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「一度生まれたモノは、そう簡単には死なない」

 アーマード・コア6の3周目までのネタバレがあります。
 設定に無い妄想がたくさんあります。
 設定と矛盾する点も多分あります。
 ご了承ください。
 G13、復唱!!!!







 復唱したな!? では、愉快な遠足の始まりだ!!!!






 と言うわけで、ARMORED CORE VI - FIRES OF RUBICONを3周クリアしました。
 暗躍するポンコツAI、オールマインドちゃん様の野望と計画は、途中まで上手くいったものの、色気づいて「騙して悪いが」をやろうとしたところでなんやかんや乗っ取られ、621とエアの手によってコーラルは新たなカタチを得て星外に播種するのでした。
 めでたしめでたし。

 で、ポンコツオールマインドちゃん様は結局コーラルリリースで何を目指していたんだろうか。
 なんとなく「全生命がオールマインドちゃん様になる」という自分勝手人類補完計画みたいなもんを想像していたのだけど、それをするためには自分をコーラルと一体化させないといけないわけで……キミは本体どこにいるのかね……?

 まぁポンコツちゃん様の事は置いといて。
 問題はそのコーラルですよコーラル。

「一度生まれたモノは、そう簡単には死なない」とは後半でウォルターから聞かされる警句だけど、これ、聞かされるタイミングが妙なんですよね。
 このあたりから、ウォルターは明らかに621に結末を選ばせようとしている。
 カーラの「友人たちの意思に反してもかい?」という問いを否定せず。
「俺に従え」と言いかけて、「自分に従え」と言い直したり。
 遺言のような言葉でも自分の道を選択するように促していた。
 ウォルターはオーバーシアーの一員として、コーラルを焼き尽くすのが真の目的のはずなのに、何故そう言う行動をするのか。

 恐らくは、彼もまた警句のごとく、コーラルを焼き尽くせるとは思ってないのだろう。
 そうなると何度も何度も焼くしか無いのだけど、コーラル集めてザイレム突撃みたいな物量作戦何度も繰り返せるわけじゃないだろうし、上手くいっても半世紀後にはまた焼く算段を立てないと行けない。
 当然その時にはウォルターもカーラも生きてはいないだろうから(なんとなくカーラは今回のためにコールドスリープしてたんじゃないかと言う気もするけど)、オーバーシアーの意思を半世紀後まで別の人間を通じて継ぐ必要がある。
 ウォルターは、なんとなくそれは無理なのではないかと思い始めていたのではないか。

 ちょい話は変わるけど、俺はウォルターが度々言う「友人」は、エアのようなコーラル生命体(C型特異波形)なのではと思っていた。ウォルターにもコーラル生命体の声が聞こえていて、それ故に「友人との交信記録が無い」のではないかと。
 一周目終わりに、その友人というのがオーバーシアーを結成した面々であろうという話になり、一度はその説を取り下げたのだけども。
 三周目が終わった今、実はやっぱり友人はコーラル生命体も含んでいたのではないかと思い始めている。

 コーラル生命体は確認されてるのは621の友人の「エア」と、解放戦線のドルマヤンについていた「セリア」の二人。ちゃん様もそうではないかと言われているが、ちゃん様はコーラルそのものではなく、基本はAIで、コーラル生命体を取り込んだ状態なのではないかと想像している(イグアスや他の傭兵なども取り込んでいるが、これは原理が分からない)。
 セリアはドルマヤンのログでしか実態が把握できないけど、エアとはまた違った思考を持っていたと考えられる。エアはどちらかというと積極的に621と関わって前のめりだが、セリアは受け身っぽい。
 で、もしかしたらここにウォルターの感知できるもう一人のコーラル生命体がいて、その生命体はコーラルが爆発的に増えるのを恐れていたのではないかと考えたのだ。

 これは完全に妄想だ。が、そのコーラル生命体が『自死』を望んでいたとすれば、少し見方が変わってくる。
 ウォルターが「621にも友人が出来たのかもしれん」とカーラに言ったのは、『自分と同じコーラル生命体の友人』が出来たと言っていたのでは?
 コーラル生命体は波形なので、実態が無い。ウォルターも最初『幻聴』と言っている。しかし、時が経つにつれて上記のように考えが変わり、解放者エンドでははっきりと断言している。
「お前にも、友人が出来た」と。
 このときウォルターはコーラル兵器に乗せられている。そして、コーラルで脳を焼かれた621にはコーラルの流れが『見えていた』。
 もしかしたら、ウォルターは621と同じく、コーラル兵器に乗ったことで621に付き従う『友人・エア』が見えたのでは?
 そして、エアが人間との共生を望んでいることを知って、最後の攻撃をやめた。
 それは、621も望んで選択したということだから。
 ならば、ウォルターに望みを託した『友人』の意思は?
 それが、コーラル全体の自死だったのではないだろうか。

 自己増殖し続けるコーラル。
 それはやがて周囲星系を呑み込むだろうと危惧されている。
 そうなれば、当然他の生命体は滅亡を余儀なくされるだろう。
 自我を持ったコーラルの中には、それが耐えられないものたちもいたのではないだろうか。
 そうなる前に、種としてのコーラルの根絶を考えたものたちもいたのではないだろうか。
 アイビスの火という、他の星を巻き込むほどの規模の災害でも生き残ってしまったコーラル。
 そんな自分たちを、今度こそ滅ぼして欲しい。そうウォルターに願ったコーラル生命体が、それも複数いたのでは?

 ウォルターが強化人間かどうかは実際はよく分からない。が、彼もまたコーラルの声を聞ける強化人間だったのであれば、その願いを叶えるために、きっかけは違えど目的は同じカーラたちと行動を共にする動機は十分にある。
 そして彼は621に言う。「一度生まれたものは、そう簡単には死なない」と。
 コーラルがウォルターに託した自死の願いが叶わないことを、彼は予見していたのではないか。
 だから、621に選ばせた。
 それでもコーラルを滅する計画に加担するか。
 それとも、別の選択肢として、コーラルと共生する道を歩むか。

 ドルマヤンの随想も、ウォルターは知っていたかもしれない。
 セリアという名前は知らないまでも、ひっそりと人間と共生しようとするコーラル生命体がいたことを。
『自死』を望むコーラルばかりではない。
 増え続けるコーラルと、それでも共生できる道を、ウォルターは621に託したのではないか。
 そんな妄想を、ずっと考えてしまうのだ。

 コーラルリリースは、ちゃん様計画ではあくまで『全部をオールマインドにする。コーラルはただの溶媒。全部溶かして一個の存在として宇宙に播種してやる』というものだった。
 だから、カーラにとっては「その選択は笑えない」し、ウォルターにとっても、621が選んだとはいえ不本意だったはずだ。
 だが、ちゃん様は目論見を誤った。621とエアはそのまま破棄すれば良かったのに、欲を出して取り込んで引き金にしようとした。そのために、イグアスという激ヤバ物件と取引をしてしまった。
 イグアスが私欲で621と対峙して散ったことで、コーラルリリースの引き金はちゃん様からエアと621に渡ってしまった。これにより、エアと621の意識は、ルビコン星外へと播種することになる。

 これが共生と言えるかどうかは分からない。解き放たれたコーラルと人間の意識、そしてACという機械の体を持った生命体が、ここからどういう道を歩むのか。
 ACというカタチを持ったからこそ、無尽蔵に増え続けるというコーラルの特性は失われたかも知れない。
 カタチを持った個々のコーラルは、これからそれぞれの自我をぶつけうあことになるかも知れない。
 それは、本当の意味で新たな生命体の誕生なのかも。

 ウォルターは、621に「意味を与えてやる」と言った。
 それは、最初は『コーラルの掃討者(レイヴンの火)』の意味だったのかもしれない。
 けれど、ウォルターは621の内に、あるいは隣に、彼の『友人』とは別のコーラルの意思を見いだした。
 だからこそ、彼は621に選択を託したのかも知れない。
 そう思えてならないのだ。


 妄想はここまで。
 独立傭兵レイヴンは、今日もスネイル閣下をしばき倒しに向かいます。
 それでは。


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