コロナ私史 令和2年5月

緊急事態宣言下のこの時期、もっぱらの話題は「9月入学」だった。新年度を奪われた高校生の問題提起を発端に、政界での大議論に発展し、当たり前だと思っていた制度がもしかしたらひっくり返ってしまうのかもしれないというハラハラドキドキな思いで日々議論を見守っていた気がする。古くて新しい議論で、論点も沢山あって、話は尽きないものであったが、今から思うと果たしてあの時期に制度論に大きな時間を割いたのは正しかったのか少し後悔が残る。当時の国会議員の時間を国産ワクチン製造に充てていたら、もしくは感染症法の更なる改正に充てていたら、と思わないわけではない。当時の感覚では、乗り掛かった舟だということで、言論封殺を行なうわけにもいかなかったわけだけども、結果移行コストの方が大きいとなって現実は何も変わらなかったことを考えても、少し判断ミスだったのかなと思うし、目の前の真の課題を見極められなかったことを反省すべきだったかなと思う。国民の季節感にまで浸透している大きな制度を変革することには慎重な議論が必要だし、一時の激情で決めてしまうべきものではない。一方で、激情でもなければ何も変わらないのが社会でもあって、何だかモヤモヤしたものは依然残る感じ。ちなみに9月入学そのものには個人的には反対。

政策面では、10万円の給付金の自治体の準備状況、さらにはマイナンバー制度の未発達で給付が遅れたことへの無念、DV被害者の受給などを妨げる世帯単位での行政執行など。

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