズ切りかとも思えたが、仲林の選択は打⑤ピン。
安全度よりも、四萬さえ引けば確定するイッツーと、7索⑦ピンと引かなければならない三色の比較か。

椿が④-⑦ピンのリャンメン待ちに変わったところで、渋川が⑥ピンをチー。⑦ピン単騎でしぶとくテンパイを取る。

安めだがターツ選択はズバリ的中の七萬引き。
高め7索ツモならハネマンからのリーチ。

渋川の丁寧な打ち回しと、仲林の選択。
強者らしい技を見せてくれる。

2回戦(仲林-椿-二見-渋川)
東2局。渋川が椿から5200を出アガリ。1回戦2着の渋川と3着の椿。トップを取れば勝ち上がりの両者だが、渋川が先制パンチ。

椿も負けていない。東3局に一発ツモで2000-4000のアガリ。強豪相手に食い下がる。

南1局1本場。かなり余裕のある二見がドラ2枚赤2枚内蔵の先制リーチ。

最後の親番の仲林はいくしかないが、当面のライバル同士の渋川と椿は、二見とは戦いたくない。あわよくばライバルが二見に放銃してくれれば僥倖である。ということで渋川・椿とも二見のリーチに対して降りを選択。

渋川はここから前巡切った六萬を切らない。六萬は場に3枚切れていて、渋川の目からは4枚目。4枚目を見せないことで他家を楽にさせないようにしている。

実際、椿は苦しんでいた。
リーチの現物がなく、スジの牌もない。六萬が4枚見えていればノーチャンスで七萬が切りやすいが、椿はやむなく打①ピンを選択。ロンの声はかからない。

渋川は目論見通り、椿に危険な橋を渡らせることに成功したわけだが、実は二見のリーチはペン七萬待ち。皮肉なことに渋川は、4枚目の六萬を見せないことで、結果として椿を助けたことになる。
こういうこともある。

いくしかない仲林が七萬を掴んで放銃。最後の親番が潰え、仲林は苦しくなる。

南3局を迎えて点棒状況は以下の通り。
二見 31400
椿  28100
渋川 24800
仲林 15700

椿は自身トップまたは自身2着渋川3着で6000点以上の差をつければ勝ち上がり。
渋川は椿にトップを取らせず、一着順下回っても5900点差以内であれば勝ち上がり。

現在3300点差。接戦である。
渋川が4巡目にテンパイ。出アガリ1300点、ツモアガリ700-1300の手。

現在渋川は通過ポジション。
椿からの出アガリが理想。
仲林からの出アガリでも、現在よりも差を拡げることができる。
だが二見からアガると、椿と二見の差が縮まり、オーラスの椿の条件が緩和されてしまう。
ツモアガリだと二見が親なので、やはりオーラスの椿の条件は緩和される。

どこからでもアガる決断をしたと、渋川は試合後のインタビューで語る。
手をこまねいている間に椿にアガられてしまえば、一気に苦しくなる。

どこからも③ピンが出ないうちに、葛藤を解消する①ピンが渋川のもとに。
打③ピンでツモり四暗刻へ。

椿も食らいつく。
3副露してテンパイ。赤2枚入りで、アガれば二見を捲ってトップに立つ。

そして結末は四暗刻成就。

第4回fuzzカップ放送対局初の役満。
2024年は辰年である。辰とは草木が整った状態を表しているともいわれる。
4つの暗刻と雀頭がすべて上下左右対象の牌による四暗刻で、綺麗に整った。

四暗刻を決めた渋川と、終始危なげない試合運びを見せた二見がベスト8進出。

最後に。
fuzzカップスポンサーの『株式会社fuzz』様。
選手が座っている椅子をご提供いただいている『COUGAR』様。
選手が飲んでいるピンク色のドリンクをご提供いただき日本プロ麻雀協会とパートナー契約を締結させていただいている『ピンクイオンアスリート』様。いつも大変ありがとうございます。感謝申し上げます。

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