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漫画好きが思うヒットする要素 -後編

iPhoneの写真フォルダに「漫画」というフォルダを作って、名シーンをいつでもLINEやツイッターにアップできるようにしている昭和58年生まれの矢野浩一です。

自分の伝えたいことに自信が無い時に、エビデンスかのように添付していますが、ほとんどの人が苦笑いのような 笑

前回に続いて、勝手に「ヒットする漫画の共通要素」を書きます。真の漫画好きのみなさん、温かい目でみてください。


Point.04 理想と現実のバランス

「こんなの現実じゃありえない!」

漫画を語る場面でよく言われることだと思う。岩が割れるほどにぶつかっても人は死なないのか?良いタイミングで救世主あらわれすぎ、不器用な男子がなぜかモテがち、など。

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ありえない部分こそファンタジー要素であるし、読者の琴線にふれる部分でもあるので、この現実から理想側へ「何歩分はみ出ているか?」のバランス感は非常に大切だと思う。

漫画で体感する非現実。

キャラクターや作中の時代的背景など作品全体から見るバランス感。黒子のバスケがヒットしたのは、多彩なキャラクターの個性に加えて、この辺のバランス感覚も読者にハマったのではないかと思っている。

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黒子のバスケはスラムダンクから始まったバスケ漫画ブームという領域の中で、正直一番現実離れしているのではないだろうか。

「スポーツ漫画はリアルであるべき」という人が多い中、僕も同じように考えているが、黒子のバスケはつい読み返してしまう。特に3Pシューターである緑間が良い。

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自陣エンドラインから3Pシュートを決めるだけでもすごすぎるのに、上記のジャンプしてからパスを受ける「空中装填式3Pシュート」には度肝を抜かれた。

余談ですが、チームを頼るように精神的成長を遂げた緑間が言う「このチームに人事を尽くしていない者などいない」は個人的にかなりシビれるシーンです。

現実離れしたシーンは、漫画だからこそ伝えることが可能な躍動感や美しさだと思う。

コルク代表の佐渡島さん(https://twitter.com/sadycork)は漫画を紹介する動画でこう言っている。

小説などの本は文章のみで表現することで読者の想像に任せている部分が魅力であるが、一方で漫画は誰も実際に見たことのない景色をしっかり伝えるための調査・準備・描写があるから面白い。

僕はこの点において、読者に受け入れられる「非現実の優れた描写」が漫画にとって重要だと思う。

Point.05 イラスト自体が魅力的

「この作者ってイラストに特徴あるよね。」

こう言われる漫画は俗に言う「クセのあるイラスト」なので、人によって好き嫌いがはっきりする。特に女性ウケは悪い傾向にある。

大ヒットした漫画は読者にとって「見やすいイラスト」「伝わりやすいイラスト」であることが多い。

世代を越えて語られる名場面を持つ漫画は、イラストそのものについてもファンが多いんじゃないかと思う。

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スラムダンクのこのシーンはもはや伝説的。今でも読み返す人は多いと思う。

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四月は君の嘘のこのシーンはワンピース作者の尾田氏が「音楽が聞こえる」とまで絶賛した。

躍動感や緊迫感など読み手の感情にアプローチできる描写は思わず引き込まれる。

読み手がその場に居合わせることができる漫画。

ちはやふるるろうに剣心なんかも僕はすごく好きなイラストである。

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まるでその場に居る自分が、刹那の瞬間を見届けているような感覚がたまらない。

読み手すらも漫画世界の登場人物として世界観に没入させ得るのは、一瞬を表現したずば抜けた画力だと思う。

最後に。

総じて、魅力ある漫画全てに共通するのは「共感を得るか」だと確信している。

漫画に表現された世界は、読者の願望を映す鏡だと思う。それは顕在する願望の時もあれば、潜在的な願望もあるだろう。

ワンピースが人気急上昇した時に人気の理由をとあるメディアでこう分析していた。

・仲間との絆を大切にしている。
・あまり人が死なない。
・主人公が純粋で真っ直ぐ。
・正義や夢が描写されている。

これは、ドラマ「踊る大捜査線」がヒットした時にも言われていた内容と同じである。

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もしかしたらたくさんの人が望む豊かな社会の描写が、上記のようなものであり、自分自身がそのストーリーの中心にいることを願っているのかもしれない。

主人公じゃなくてもいいので、壮大なストーリーの構成要因として自分がいるということを日常生活でも潜在的に求めているのではないだろうか。

僕は漫画が大好きで、日々のルーティンとなっているので人より1.5倍くらい人生を楽しんでいると思っている。

想像の世界を刺激してくれる漫画は、仕事においてもプライベートにおいてもたくさんの感情をくすぐってくれる良きスイッチだ。

仕事においても独自の世界観を達成したいと会社経営をしているので、世界観の表現者としては、漫画家のみなさんをとても尊敬している。

本当はもっとたくさん紹介したい漫画もあるのだけど、今回は割と広く知られている漫画を中心にいろいろ考察してみた。

ぜひこれを機にみなさんも想像の世界を漫画で広げて欲しいし、漫画の話で延々盛り上がれることを願っています。

おまけ。続

前編に続いて「好きな漫画キャラクターベスト10 -男性編」の1位までを記しておきます。みなさんのお気に入りもぜひ教えてください!

矢野浩一が好きなキャラクター -男性編
1位 ポップ (ダイの大冒険)
2位 緑間 真太郎 (黒子のバスケ)
3位 瀬田 宗次郎 (るろうに剣心)
4位 飛影 (幽遊白書)
5位 新田 伸一 (シュート)

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