【interview】Hi-Ray

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Hi-Ray/DJ,organizer,dublab.jp Radio Nagoya

クラブで活動を始めたきっかけを教えてください

2010年、それまで実家でダラダラと過ごしてて、23才になる直前にこのままだと人生詰むと思い、一念発起して岐阜から東京に越しました。
当時mixi全盛期で東京には音楽仲間がそこそこ居たのもあって東京でDJを始めるには色々整っていました。
いきなり知り合いに頼るのもなんか違うなと思って、上京してすぐ初心者DJ募集みたいな告知をSNSで見つけては主催者に連絡して、色んな場所でやらせてもらってました。ただ参加してみるとジャンル不問のしょうもないイベントばかりで、且つ参加費(というかノルマ)を払うような形だったので続けても意味ないな思うようになり、それからすぐ自分でパーティーやろうかなと思い立って。やれる場所ないなら作るしかないじゃんというのが動機でした。同じタイミングで当時仲の良かったトラックメイカーでDJのaquadabさん(ALLERGY創立メンバー)が名古屋から東京に越してきたのも運が良かったです。
初めてオーガナイズを企画したのが当時盛り上がっていたLAビーツ、所謂ビートミュージック中心のエレクトロニックミュージックパーティー"metropolis"で、今はもう無いですが西麻布Bullet'sという箱で平日のど平日に約3年間コンスタントに続けてました。
採算度外視だったので毎回当たり前のように赤字でしたが、当時苦労した分勉強になって今の自分がいます。

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印象に残っている、または影響を受けたパーティーを教えてください

K/A/T/O massacre

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東京の幡ヶ谷Forestlimitの看板パーティーで、今や日本を超えて海外でも認知されている、日本のアンダーグラウンドシーンの最重要パーティーです。
毎週(?!)水曜日開催を数年間続けており、直近で340回のロングランパーティー。やり続けるのも当然凄いですが、オーガナイザーである加藤さんの独自のセンスによりブッキングした毎週毛色の違う出演陣を揃え、特定のジャンルに比重を置かず、界隈やメジャーマイナーを問わない超オルタナティブな内容になってます。どこから見つけてきたの?というアンテナの高さ、審美眼、パーティーを構築する上での人選の柔軟さはオーガナイズやる身として勉強になってました。
恐らく、世界中に存在する音楽でマサカーで流れていないジャンルはないんじゃないか…?と思えるほど多種多様な音楽がこれまでに流れており、王道とは外れたその道のエキスパートなDJ(クラブ系/非クラブ系問わず)が出演し、毎回クオリティもずば抜けています(どんな音楽でも受け入れる客の懐の深さも凄い)。
また、客や演者が共にマサカーを盛り上げようとする関係性もあり、地方のDJが東京に来る際(海外アーティストも含め)に周りの人達が加藤さんに繋いでマサカーに出演する事も多く、東海だとE.O.U.くんやBBBBBBBfri珍さん、methoddくん、Ramzaさんなど出演していて、全国区でマサカーの名は知られています。支援者からの熱いサポートや毎回集客面でも満員状態で、こう言ったことから加藤さんの信頼度の高さが伺えます。
元々Forestlimit自体が音楽の自由度の高い箱なので、東京の曲者が集まる場として機能しており、僕もちょくちょく遊びに行っていました(マサカーにも2度出演させてもらいました)。

他にもIN HA(Mari Sakurai, Ultrafog, Raftoの新興エクスペリメンタルパーティー)やイベンター/ブッカーの海法さんのBONDAID(現Local World)、ハードコアバンドKLONNSのクラブ/バンドの混合オルタナパーティーDisciplineなど、マサカーに近しいクリエイティビティ溢れるパーティーにも影響受けました。

名古屋のクラブの印象を教えてください

名古屋に限らず地方都市にはよくあるかもしれませんが、女子大って狭いエリアにいくつもクラブが並んでて、様々なジャンルのパーティーが混在してて面白いですね。告知でしか見たことないですけど、フェティッシュなイベントが普通にテクノとかハウスやってるクラブに同居してて衝撃的でした。
名古屋は他の地域と比べるとずっと昔からヒップホップ(とハウスかな?)が強くて独自のシーンを築いてますけど、反面保守的なイメージ(チャレンジングなイベントに客入らない)があったんですが、abentisくんのHBFは色々仕掛けていて面白いなと側から見て思います。東京大阪など各都市と共振し合いながら、間口も広くて音楽的にもクオリティ高いし毎週開催ってのも凄いです。(この辺はマサカーの影響もあるそうです)薬膳Barの幅広い客層を受け入れる場もパーティーが盛り上がる上で重要になってます。僕が東京いた頃からabentis君からコンタクトしてくれて、自分もすんなり名古屋のクラブに馴染めるようになったのは彼のおかげです。
あとはspazio ritaと岡崎のひかりのラウンジは尖ったことをずっとやり続けてて陰ながら応援してます。(Forestlimit店長のナパーム片岡さん曰く「名古屋と言ったらritaだよね」と)


今好きな3曲を教えてください

Oavette / Neus

愛知在住のマスロックバンドOavette。
聞いた瞬間食らいました。凄すぎます。
日野浩志郎氏(YPY)擁するgoat、にせんねんもんだい、Battlesに通ずるミニマルな反復で脱ロック的な人力クラブミュージックなサウンドに仕上がってます。
どこかの機会に自分のイベントに呼びたいです。


Nextones Festival: Tomoko Sauvage

楽曲ではなくてライブ映像ですが、最近知ったパリ在住の邦人アーティストTomoko Sauvage。
水を使ったアンビエント奏者です。水の滴る音がめちゃくちゃ気持ちがいい。数年前のele-kingのインタビュー記事も参考になるので気になった方チェックしてください。また、音楽性の近いところで、こちらも水使いの邦人アンビエントアーティストFUJI||||||||||TA(藤田陽介)もオススメです。


Mong Tong / A Nambra

最近気になってる台湾アンダーグラウンドのサイケデリックエキゾコンビのMong Tong(夢東と書くらしい)。
日本のKikagaku Moyo主宰のGuru Guru Brainていうレーベルからリリースしてるみたいです。
アルバムは全編オリエンタルな雰囲気で(風貌込みで)怪しいながらも聞きやすく、瞑想的な楽曲からストーナー、サウンドコラージュなど用いて実験的なアプローチして面白いです。メインプロジェクトのPrairie WWWWはよりトライバルになった台湾版Animal Collective〜Gang Gang Danceなバンドです。

今後の展望について教えてください

今年3月に東京から地元岐阜に戻ってきて、7月末に本格的に名古屋で始めた主催パーティーD-R-O(at kalakuta disco)の第二弾を10月末にspazio ritaで予定してたんですが、感染状況を鑑みて来年に延期しました。神奈川からSUGAI KENさんという電子音楽家を呼ぶ予定で、ローカルのラインナップも最高なんで日を改めてやりたいですね。

今後も東京や大阪、各地域からちょっと変わった既存のジャンルに囚われないDJやアーティストを呼ぶ予定で、辺境的、実験的な音楽好きな人に是非来てほしいです。実は来年の春にとある外タレが日本に来る予定で名古屋に招致しないかと話を頂いてて、実現できたらやりたいなと考えてます。
あと、アメリカのロスアンゼルス発のインターネットラジオ局dublabの日本支局dublab japanの名古屋支部を5月からabentisくんとKatsuya Kndくんと共にスタートして、毎月放送してるのでこちらも引き続きチェックよろしくお願いします。

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Hi-Ray


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