見出し画像

第4回fuzzカップ観戦記ベスト64L

【担当記者:今田孝志】

1回戦(角谷-金-松尾-愛内)
日本プロ麻雀協会最高峰A1リーグ。今期の雀王決定戦に進む3名とA2への降級者2名が決定する最終節は、全卓同時生中継で実施される。
最終節に先立つこと3日、fuzzカップベスト64L卓に、A1リーガー金と角谷が登場。愛内と松尾が2人に挑む。

金が苦しい立ち上がり。
自風の南をポンして4巡目にして早くもテンパイを果たすが、愛内のリーチに一発で⑥ピンを掴んで8000の放銃。

東2局は4巡目にしてホンイツのイーシャンテンになる。ターツも足りていることから、4索を残して先に⑨ピンを切り、ホンイツをぼかす。

が、結果としてこれが切り遅れになる。
直後に愛内が4-7索待ちテンパイ。3索と6索が振り替わって4索高めイーペーコーになったところでリーチ。
金の3900の放銃となる。

愛内が走り、他3人が横一線で迎えた南3局。松尾が親番で2000オールをツモアガる。2着争いから一歩抜き出るとともに、トップ目の愛内まで17300点差に迫る。もうひとアガリで射程圏内。

次局、トップ目の愛内が親の第一打の⑨ピンをポン。さらにダブ南もポン。
オカありウマ10-30の2回戦トーナメントは1回戦トップを取ると圧倒的有利。そのためこれまでの戦いでも、少々強引にでもトップを狙う選手が多くいた。
ひとアガリでトップが窺える親番の松尾だが、愛内の仕掛けを受けてここから愛内の現物の①ピン暗刻落としで我慢。

ラス目の金も、愛内の現物の三萬切り。イーシャンテンは維持しながら、安全度重視の進行。

イーシャンテンで生牌の東が浮いているところにドラの3索を引いた角谷。
松尾・金とは対照的にこのドラをノータイムツモ切り。

愛内がドラをポンしてテンパイ。ドラ3索、東どちらでもポンテンが取れる形だった。

角谷がテンパイして東も勝負してリーチ。
ベスト128も含め、fuzzカップではトーナメントの点数状況の中で守備的な選択をする場面もしばしば見られた角谷だが、ここで「らしい」押しを見せる。

南4局は角谷が12巡目にリーチ。
金はすでに6索・④ピンのシャンポンでテンパイしていたが、無筋の六萬をダマテン続行でプッシュ。

4索を引いて、アガれば2着浮上のカン5索待ちリーチ。

しかし角谷、金のリーチは実らず。
終始優勢に進めた愛内がトップを守り切った。

2回戦(金-松尾-角谷-愛内)
東2局1本場。松尾がドラ赤内蔵のカン③ピン待ちリーチをツモアガリ。4000オールで先制する。

続く東2局2本場。テンパイの松尾がダマテンで3-6索を狙う。高め6索ならオヤマンで、この半荘の決定打になりうる。

愛内の6索が危うかったが、7索切りで放銃を免れる。

さらに金が出アガリハネマンのダマテン。

2人の12000がヤミで目を光らせる。
しかし結果は角谷が愛内に1000点の放銃。

1回戦2着の松尾が走る展開。
1回戦3着4着の角谷、金は、それぞれ松尾を上回ることがほぼ必須のため追うのみだが、愛内にとっては松尾が敵か味方か、今後の展開による。
松尾がトップであれば、愛内は自身がラスでもほぼ通過。
しかし松尾が2着で自身がラスの場合は、20400点以上の差をつけられると敗退があり得る。
いっそ突き抜けてくれればいいが、角谷か金が松尾の上に行くような展開は愛内にとって望ましくない。

東3局に愛内の懸念が現実化する。
ピンズのホンイツに向かった角谷が終盤にテンパイを入れると、最終手番で⑧ピンをツモ。3200オールで松尾に迫る。

東3局1本場を迎えて点棒状況は以下の通り、
松尾 38600
角谷 28600
愛内 17600
金  15200

通過ポジションは愛内と松尾だが両名の差は21000点。愛内の敗退条件のうち松尾との素点差はこの時点で満たされている。
無論まだ愛内は有利。だが角谷も金も自身の通過のために全力で松尾を追う。愛内も高みの見物というわけにはいかない。

東3局1本場。松尾のリーチに愛内が一発で2600は2900を放銃。
ワンチャンスの9索での放銃だが、自身のアガリを見つつ、松尾に打って角谷の親が流れるなら許容できるとの判断か。

南1局はドラなし役なしの先制シャンポンリーチを敢行。

金がドラを重ねてリーチの現物待ちのダマテン。
リーチに降りた松尾が金に5800を放銃。
松尾と角谷の差が縮まり、愛内にとって好ましくない横移動となる。

南3局2本場を迎えて点棒状況は以下の通り。
(供託2000点)
松尾 34300
角谷 29200
金  24200
愛内 10300

通過ポジションは変わらず松尾と愛内。
■角谷
トップを取れば通過のため、以下のいずれかで通過ポジションとなる。
・松尾から1500は2100以上出アガリ
・金、愛内から2900は3500以上出アガリ。
・700は900オール以上ツモアガリ。
・松尾が愛内に5200は5800以上放銃しても、角谷が通過ポジションとなる。
■金
トップかつ松尾または愛内との順位差・素点差条件あり。
以下のいずれかで通過ポジション。
・松尾から4500は5100以上出アガリ。
・角谷から16000は16600以上出アガリ。
・愛内から12000は12600以上出アガリ。
・3000-6000は3200-6200以上ツモアガリ。
■愛内
角谷がトップを逆転すると敗退ポジション。
ただし松尾が3200は3800以上を放銃した場合は素点差の関係で通過ポジション。
■松尾
トップを保てば通過。

金がやや厳しいが、全員に現実的勝利条件、敗退条件が残る大接戦。

角谷が三萬ポン、松尾が7索ポンと前に出るが、發が持ち持ち。
互いに互いを縛り合う。
中ポンから発進した愛内はダブ南を重ね、トイトイでマンガンツモ。
このアガリで勝ち上がりをほぼ決める。

残る1つのイスを巡って南4局最後の戦い。
角谷、金のA1リーガー2人に条件を満たした手がなかなか入らず、角谷が最終手番でようやくテンパイしてツモ番なしリーチといくが、流局で決着となった。

愛内と松尾がA1リーガー2人を倒してベスト32進出。

最後に。
fuzzカップスポンサーの『株式会社fuzz』様。
選手が座っている椅子をご提供いただいている『COUGAR』様
選手が飲んでいるピンク色のドリンクをご提供いただき日本プロ麻雀協会とパートナー契約を締結させていただいている『ピンクイオンアスリート』様。
いつも大変ありがとうございます。感謝申し上げます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?