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【64】 監視カメラ生活3日目!早くもメンタル限界、別れ話に

このお話はセフレだった男女が
結婚するまでの1000日間

赤裸々に綴った超絶ドロゲス
ノンフィクションエッセイです

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前回までのあらすじ

アラサーにしてセフレの"イケチン"に沼った私は、どうにかこうにか交際まで漕ぎ着けるも、度重なる彼の不誠実な言動に嫌気が差し、自ら別れを選ぶ。その後、条件最高で性格のいいハイスペくんと出会うも、彼のあまりにも残念なセックスに交際を躊躇していたある日、元カレのイケチンから「彼女ができた」という報告が。それにより自分の中の未練に気付き、ハイスペくんからの告白を断りイケチンと復縁するのだった。



<648日目> 監視生活3日目

彼氏であるイケチンの部屋に監視カメラを導入することになって3日目。

何度も嘘をつかれた代償からか、いざカメラを付けると私は毎分のようにその映像をチェックするようになってしまった。

私と会っていないとき、彼が1人で部屋にいるのか、それだけが人生で最も重要なことのように思えた。

彼を縛っているようで、実は私のほうが彼に縛られていたんだと思う。


深夜2時半、彼が酔っ払った状態で電話をかけてきた。

イケチン「もしもし、何してるの?」

私「別に、部屋でゆっくりしてたよ。淋しいならそっちに行こうか?」

イケチン「いや…なんか家で1人で飲んでたら、飲みに出たくなってきて。仲良しのバーの店員が今日誕生日だから、今から行ってきてもいい?

私「何言ってるの?数日前にあんなことがあったのに…今このタイミングで飲みには行って欲しくないよ」

彼の部屋に設置しているカメラを見ると、机にはビールやハイボールのロング缶が数本並んでいた。

彼は少し酔っ払っている様子で、機嫌がいいから街に飲みに出たい、と思っているらしかった。


夜神ライトとLかよ


イケチン「なんでダメなの?そのバーだけ行ったらすぐ帰ってくるよ」

私「今まで何度もそう言って出て行って、結局毎回 音信不通で朝帰りされてるから。もう不安だし嫌だよ」

イケチン「じゃあGPSと監視カメラの意味ないじゃん

私「それは連れ込み対策として導入してるだけで、外で何してるかは分からないよね」

こんな泥棒と警察官のようなやりとりが続いた。


私だってもう嫌だった。
こんな生産性のない関係。

一方的に取り締まって、がむしゃらに嘘を暴いて、監視カメラなんて人権を無視した方法で一生懸命に浮気を防いで…

こんなことがしたかったんじゃない。
こんな関係を築きたくて恋愛や婚活をしてたわけじゃない。

私はただ好きな人と幸せになりたかっただけなのに。


イケチン「こんな交際、もう意味ないよ。お互いに苦しいだけだし別れよう

ついに彼が別れのことばを発した。

これまでに、50回以上聞いてることばだ。

でも今回は、なんだかそっちのほうがいい気がした。

私も早く楽になりたかった。

毎日GPSとカメラを見て、不安になったり安心したり一喜一憂する自分は、全然理想の女じゃなかったから。

私はこんな人間じゃなかった。
今まで付き合ってきた男性を疑ったことなんて1度もなかったし、ケンカだってほとんどせず、穏やかに生きてきた。

それなのに今、自分の脳が常に彼を疑っている。

こんな生活もう嫌だった。
早く自分らしく、自由になりたかった。


私「わかった。でも最後は電話じゃなくて、ちゃんと目を見て話そう」

こうしてこの夜、私は彼との別れを受け入れた。

部屋で話すとなぁなぁになってしまって良くないと思ったので、彼をこちらのマンションのロビー(大きなカウチソファがある)に呼び出して、深夜3時から1時間ほど話しをした。

「親に挨拶をして同棲したい」と言われ、母親に3回も会わせたのと同じ月に、私たちはたった1時間の別れ話で突発的に別れることになった。

多分、お互いに精神的に限界だったんだと思う。

彼は自由に飲み歩くことができない窮屈さに、私はそれを抑圧しても裏切られてしまう虚しさに、心が疲弊していった。

今にして思えば、私が抑圧していたのは"彼の唯一の趣味"であり、"仕事を頑張るモチベーション"とか、"生きる上での楽しみ"みたいなものだったんだと思う。

それを私という厳しい女に取り締まられて、些細な行動も抑制されて、監視カメラまで取り付けることになったのだから、ストレスが溜まるのも無理はなかったと思う。

このエッセイは私視点の物語だから、彼だけが悪者のように見えると思うけど、きっと彼側にもたくさんの言い分があるし、私にも悪いところはたくさんあった。

結局のところ、彼がしたいことと、私がして欲しくないことが一致しているわけだから、そりゃ相性が悪くてケンカになるに決まってるよなぁ…という話で、私たちは周囲の誰もが予測していた通り、またしてもこうして別れることになったのだった。


マンションのロビーでの話し合いに決着が着くと、イケチンはすぐに立ち上がった。

正直、私はもう少し話したかったし、彼の部屋に置いてる私の荷物や、私が持ってる彼の部屋の合鍵なんかも受け渡しをしたかったけど、彼が「明日も午前中から仕事だから」と言うので、仕方ないか…という気持ちで一旦話を切り上げた。

最後に2人でハグをして、「今までありがとう」と言い合って、「また後日ゆっくり話そう。鍵や荷物はそのときに」と言い残して、イケチンは帰って行った。

あまり悲しくはなかった。突然のことで、現実味がなかったからかもしれない。

まぁこんなのケンカの延長線で、数日もすればまた彼から連絡が来て「やっぱり別れるのはやめよう」みたいな展開になるんじゃないかな…と、このときは楽観的に考えていた。


部屋に戻ってすぐ、深夜4時過ぎに眠りについた。

普段ならそのまま昼過ぎまで寝ているのに、その日はなぜか朝7時半にふと目が覚めた。

スマホに入っている監視カメラ用のアプリはもう消さないとなぁ。
彼はカメラの電源を引っこ抜いて、さっきの話し合いに持ってきたから、もうこんなもの意味がない。

GPSも…

そう思って確認したところ、彼とつながるGPSの機能がまだ生きていることに気が付いた。

その位置情報は、彼の家————ではなく、繁華街のクラブが入っているビルを示していた。


私「はあ!?!」


アラサーの彼女と別れ話をして、その足で即クラブ!?!?!?

許せない…!

そう思った私は、またしても部屋着のまま街に飛び出すのだった。


怒り狂って再び突撃


この連載は、私が夫と出会ってから夫婦になるまでの1000日間を綴ったドロゲス生モノ婚活エッセイです。スキ・引用・拡散・コメントどんどんお待ちしてます♡

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-【65】へつづく -

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