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第4回fuzzカップ観戦記ベスト16D

【担当記者:今田孝志】

1週間前に行われたベスト16C卓は、仲林・渋川のMリーガー2名を筆頭に、実績、知名度の高い4名の戦いだった。
対照的に今回は最もプロ歴の長いみあでも6年目。小野が4年目、石井が3年目、サヴェはまだ2年目である。
日本プロ麻雀協会公式ホームページの獲得タイトル欄を見ると、唯一小野に『2022年日刊スポーツ杯スリアロCS9月度優勝』と記載があるが、他3名は空欄である。

この試合を含めあと2回勝てば決勝進出。念願のタイトル獲得が現実のものとして見えてくる。
ベスト16D卓に出場する4人にとって、タイトル獲得は人生を変える可能性がある。もちろん先週ベスト8進出を決めた二見・渋川も、全力で獲りにいくだろう。しかしタイトルを獲得した時の人生の変わり具合は、この試合に出場する4人が遥かに大きい。

【第4回fuzzカップ優勝】
その栄冠は伸ばした手のすぐ先にある。
みあ・小野・石井・サヴェの4人が、麻雀人生を変える戦いに挑む。

1回戦(小野-みあ-石井-サヴェ)
タイトルを獲るためには、力強く手を伸ばさなければならない。
そう言わんばかりに、みあがタンピン三色確定の手をリーチ。力強く3000-6000をツモりにいく。

しかしこれは不発。

続く東2局1本場は、石井が三色確定のリーチ。
みあが小野から7700は8000をアガり、石井のリーチは不発。

このあとも想いを込めたリーチが不思議と空振り続ける。
東3局は石井がフリテン3メンチャンリーチ。

東3局1本場は絶好のドラカンチャンを入れたサヴェのリーチ。

4度のリーチがすべて空振り。

初めてリーチが実ったのは東4局2本場のみあ。
1300-2600は1500-2800のアガリで突き放しにかかる。

そうはさせじとラス目の小野がドラ単騎リーチをツモアガって4000オール。
激しく追撃する。

ところで筆者は試合開始に先立ち、石井にベスト16に臨む意気込みを聞いた。質問に対し石井は真っ先に「リーチが好き」と答え、続いて「タイトル欲しい」と答えた。これはかなりのリーチ好きだと、筆者は思ったものだった。ちなみに好きな役を聞いたわけではない。

石井は東2局1本場と東3局は、先制リーチをかけて不発。
東2局2本場は先制リーチをかけて、みあから2000は2600を出アガリしている。
南1局の小野が發単騎リーチをツモアガった局は、親の先制リーチに向かってペン⑦ピン待ちで追いかけリーチを打っている。

南1局1本場はチートイツをテンパイして即リーチ。
イーペーコー形があるため打2索でいったんテンパイをとって再度メンツ手を指向したり、単騎の待ち頃の牌を探す選択もあるが、迷いを断ち切って2索単騎リーチといった。
だがこのリーチも実らない。

南4局を迎えて点棒状況は以下の通り。
みあ  38400
小野  26900
石井  17500
サヴェ 17200

石井が赤1枚のカン③ピン待ちでテンパイ。
リーチしてツモって裏が乗れば小野を捲って2着。
だがリーチ棒を出した瞬間にラスに落ちる。

2着と3着はあまり差がないが、4着は回避した方がいいと言われるオカありウマ10-30のfuzzカップ。難しいところだが、石井の選択は「リーチ」
試合後に石井はこのリーチ判断を「多分良くなさそう」と語るが、自分らしい決断を貫いた。
この局は、小野の2着確保の仕掛けにサヴェが放銃して決着。サヴェがラスに落ち、石井は3着に踏み留まる。

2回戦(小野-石井-みあ-サヴェ)
石井は1回戦、大好きなリーチを6回放ったが、実ったのは2000は2600の一度だけ。少々フラストレーションが溜まったのではと思われるが、2回戦開始早々鬱憤を晴らす。

東1局。②⑤⑧ピン待ちで先制リーチといき、小野から8000出アガリ。

親番を迎えて「リーチ」「リーチ」「リーチ」「リーチ」
東2局は小野から12000。
東2局1本場は4000オールは4100オール。
東2局2本場は裏3の6000オールは6200オール。
この時点で石井の点棒は75000を超える。

東2局3本場は14700点持ち同点2着目のサヴェが先制リーチ。60000点以上引き離している石井だが、まだ足りないとばかりに追いかけリーチ。
ここは石井のサヴェへの放銃となったが、石井は存分にリーチをかけ、存分にアガりまくった。
大量差をつけられた小野とサヴェは苦しい。

サヴェは人気投票で一次予選を免除されている。
「関西麻雀交流会」というイベントグループを立ち上げ、これまで数々のリアル麻雀の大会を開催してきた。またネット麻雀のリーグ戦を立ち上げ、200人以上が参加するものとなった。
これらの活動が得票につながったわけだが、サヴェ自身は「投票いただいた皆様の思いを背負って対局に挑んでいる感覚がある」と語る。特にドラに恵まれて高打点でアガれたときは「応援してくれている皆様のおかげという気持ちが強く湧いてくる」とも語る。

1回戦4着のため、2回戦はトップ必須。最後の親が残っているとはいえ、50000点近い差を少しでも詰めておきたい。応援してくれる人のために、諦めるわけにはいかない。

南1局。最後の親の小野が、大逆転へ一縷の望みを託して先制リーチ。
サヴェが追いかけリーチ。
アガったのはサヴェ。ドラ1赤2裏1とドラに恵まれた3000-6000。きっとたくさんのファンの後押しを感じただろう。

しかし追い上げはここまで。
応援してくれる方と自分自身の様々な思いを背負って戦い抜いたが、サヴェと小野はここで敗退。
ベスト8へ勝ち進み、麻雀人生を変える可能性をつないだのは石井とみあ。

最後に。fuzzカップスポンサーの『株式会社fuzz』様。選手が座っている椅子をご提供いただいている『COUGAR』様。選手が飲んでいるピンク色のドリンクをご提供いただき日本プロ麻雀協会とパートナー契約を締結させていただいている『ピンクイオンアスリート』様。いつも大変ありがとうございます。感謝申し上げます。

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