第4回fuzzカップ観戦記ベスト64I
【担当記者:今田孝志】
1、2回戦とも、激しいオーラスの攻防が見どころ。
1回戦(市井-椿-夏目-松嶋)
中打点の応酬で迎えた南2局。
連荘したい椿の配牌に自風の東がトイツ。
だが松嶋が第一ツモで東を重ね、持ち持ちになる。
その松嶋は九萬ポンから中バックで発進。
その中を市井が重ね、赤2ドラ1内蔵の1-4-7索待ちリーチ。
終盤に夏目が高め三色のピンフ・ドラ1をテンパイ。
リーチの市井にも、仕掛けの松嶋にも厳しい生牌の白を勝負して、追いかけリーチ。
アガリは市井。中バックでテンパイを入れていた松嶋から1索が出て、裏も乗って12000。
この半荘初のマンガン以上のアガリで、頭一つ抜け出す。
南4局を迎えて点棒状況は以下の通り。
市井 38300
椿 27600
松嶋 17400
夏目 16700
親の松嶋が3巡目に早くもリーチ。
ラス目の夏目はメンツなしの5シャンテンと非常に苦しい。
ここから發を重ね、生牌の字牌を連打。終盤には無筋を連打して終局間際にようやくテンパイを入れるが、ハイテイで危険牌の赤5索を引く。
3索か5索を切るとテンパイを維持できるが、夏目の選択は四萬切りで降り。
松嶋のリーチはカン3索だった。
南4局1本場。
トップ目の市井が出アガリ8000、ツモアガリ3000-6000の④-⑦ピン待ちダマテン。
夏目の④ピンが危うい形だが、ここから七萬を暗槓して、リンシャンから③ピンを引いて④ピンを使い切る。
松嶋が④-⑤-⑦待ちリーチ。
市井と松嶋のアガリ牌の⑦ピンを吸収して、夏目が追いかけリーチ。
激しいオーラスの攻防だが、結果はまたしても流局。
供託が3000点貯まった南4局2本場。
今度は夏目が先制リーチ。
タンヤオに向かった松嶋が高め1索で放銃。
5200は5800のアガリ。供託を加えて8800点の収入。
夏目は松嶋を抜いてラスを脱出したが、2着の椿には100点及ばず。
この100点が大きな意味を持つ。
2回戦(夏目-松嶋-市井-椿)
東1局。1回戦トップの市井が先制リーチ。
夏目がチートイツで追いかけリーチにいくが、高め⑥ピンで8000の放銃。
東4局1本場と南1局は松嶋の連続アガリ。
6400は6700と3900。
ともに夏目の放銃。親番もなくなり、夏目はかなり苦しくなる。
その夏目。次局南2局には、椿の先制リーチを搔い潜ってツモれば倍満の追いかけリーチ。
しかしアガったのは先制リーチの椿。500-1000のツモアガリ。
南4局を迎えて点棒状況は以下の通り。
松嶋 36100
市井 33000
椿 26500
夏目 4400
通過ポジションは市井と松嶋。
市井はほぼ安泰。
夏目は役満級が必要。
松嶋と椿は9600点差だが、椿は6500点差の市井を逆転して2着になれば通過。
さらに松嶋がトップから陥落しても椿が通過。松嶋・市井の差は3100点なので、椿は松嶋から3900直撃でも通過ポジションになる。
松嶋はアガれば勝ち上がりだが、市井に1600以上放銃すると敗退。
市井を間に挟んで、松嶋と椿の鍔迫り合い。
いや、私もいるとばかりに、夏目が6巡目にして早くも四暗刻のイーシャンテン。
終盤に差し掛かるところで椿がタンヤオ・ドラ1のポンテンを入れる。
この2900を松嶋が放銃。両者の差がさらに詰まる。
南1局1本場を迎えて点棒状況は以下の通り。
松嶋 33200
市井 33000
椿 29400
夏目 4400
松嶋と市井の差はわずか200点。松嶋はこのままトップを保てば勝ち上がりだが、自身の放銃または市井のアガリで敗退となる。
椿は自身が2着以上に上がるか、松嶋をトップから引きずり下ろせば勝ち上がり。
勝ち上がりには自らアガるしかない松嶋が3巡目に場風の南をポン。
だが残った形は苦しい。
椿がリーチ。だが役なしドラなしカンチャンで、こちらも苦しい。
終局間際に松嶋が3-4-6-9索待ちの4メンチャンでテンパイ。椿のアガリ牌5索を3枚組み込んでいる。
結果は流局。
松嶋・椿の一騎打ちの決着は、南2局2本場へ持ち越される。
またしても松嶋が場風の南をポン。
松嶋の捨てた白を椿がポン。
最後のイスを手中に収めようと、繰り返される松嶋・椿の熾烈な戦い。
そこに余裕の高みから振り下ろされる市井のリーチ。
自身の敗退がほぼないところ。役なしテンパイから決着をつけるべくペン③ピン待ちのリーチ。
松嶋は放銃すれば即敗退。
椿は逆に放銃すれば勝ち上がり。ただし手を崩して差し込みにいき、自身ノーテン・松嶋テンパイで流局すると、敗退となる。
最後のイスを巡る松嶋・椿の対決は、市井のツモアガリで決着。
連続トップで圧倒的ポイントを積み上げた市井と、1回戦100点差で2着を守ったことが生き、レアな2着3着で2位となった椿の勝ち上がり。
最後に。
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