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【案出し】チャーレムexを救え!

夏も8月に入り、こちらでは交流会の予定です。

実際に用意するかはともかく、カジュアルコンセプトな
デッキも改めて確認などしているところです。

その中の1つとして現れたのが「チャーレムex」
最新弾で現れた面白いexポケモンはしかし、
生まれながらに重荷を背負っており……、というお話。


▷最大の障壁、「アマージョex」

前提として、「チャーレムex」の個性はその技にあります。

強引にHPを削れ!

「きこうあつ」はポケカでは度々登場する、相手のHPを
特定の数値まで固定で削り取るという癖のあるもの。

基本的には他のカードとコンボさせて、例えば
HPが300、400とどんなに高い相手でも倒そう!や、
何体も同じように弱らせてから一掃しよう!
という形でのフィニッシュを狙うことが多いです。

このコンセプト自体はある種ありふれたものであり、
そういう意味で【チャーレムexデッキ】を考えるのは
特別難しくはありません、コンボ候補も多いです。

問題は、似た役割のポケモンが既にいることでした。

レギュレーションでも1つ前からいるポケモン

「アマージョex」は2進化でこそあるものの、
より少ない「30」のHPへと追い込む「アイシクルソール」
「きこうあつ」より軽い草エネ1つで撃つことができます。

まず「ダブルターボエネルギー」が欲しい「きこうあつ」、
取り回しやすい基本エネの「アイシクルソール」の差は
見かけ以上に大きなものがあります。

進化難度の差も、よりによって水タイプであるために、
「カイ」を使えば楽に済むのが「アマージョex」の強み。

一応次のレギュレーション変更を待てば、鍵となる
「カイ」がスタン落ちするのですが、「チャーレムex」も
「ダブルターボエネルギー」を同時に失うため、むしろ
こちらの方が被害は甚大、という可能性も……。

しかも「アイシクルソール」は撃つ相手を選べる強みあり。
複雑なコンボへの適応力や場面対応力でも優れています。

この状況下で「好きだから」以外の理由をもって
「チャーレムex」を活躍させることは出来るのか。

曖昧に将来へ希望を託すのではなく、現時点のプールで
「これはチャーレムexデッキである」と言うための
差別化点を考察してみたいと思いました。

皆さんも、各カードが持つ意外な個性について
一度考えを深めてみませんか?
(以下そんな話をしていた過去記事)

▷「チャーレムex」と「きこうあつ」

①まずは改めて「どう違うのか」

本来、比較対象は「アマージョex」に限りませんが、
それ以外については「チャーレムex」の方が優位である、
という相手が多いためこの方針で続けましょう。

ポケモンとしての違いは大きく次の通り。

①1進化か、2進化か
②逃げるエネルギーが1つと2つ
③タイプと「テラスタル」かどうか

もっと違う所はたくさんある、ようには見えますが、
「チャーレムex」からみて良い点になりやすいのは①と②。

タイプの違いは現時点では意識的に活かすのは難しく、
進化前も両者「ポフィン」対応ラインであり、
まあ少し「アサナン」の方がタフだよね、という程度。

ここでは環境読みの視点はあえて省くことで、
いついかなる時も変わらない要素に絞っておきます。
(「アサナン」と「アマカジ」の違いは相手によるため)

それでは次に技の違いを見てみましょう。

①必要なエネルギー
②使用後のHPが「50」と「30」
③バトル場限定とベンチ含む

こちらについては残念ながら「きこうあつ」の側が
明確に優れている、と言える点はありません。

強いていえば「きこうあつ」の無色2つのエネルギーは、
普通に何かの基本エネルギー2つでもいいことから
タイプに縛られない構築を図れる、とは言えます。

その代わり最低限の加速ギミックは欲しくなるため、
手放しに褒められるポイントにはならないでしょう。

最初に「重荷」と言った通り、素直に考える上では
おおむね「アマージョex」>「チャーレムex」の関係であり、
そう簡単に強さで比べて勝てる相手ではない。

ここは割り切って考えた方がいいかもしれません。

最強を目指すだけが考察ではありません。
最強ではないが最良ではある、たとえ一流ではなくとも
その役者にとっての最善を考える、1つのやり方です。

②「1進化」と「逃げるエネルギー」

それでは要素のシンプルなポケモン側の特徴から。

まずは進化段階としての違いですが、
これを活かす考え方は大きく3つ存在します。

①「1進化」専用の補助を活かせる
②デッキ全体の進化段階を軽く出来る
③「2進化」枠を他のポケモンに回せる

①は現環境下ではほぼ名指しですが、
「ハイパーアロマ」と「エボリューション」です。

エーススペックなのが難しいところですが強力
後攻の動きに幅を持たせる唯一無二の1枚

どちらも1進化ポケモンの重要度に応じて強くなる、
デッキの毛色自体を変えうるほどの補助カードです。

複数の1進化ポケモンを展開したい際に有用であり、
あくまで自身は2進化である「アマージョex」に比べると
より強力に恩恵を受けられるのが「チャーレムex」です。

単純に「ビーダル」のような便利屋にも働くのに加え、
コンボ側に1進化を選ぶ上での理由付けにもなります。

「ダブルターボ」を探すのにドローカードはあると便利
「どく」にすることで攻撃の後で更に弱らせて……というコンボ

どれも「アマージョex」とでも組み合わせることは可能、
しかしエースとサポーターが1つの流れで並び立つ、
という形の美しさはそれなりに価値があります。

例えば、「ペパー」→「ポフィン」&「エヴォ」と繋いで
「チャーレムex」&「ビーダル」と揃うのはこちらだけ。

特に後攻において「アマージョex」は強く闘いにくく、
先攻なら2ターン目の「ハイパーアロマ」、
後攻ならいきなり「エヴォリューション」というように
じゃんけんに左右されずアクションが図れる構築は
1進化軸ならではの利点と言えるでしょう。

②は当然と言えば当然ですが、エースを比べた時に
「チャーレムex」は2進化でないのだから、そのまま
デッキの全員が「ふしぎなアメ」はいらない、とできる。

簡単ですがそういうことです。

実際これは「アマージョex」の普段の弱みでもあり、
コンボや補助の関係上、全体的に進化が多くなってしまい
引きが良くない時は進化関係でもたつきやすい、
というのは「カイ」があれど避けられない点でした。

色々な構築の形はありますが、1つの例として
「アマージョex」&「ビーダル」&「ヒスイウォーグル」、
のような形があり、2進化1つに1進化2つと、
最初につまづいてしまうと中々揃わない、という事は
それなりに考えられる構成です。
(特に「1進化用の補助」に厚い訳では無いのも理由の1つ)

その点、「チャーレムex」は他が完全に同じ並びとしても
自身が1進化である分だけは軽くなっており、その時点で
少しでも回しやすくなっている、と考えられます。

そこに加えて「1進化用」のカードはこちらの方が手厚く、
もう一段得をしているのも有利に働いています。

またエースの違いからコンボ自体を少し変える場合も、
③、つまりここで「2進化」を採用することも可能、
という方向で見ることも出来ます。

例えばですが、最後の一掃したりする役に「2進化」を。
候補は色々いますが「ドラパルトex」を考えてみる、
というのも「チャーレムex」なら意外と可能です。

「アマージョex」と組むとまずエネルギーがややこしいことに

中間の「ドロンチ」も1進化として有用であり、
エネルギーのタイプもこちらの「炎&超」にするだけ。

もちろんこちらにはこちらの難しさはありますが、
2進化を別々に並べるのに比べれば、というもの。

相棒となるポケモンの選択肢が違ってくるだけでも
デッキの個性を分けるのには十分な要素足り得ます。

いかに強力な補助があるとしても、ルール上根本的には
進化は少ない方がデッキとしては扱いやすい、
というのはさすがにそうそう変わることはありません。

あくまで乗りこなせる場合もある、というだけです。
(○○(2進化)&ピジョットex&〜のようなケース)

そして「逃げるエネルギー」について。
これも基本軽いに越したことはないので、ここは
1つ少ない「チャーレムex」の方が有利な点です。

デッキコンセプトとして活かすには地味ですが、
最低限、ワザを使った後そのまま逃げられるか、の点で
「アマージョex」は1エネだけだと逃げられず、
最悪コンボに繋げられないことも考えられるため
ここの動きの滑らかさは良いポイントです。

その点を「アマージョex」はコンボの相棒を選ぶ上で、
ワザにはエネルギーの要らない「ヒスイウォーグル」を選び
逃げるためのエネルギーを気にせず使えるようにして
問題を軽くするなどしています。

そうした工夫が要らないことで1つ自由になるわけです。

こうした立ち回りにおける身軽さ、これは明確に
「チャーレムex」が活かしやすい強みの1つでしょう。
さすが格闘タイプ、と言ったところでしょうか?

③「きこうあつ」はどう見ても格下なのか?

さて、ポケモン自体のステータスとしてなら、
「チャーレムex」側に良い点も数多く見られました。

が、それだけではまだ不十分。

言ってしまえば場における耐久力の違いなど、
触れていない部分では「アマージョex」側が有利な点も
きちんと存在していました。

となればワザの方の比較も手は抜けません。

そして先の比較では全面的に不利、という話でした。

仕方がありません、より軽く、より削れ、しかも選べる。
いくら何でもここだけ見ると勝負になりません。

少なくとも軽さ、そして相手を選べる、この2点は
基本的に逆転することは不可能な利点となっており、
「きこうあつ」がもしそうならば……圧勝していました。

とはいえ黙って完全敗北、というわけではありません。

唯一残された活路は、意外かもしれませんが
「きこうあつ」の方がHPを多く残す、という点です。

相手を倒したくて弱らせるワザを使うのに、
与えるダメージが少ない方がいいなんてことがあるのか?
この常識めいたポイントを疑ってこその考察です。

④活路は「コンボ性の違い」にこそあり

ここで前の話に戻りますと、「アマージョex」が扱う
代表的なコンボ例として、「ヒスイウォーグル」の存在を
上げていました。

あちこち弱らせ続けて最後に一撃!

これは好きな所を弱らせる性質と、残るHPの「30」、
これを綺麗に一手で狩り取れる最適なワザとして
「ぶきみなうたごえ」が最高の決め手であるために
有名な組み合わせとなっています。

これを「チャーレムex」でそのまま流用してしまうと、
根本的に残るHP「50」のせいで、他の工夫なしには
倒しきれないため成立しないものになります。

そのため、現在「チャーレムex」を検討されている方は
まず別の形で組み合わせを模索されているようです。

それが既に例に出していた「どく」です。

特に多く見られるのが「かがやくヒスイオオニューラ」

今のスタンで名前がやたら長いポケモン筆頭

通常、「どく」によって乗せられるダメカンは毎度「10」。
ここにこの特性「ポイズンピーク」を合わせることで、
1回が「30」、相手の番でもそのままなら合わせて「60」

何とか「50」の残りを削り取って倒せる、というものです。

「どく」にする役は別で誰か選ぶとして、これなら
問題の解決にはなっています。
ちゃんと残るHPを削ることに成功しています。

この通り、「どく」に相棒を見出したのが恐らく
現在の「チャーレムex」の1つの答えのようです。

筆者もこの道筋に異論はありません。
そこで、この先にある景色へ目を向けたいと思います。

▷異なるコンボ、異なる結果

ここで1つ、このように感じた方はいるでしょうか。

「そのコンボ、別にアマージョexでもよくないか?」

と。

いいえ、これこそは「チャーレムex」のものです。

確かに似たことは出来るのですが、実は細部において
明確な違いがいくつか発生しています。

それを生む要因こそが「30と50の差」です。

もし「ソール+どく+ポイズンピーク」をした場合、
バトル場のポケモンが直後のチェックで倒れます。

これはいくつかの点において損をしています。

①相手は次のバトル場のポケモンを決めて番を迎える。
②瀕死の相手をロックできない。
③その都度サイドを取るため不利を維持できない。

概ねこの3点です。

①、相手は素直に次のアタッカーを出したりできます。
結果試合の展開も分かりやすい殴り合いとなり、
こちらもカウンターを食らう意識が必要になります。

②、やっていることがいわゆるワンパンになってしまい、
その分、「溜めて一気に」などのコンボ性を失っています。
よくある青天井ワザなどとの区別が薄れてしまいます。(もちろん、きちんと違うことは違います)

③、本来この手のコンボデッキの強みに挙げられる、
サイド不利を意図的に維持し続ける事により、
「ナンジャモ」などのサイド参照カードをずっと強く使う、
という固有の特性も欠いてしまっています。

この現象が起こるのは、残るHPがちょうど「30」のせい。
このコンボにおいては「削りすぎ」が弱みになるのです。

「きこうあつ」で「50」残すことにより、あえて
どくで倒れるタイミングを遅らせ、独自のルートを
構築できる可能性が生まれるのです。

ポケモンを変えたければ入れ替える手間を要求し、
相手が対処すれば溜めるプランも狙うことができ、
サイドの枚数管理を相手に強いることもできます。

逆に「ポイズンピーク」が無ければ「アマージョex」でも
似たようなことができるのでは?と見せかけて
それはそれで相手の番で倒れもしないため、
何か別のコンボルートが欲しくなってきます。

結果として、この形で使うのであれば
それは「チャーレムex」に軍配が上がりうるのです。

元々「アマージョex」も使う、「パニックマスク」による
守りが機能するのも、この場合は「きこうあつ」の強み。

あえて相手が生き残るからこそ機能するどうぐ

そして、相手が倒れるのを嫌って逃がしてきた場合。

一度は「どく+ポイズンピーク」が入っているものとして、
残るHPは「20」「アイシクルソール」とも違う数字です。

そう、これを狩る手段もまた、変えられるのです。

これ以上進化ポケモンを増やすのが嫌なら、
たねポケモンながらいい技を持っているポケモンも。

1エネなのが偉いところ

この「イベルタル」のように、残りが「20」であれば
「ヒスイウォーグル」以外にも倒せる手段は増えてきます。

逃げても一掃、受け入れればそのまま気絶。
「ボスの指令」や「カウンターキャッチャー」があれば、
たとえワザに狙撃能力がなくとも逃げ場は無くせます。

「アマージョex」においても、「パニックマスク」のために
結局バトル場に対してダメカンを乗せる場面も多く、
この辺りの作りは実はあまり変わらなかったりもします。

▷終わりに

ちょっと書き上げるのに時間を使ってしまいましたが、
「チャーレムex」に光る物を感じていただけたでしょうか。

もちろん反対に「アマージョex」が株を下げた、
などということもありません。

やはりあちらの強みもまた変え難いものがあります。

こちらは「どく役」も「狩り役」もたねが選べるため、
いっそ進化するのは「チャーレムex」だけ、という
シンプルな構成に出来るのも面白いところでしょう。

皆さん独自の開拓をしていただくのが一番です。

今回の記事では時に、「弱さすら強みになる」という
カードゲームの面白さを感じていただければ。

個人的なリスト案は間に合わず申し訳ありません。

一応交流会前に上げたかったもので……。

これでも少々駆け足にはなってしまいましたが
それでは、また。

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