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第4回fuzzカップ観戦記ベスト128H

【担当記者:今田孝志】

熱戦の続くfuzzカップベスト128は、このH卓が最終戦である。
最終戦はfuzzカップらしいトーナメント条件戦の魅力溢れる好ゲームとなった。
目まぐるしく状況が変わる激戦となった2回戦を中心に記していくこととする。

1回戦(木原-愛内-大浜-三浦)
東1局。三浦の4巡目チートイツリーチ。
手牌にドラ1赤3の木原が一発で放銃。三浦が先行する。

中盤に愛内が追い上げる。
南1局1本場に木原から2600は2900、南2局に大浜から5800をアガる。

三浦は時に躱し手を入れてリードを保ち、木原は終始厳しい展開。
南4局を迎えて点棒状況は以下の通り
1着 三浦 39300
2着 愛内 34700
3着 大浜 19600
4着 木原 6400

三浦と愛内のトップ争いは4600点差と僅差だが、なんとオーラスは大浜のダブルリーチが入る。

カン2索待ちで、ドラ赤内蔵8000から。
三浦の放銃だと、トップから陥落して愛内がトップになる。
愛内の放銃だと、大浜と2着3着が入れ替わる。

三浦と愛内は放銃回避に努める。
手詰まった愛内の2索が危うい場面もあったが辛うじて持ちこたえ、最後は行くしかない木原のテンパイ打牌が2索で、1回戦決着となった。

2回戦(木原-大浜-三浦-愛内)
1回戦ラスの木原の4000オールで開幕。

1回戦トップの三浦にとっては、木原がトップの場合には、自身がラスでも41000点以上の差をつけられない限りトータル順位で木原よりも下になることはないため、木原が先制したこの展開は三浦にとって悪くない。

東1局1本場は、愛内が4巡目に白単騎チートイツリーチ。大浜が中盤過ぎにドラ・赤内蔵の⑤-⑧ピン待ち追いかけリーチにいくが、2人テンパイで流局。

東2局2本場は、愛内がタンピンリャンペーコー赤で12000は12600のアガリ。放銃は大浜。

このアガリで愛内はトップの木原まで400点差に迫る。
木原にとっては自身がトップでも、愛内が2着だとトータルで愛内を逆転するには36400点差が必要。
また木原がトップで三浦が3着の場合、木原がトータルで上になるには61000点差が必要で、この時点で17000点差なので、あと44000点が必要。
このいずれかが必須なので、木原は現在トップ目だが、この並びだとまだまだ加点が必要である。

東3局。三浦がカン⑥ピン役なしテンパイをダマテンにしていたが、⑤ピンを引いたところで⑦ピン切りで一萬・⑤ピンのシャンポン待ちでリーチ。
3巡目に自身で二萬を捨てていることから、一萬の出アガリが期待できると踏んでのリーチ判断。

しかし3巡後に元々のアガリ牌⑥ピンをツモ切ると、これが今テンパイをした大浜の中膨れ単騎へ8000の放銃となる。

この放銃で三浦は10500点持ちのラスに転落。
トータル順位でも愛内に逆転されて2位に転落。
まだ通過ポジションだが、2回戦現在トップの木原とのトータル差は15000点となり、予断を許さない状況となる。
だが木原と愛内の点差はわずか400点。
愛内が木原を逆転してトップになると、三浦と木原の差が40000点分開くので三浦は一気に有利になる。
現状トータルでかなり余裕のある愛内は、ここから局消化を優先していくだろう。

南1局1本場。最初にテンパイしたのは愛内。
1枚切れの待ち頃の北単騎だが、前述のとおり愛内はダマテンを選択。

直後の三浦の手牌。

北が浮いている。愛内に放銃して木原の親を流すのは、三浦にとっても悪くない。
だがこの時点で愛内に北単騎のテンパイが入っていることは知る由もなく、三浦は比較的安全度の高い北を手牌に留めたまま数巡が経過する。

その間にテンパイした大浜がリーチ。
ドラ九萬が2枚切れであり、ソーズが安い場況から3-6索待ちを選択。

大浜のリーチを受けて、三浦は1枚切れの北ではなく現物を抜き、愛内は無筋の2索を掴んでテンパイを崩した。
愛内のアガリがなくなり、大浜が6索ツモで2000-4000は2100-4100のアガリ。

この時点での点棒状況は以下の通り。
1着 木原 32900
2着 愛内 32500
3着 大浜 27700
4着 三浦 6900

現在通過ポジションは愛内と三浦。
■木原
トップは必須で、
三浦との差をあと15000点つければ通過ポジション(木原・愛内が通過)
もしくは愛内を3着にして16400点差をつければOKなので、愛内からマンガンをアガれば通過ポジション(木原・三浦が通過)

■大浜
トップ、もしくは木原トップで自身が2着の場合9200点差以内なら通過なので現状は愛内との差(4900点)を詰めれば通過ポジション(大浜と愛内(場合によっては三浦)が通過)

■愛内
木原か大浜がトップで、愛内2着、三浦4着の場合、三浦との差が4700点以上であれば通過ポジション(愛内とトップだった方が通過)なので愛内が有利。
しかし大浜トップの場合で、愛内が3着、三浦4着の場合は、24700点差が必要で、現状の差が25600点なので接戦である。

■三浦
愛内がトップなら通過。
木原がトップの場合はまだ15000点の余裕がある。
大浜がトップの場合は愛内2着だと敗退で、3着の場合は点差次第となる(愛内の項参照)

それぞれに現実的な条件が残る中、南2局に愛内がツモり三暗刻リーチを一発でツモって2000-4000。頭一つ抜け出す。

南3局は大浜のリーチに木原が一発で放銃。雀頭の白が裏ドラになり8000。
これで木原はかなり苦しくなる。

南4局を迎え点棒状況は以下の通り。
1着 愛内 40500
2着 大浜 31700
3着 木原 22900
4着 三浦 4900

通過ポジションは愛内と三浦。
木原はかなり厳しく、愛内はかなり有利。
大浜はトップになれば通過なので、愛内との差8800点を逆転を目指すように見える。
しかし2着で三浦4着の場合は31800点差をつければトータルで逆転するため三浦との5000点差を詰めれば通過となる。
よって大浜は、
・木原からは5200以上の出アガリ
・愛内からは4500以上の出アガリ
・三浦からは2600以上の出アガリ
・ツモは1000-2000以上
の条件である。
なお、愛内は大浜にマンガンまでは放銃しても通過となる。

逆転を狙う大浜の5巡目。メンツ手とチートイツ、どちらでもイーシャンテンだが、大浜の選択は打一萬。
タンヤオが崩れ③ピンがネック、かつリーチが必須となるメンツ手より、一手でツモor直撃条件を満たせるタンヤオ七対子を優先。
再度四七萬引きであればメンツ手に構えられる一打である。

ドラ8索を引いて打六萬とした時にはほぼチートイツに決めたが、五萬が3枚になったところでドラを離して再びメンツ手を視野に入れる。

アガれば勝ち上がりの三浦は、カン七萬待ち役なしテンパイを入れるが、ダマテンで耐える。捨て牌3段目に至って⑥ピンを引いたところで、ソーズのメンツを壊して降りる。大浜から2600以上を直撃されると敗退なので、役なしテンパイを見切って守備を固めた。

大浜は有効牌を引けず、ノーテンのまま終局となった。
勝ち上がりは愛内と三浦。1回戦トップの三浦は最後は薄氷の勝利となった。

次回からはベスト64の戦いが始まる。

最後に。
fuzzカップスポンサーの『株式会社fuzz』様。
選手が座っている椅子をご提供いただいている『COUGAR』様
選手が飲んでいるピンク色のドリンクをご提供いただき日本プロ麻雀協会とパートナー契約を締結させていただいている『ピンクイオンアスリート』様。
いつも大変ありがとうございます。感謝申し上げます。


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