第4回fuzzカップ観戦記ベスト32C
【担当記者:今田孝志】
「ボクが無難に打つかは別問題ですけどね」
「全員トドメ刺す」
雀王・浅井堂岐登場!
今期の雀王決定戦真っ只中の現雀王が、fuzzカップベスト32に登場。
決定戦は苦戦中だが「逆襲のヘラクレス」の異名を持つ浅井の巻き返しがあるか。
fuzzカップベスト32C卓は、鈴木ケンタ(以下ケンタ)・田口・中月の3人が雀王浅井の猛攻に蹂躙される展開となる。
1回戦(浅井-ケンタ-田口-中月)
東2局。浅井がケンタから一発で一萬を討ち取って8000のアガリ。
東3局2本場は役役ホンイツ、二萬-五萬待ちテンパイのケンタと、
ドラ2枚内蔵、中月の三萬-六萬待ちリーチを受け、
ドラ2・赤1の浅井がカン六萬待ちで追いかけリーチ。
3人の中で最も待ちが悪く、六萬が出ても中月に頭ハネされる不利な形だったが、結果は浅井のツモアガリ。裏も乗って3000-6000は3200-6200。
その雀王に殴り合いを挑んだのが田口。
東3局は4巡目リーチを一発ツモで6000オール。
このアガリで浅井を捲ってトップに立つ。
しかし東4局1本場は、リャンシャンテンからドラの東を離すとこれを浅井にポンされ、次巡四萬で放銃。8000は8300を献上する。
南2局1本場はぶつかり合い。
6巡目に浅井が5-8索待ちリーチ。
中月が赤⑤ピンを引いてテンパイ。7索はスジだがドラ。打8索でドラ単騎に受けると、浅井に放銃になる。
中月は打4索とし、このあと6索をチーして2索単騎で再テンパイを果たす。
後のない親番のケンタはペン三萬チーから発進。このあと自風の東バックでテンパイする。
田口もドラトイツでテンパイしていて全員テンパイ。
赤5索を掴んだ田口がこれを勝負して8000は8300の放銃となる。
南3局。ピンズのホンイツに向かったケンタが白發中をすべてトイツにする。大三元チャンスだったが、發は田口がトイツ、中は浅井がトイツで、順調に進んでも小三元テンパイまでの手である。
中月がタンヤオチートイツ四萬単騎待ちでリーチ。
トップ目の浅井はすでにテンパイしていたが、ここは自重。南の暗刻落としで降りる。
ケンタと發モチモチの田口の手がチンイツになり、發のトイツ落としへ。
ケンタは当然のポンで、アガリの可能性が生まれる。ケンタはドラ⑤ピンを勝負。
田口は6索を引いてチンイツテンパイ。赤五萬を勝負。
激しいぶつかり合いの末、アガリは田口。リーチの中月が1索を掴み12000の放銃となる。
続く南3局1本場は田口の4000オールは4100オール。
一時は25000点近くの差をつけられた浅井を2局で逆転。
オーラス、田口と浅井の差は1800。
4巡目にテンパイした浅井が田口から3900は4800をアガって逆転トップ。5万点の前後に浅井と田口、1万点に満たない中月と箱下のケンタと、縦長の結果となった。
1回戦トップを取ると相当有利なfuzzカップ。素点差もあって圧倒的優勢となった浅井だが、雀王の蹂躙はこのあと起きる。
2回戦(ケンタ-浅井-田口-中月)
「無難に打てば勝ち」
1、2回戦のインターバルで解説の宮崎にこう言われ、浅井は冒頭のセリフを返した。
「ボクが無難に打つかは別問題ですけどね」
「全員トドメ刺す」
そうしてスタートした2回戦東パツの浅井の配牌。第一ツモが發。
王者の配牌である。
さらに自力で中を暗刻にする。
とはいえ油断も慢心もなく、五萬をチーしてテンパイを取り、ケンタから12000のアガリ。
油断も慢心も容赦もない。
さらに東2局の親番では、白・⑨ピンをポンしてドラ2赤1の12000を中月から出アガリ。
卓上の爆撃機が他家を殲滅せんとす。
南1局。田口が場風の南、自風の西をポンしてピンズのホンイツへ。
連荘に一縷の望みをかける親のケンタがリーチ。
浅井はケンタに通るピンズを連打し、終局間際に⑨ピンで田口に差し込み。
ケンタの希望を無慈悲に刈り取る。
雀王、容赦しない。
南2局は中月が3000-6000をツモアガリ。
オーラスの親を残す中月が追いすがる。
南4局1本場を迎えて点棒状況は以下の通り。
(供託1000点)
浅井 36000
田口 30300
中月 22400
ケンタ 10300
親の中月は田口を3着以下にして自身がトップを取れば勝ち上がり。
3200は3300オール以上ツモアガリか、田口またはケンタから18000以上出アガリなどで通過ポジション。苦しい位置からオーラスに現実的条件を残した。
だが田口は自身がアガるだけでなく、浅井に放銃しても通過のため、かなり有利。
中月の希望を打ち砕くように浅井の配牌が良い。
イーペーコー完成のくっつきのイーシャンテン。
タンヤオでの仕掛けも可能で、すぐにでもアガれそうな手。
中月もテンパイに辿り着くが、田口が浅井に放銃して決着となる。
雀王・浅井堂岐の完全勝利。決定戦での逆襲の弾みとなるか。
1回戦浅井と激しく叩き合った田口が連続2着でベスト16進出。
最後に。
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