同定って何よ? #蟹亀アドカレ

どうも、はじめまして。太陽神ラーです。
そもそも僕が何者かわからない人も多いかと思うので自己紹介的なものを先にやります。

ここを見に来ている人がどれくらい蟹亀やBOOGEY VOXX、Vtuberに詳しいのかわからないので知っている前提でお話しますが、僕自体はBOOGEY VOXXのスタッフをしています。
主に運用周りであったりとか、細かな作業、メールとかそういうのだったり企画の進行管理だったりをやっていることが多いです。
Twitterに書いてあるとおり雑用という名の下僕です。
https://twitter.com/GOD_OF_RA_BGV

そんな僕が今日お話するのは「同定」ってなんなんでしょうね、ということを昆虫をメインにお話しようと思います。

そもそも「同定」って何の話?

いきなり興味ない話題だとは思うのでこの時点でピンとこなかったら今日の内容はハズレです。ごめんね。

種類を分けることを専門的には「同定」といいます。
言葉の意味的には「同じものであることを決める」という意味ですね。
僕はこの「同じもの」って考え方がめちゃめちゃ好きです。
違うことを探して、属さないことを見つけるのではなくて、本質的には一緒であることを見つけて、同じグループに属させる。
この「違うこと」を見つけるのではない、ということを覚えておくとこの先の人生がほんの少しだけ豊かになります。

なんで昆虫??

まぁ、ここからなんで昆虫になるのか、というのが全然つながらないと思うのでもう少し。
過去の経歴として昆虫学、生態学なんかをやっていた経歴があります。
母校のサイトを見てると僕が通っていた学科はもうなくなってしまったみたいですが…。(研究室はまだある)
そういうことで、人より動物がほんの少し詳しかったりするわけです。
このあたりの面白い話が聞きたいという要望があれば何かのときに披露します。

さっそく言い訳といいますか、おことわりなんですが。
本当はもうちょっと実践的な話題にしようかな、とも思ったんです。
が…やはり一般の方の目に触れるものなので多少読み物らしくしております。
タイトルで期待した人、いないと思うんですがいたらごめんなさい。

ここから昆虫の話ですよ

さて、そんな大学で専攻していた昆虫についてなのですが、そもそも読んでいるみなさんは昆虫が好きですか?
多分、好きって人は殆どいないんじゃないかな、と思います。
別に普通ですよそれは。キモいでしょ…。
まぁ、僕はわりとキモい前にカッコイイ!ってなっちゃったので好きになってしまったんですが。

そんな昆虫、皆さん見分けついてますか?
これって、実はとっても本質的な質問なんです。

だって、よく考えてください。
昆虫って、みんな足が6本あって、羽が生えてるわけですよ。
よく見ると頭、胸、腹に分かれてるし、頭には2本の触覚が生えてるし。
「いやでも、形が違うじゃん」

そうなんです。形が、違うんです。

これってどういう意味かというと「いきてる環境で区別してるんじゃなくて、見た目で区別している」ってことなんです。

じゃ、もうちょっと突っ込んだところにいきますが、皆さんチョウとガ、知ってます?
知らない人もいると思うのでインターネットに頼って画像を出すことにします。

(この先昆虫写真でます注意)













画像1
画像2

この2匹、どっちがガかわかりますか?
これについては分かる人もわからない人もいると思うのでどっちでもいいんですが、結構多くの人が最初がチョウで後がガだと思うんですよね。
なぜでしょうか?色が暗めだから?身体が太いから?触覚がフサフサだから?(写真だとわからないけど)

では続いてこれ

画像3

さて、これは何というチョウでしょうか?
難易度上がっとるやん、と思った皆さん。そんなことないんです。

これ、ガです。

え、チョウじゃないの?!って思いました?
僕も昔思いました。
こんな色鮮やかで、昼間飛ぶガがいるもんか、と。
でもこれ、超有名な「ニシキオオツバメガ」ってツバメガの仲間ですね。
ガだと知ってた人、静かにしててくれてありがとうございます。

ここまできてようやっと本題なんですが「じゃあ種類を区別する、ってどういうことなん?見た目ほぼチョウじゃん」って話なんですよ。

同定って何をしてるの?

実はこれ、明確にルールが「ぼんやりある」んです。
そう、めっちゃぼんやりです。
ここからめっちゃ専門的になっていくのでウキウキしてください。

昆虫の同定方法にはいくつかの法則めいた観測箇所があります。
いくつか羅列していきますね。
・触覚
・頭部
・眼種
・口吻
・顎部
etc

あれ?気づきました?そうなんです。
実は昆虫の同定は「ほとんど見た目」なんです。

さっきの話と矛盾してるじゃん!
じゃあチョウとガの見た目の違いってなんなの!ってなると思います。
僕も昔思いました。
実はこれ、明確な差はないんです。
見た目に明確な差はないんですが、そう定まっているのでそうなんです。

見た目に差があるのに同じ種類?

いやまぁ、明確な差がないのになんで分かれてるの?って話になると思います。
単純に言ってしまうと「多分このグループに属している」というのがわかるほど区別のための情報があるからです。
ここで大事になるのが「同定」という言葉なんですよ。
つまり、同じグループに属していることを見つけていって、それがガだったのでガ、チョウだったのでチョウ、となっているだけだと思ってください。
よく言う「親は選べない」ってのと近い意味合いです。

こうやって区別して同じところを見つけ尽くして、それでも「なんか違うんだよなー」ってなったやつが新種、ということになるんです。

つまり新種ってどういうことなの?

新種ってのは実は「近いけど別なやつ」を「別なやつ」と決める=新種発見!ってことなんです。
毎年年末近くなると新種の情報が出てきます。
え、新種ってそんな感じで毎年出てるの?と思った皆さん。
そうなんです。実は新種は結構毎年サクサクでてます。
もっと正確に言うと「何年も前から申請して、ああでもないこうでもないって悩みながら、もうこれは別ってことでいいよね、ってなったやつが発表」されてます。

まぁ、こういうあやふやな方法を使って同定を続けた結果どんどんややこしいことになってしまって整理したほうがいいよね、という流れはあるのですが、今の所この伝統的な「見た目でなんとなく種類分け」ってのが馴染み深すぎて大きなブレイクスルーは起こってないのが現状です。
(それでも遺伝子解析は進んでいるので色々新しい情報は見つかってます)

最後に

長くなりましたが「同定って何よ?」ってことについてつらつらと書いてみました。
あくまで今回は「物の考え方、捉え方」としての同定というものを、僕の専門の知識で説明した感じです。
もっと実践的な話が知りたいよ!って人はTwitterにリプでもDMでもいただければ、僕で知っている話であればお話させていただきます。
忙しい時は無理かもなので、それは許してね。

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