【interview】SAV

SAV/club GOODWEATHER マネージャー
(Photo by : kento kumazaki)

DJを始めたきっかけを教えてください

音楽に詳しかったからだと聞いてます。
高校生の頃、よく遊んでいた地元の集団がありました。
僕の地元、半田/武豊/常滑は狭い街なので、趣味の合うやつらはどんどん合流していきます。
バンドマン、パンクス、スケーター、ラッパー、ライター、バイカーなど色々いて楽しかったです。
家にも学校にも居場所がないような面白い連中ばかりでした。

ある日、その集団の中で音楽に詳しい3人が呼び出され、「今日からDJやってよ」と言われてDJを始めました。

元々、僕を含めたこの3人は中学から洋楽CDを買いあさり、友達の家でミックステープを大音量でかけたりする、BGM係だったのです。
14歳で僕の音楽人生を変えたパンクロックのテープは、みんなに「クソカセット」の愛称で親しまれていました。
「みんなで集まるときに選曲をする」という行為をずっとやってきた3人です。DJしないわけがありません。
元々やっていたことがDJだったんだよと言われた気分でした。

ただ、「DJ始めてよ」には別の都合もあって。
狭い街なので、高校生が単車乗ったり、スケボーしたり、騒いでいると色々な方々が寄ってきます。
警察、暴走族、チンピラ、娼婦、などなど。
別に僕らは不良じゃないので、そういうしがらみにウンザリしていました。
結局、集まってる理由を「DJクルー」としてごまかすために、DJ3人をでっち上げたワケです。

もちろん、怖いお方にはそんな方便が通用するはずもなく、余計面倒くさい状況になったり、それでもなんとかなったりしながら、、、
その後、「窪塚洋介と加藤あいがいない池袋ウエストゲートパーク」みたいな展開になって自然消滅します。
でも名古屋で遊んでいると色々変わっていきます。
ゴテゴテの知多弁が名古屋弁へと変わっていき(TOKONA-X氏の名古屋弁みたいな感じ)、服装や遊び方が変わっていき、付き合う人間も変わります。
一番変わったのは音楽との向き合い方です。

今女子大で「大衆酒場 鉄板焼 じろう」を営んでいるオーナーJIRO AZUMI(元JB'Sスタッフ)が主催していた「Underline」というイベントに、僕と同じ高校の同級生でKATSUという男が出ていました。
学校ではそんな素振りを見せないのに、凄いDJでした。
20年以上クラブに通っていますが、KATSUよりセンスのあるDJは中々お目にかかりません。

悔しくて悔しくて、東京や大阪までレコードを買いに行ったり、インターネットを駆使してレア盤を漁ったり、もうDJの魅力にどっぷりハマってしまいました。
高校を卒業する頃にやっと、堂々とDJを名乗れるようになった気がします。

DJを始めたきっかけは「友達に頼まれたから」かもしれませんが、
DJになったきっかけは「カッコイイ友達がいたから」だと思います。

印象に残っている、または影響を受けたパーティーを教えてください

1:「HUMAN BEHAVIOR」 @三河高原キャンプ場 2002年
20歳、初めての野外RAVE体験。
確か金山のGROOVEというCDショップで「出演者募集オーディション」みたいなチラシを見て、ミックステープを提出したら出演できました。
大須の人気レコード屋「RECORD SHOP ZOO」のKazooと一緒に出ました。
ダンスミュージックの洗礼を受けたのはこの日です。
夕方続々と集まる友人たち。その日知り合った名も思い出せぬ上機嫌な人。踊り方がイケてる美男美女。
みんな自由に過ごしていたのが印象的でした。
開放感と一体感と高揚感が共存した素晴らしい空間で、最高の思い出のひとつです。
今気づいたけどAGOさんと共演してたんだな、、、

2:「project」 @club Daughter(cafe domina) 2004年
アメリカに移住したCOYOHEY、丸美eightの店長coro、熱田神宮前にゲストハウス/BAR「旅するゾウ」を6/20にオープンさせるKAI、名古屋が誇るDrum'n'Bass KINGのDJ SMOKER、などを揃えた、初の本格オーガナイズ・パーティーです。
この時にはすでにダンスミュージックに興味が向いてしまっていて、ロックDJスタイルにケリをつける感じで臨みました。
HARDCORE PUNK/HEAVY ROCKを軸にしたパーティーですが、ここじゃとても書けないようなコンセプトで活動してました。
やりきって4年くらいあんまりDJしなくなりました。


今好きな3曲を教えてください

Шакке (Schacke) – Kisloty People (Кислотный Пипл)

club GOODWEATHERの工事中によく聴きました。いつかこんな夜が来たらいいなあと。

Childish Gambino - This Is America

「生まれ育ち それと肌の色が どうかしたのかな ねえ反吐が出そう」(メシアTHEフライ - マンダラ)

Sufjan Stevens- Impossible Soul

三度の飯よりこの曲が好き。三度の飯さえ、この曲の前では色あせる。
25分以上あるとても長い曲ですが、稀代の天才SSWスフィアン・スティーヴンスにとって、マスターピースと言える最高傑作だと思います。
信じられないかもしれませんが、聴けば聴くほど「まだ終わらないでくれ」と思います。25分じゃ短い。

そう考えて作ったMIXがあります。
この曲を1時間以上聴きたくて、聴きたくて、5パートに分解して、この曲に見合う名曲たちを挟み、いつまでも聴けるような1曲にしました。
良かったらどうぞ。


今後の展望について教えてください

2020.03.14.にプレ・オープンした新栄「club GOODWEATHER」にてお待ちしております。
まだまだ出来立てで至らない点もあるかと思いますが何卒よろしくお願い申し上げます。

club GOODWEATHER
〒460-0007 名古屋市中区新栄1丁目14-24 第3和光ビル2F

Twitter: goodweather_org
Instagram: goodweather_nagoya



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