見出し画像

第一王妃の末路

 母上の離宮環境改善の為にオレが父上に何を密告したかって?
 お祖父様の日記から色々出てくる第一王妃の秘密の一部を暴露しただけだ。
 父上に『王家の色』の事知ってるか聞いてみただけなんだけどね。
 その時の父上の顔ったら 笑っちゃったよね。眉間に皺寄せて考えこんじゃうんだもん。
 何をその時思ったのかは解らないけど きっと第一王妃との間に生れた子供たちの事を思い浮かべたのかな。
 『王家の色』って正確には何なのかってのを育て親であるお祖父様に教えて貰ってたのか『金色』ってのが王家の色らしく。どの子にも『王家の色』が引き継がれていないって。父上の内心は沸々と怒りが占めていたのではないだろうか。
 父上の色は金髪の金の瞳。に対して第一王子も第一王女も父上の色を持って生まれてきていない事実。今になって知る真実と言ったところだろうか。
 フーリン様は 茶髪で緑の瞳
 ナルシ―様は 緑の髪で茶色い瞳 
 アクレイ様は 茶髪で青い瞳   
 父上の色は金色。金髪金瞳の父上の色はどこにも含まれておらず。誰の子なのかはまだ思い浮かんでいないらしく、真実を知った後の父上の怒り具合が気になるが。父上には何故『王家の色』の事を知って居るのかと聞かれ、お祖父様の事が書かれた書物が書庫にあったことを伝えると。
 成程なと肯かれ僕は父上に頭をなでられた。「良く教えてくれたね。」と。
 これは良い事をした部類に入れてよいのだろうか。

 王城から離宮へ帰ると、母上にどこへ行っていたのか聞かれ王城にある書庫へ行っていたと伝えた。
 決して父上に会った事は内緒だ。後から何言われるか解らないからね。

 
 これで粛清される人間が少なからず出るだろうが、オレの知った事ではない。
 これで離宮が豊かになるだろう。

 父上への密告から 7日経った今日 王城からの使いが来た。
 母上と2人で王城へ 謁見の為。正装なんて初めてしたかもしれないと思いながら、朝からいそいそとメイド達が 今離宮に居るメイド達は第一王妃が即戦力として母上から奪ったメイド達である。
 
 国王に謁見と言う事もあり、母上と離宮を離れることが来るとは思いもしなかった。
 
 話の内容的には、父上は第一王妃を北の塔へ幽霊したそうだ。
 なんでも 『王家の色』について第一王妃に聞いてみた時に色々真実が露わになったようで
 第一王妃との間に子供が居ない事実。ナルシー様は第一王妃の護衛騎士との間に出来た子だと言う事。アクレイ様はイケメンである噂の僧侶との間に子を儲けたようでその子を国王との間に出来た子だと言って居たそうだ。
 子供たちに非があるわけではないから、第一王妃のみを北の塔へ幽閉と言う形を取ったそうだ。
 ナルシ―様とアクレイ様はこれからどうなるのかと言うと、子供たちの意見を尊重しようとは思っているそうだ。
 ナルシ―様はこのまま王城に残るそうだ。なんでもやりたいことがあるとかで、第一王妃様に育てられていた訳では無いと言う。
 ナルシ―様は魔術に秀でているようで、東の塔に居る魔塔主に可愛がられてそして育てられたようだ。魔塔主様はお祖父様の乳兄弟の一人だと言う。
 まともな人の所で育てられたようで、王城ではほぼ居場所も無い状態だったようだ。
 第一王女のアクレイ様は、フリスギ侯爵家のメリーナ様。アクレイ様からしたらお祖母様の息子の養女として王城を離れる様だ。アクレイ様はメリーナ様に殊の外 懐き可愛がられていたようで、息子のイゲール様の養女と言う形で家族になるようだ。本当はナルシ―様もと考えていたようだが、兄妹の中なのに会う事は殆ど無かったため、兄がどんな人なのか知らないで過ごしていたようだ。
 
 第一王妃が産んだ子は皆 第一王妃が手を掛けて育てることは無く きっと情も何も無いだろう。
 イケメンとの間に子が欲しく僧侶と情を交わし、護衛騎士との間にも子を儲け。
 名前は体を表すと言う言葉があるが、第一王妃はきっとそういう名前だったんだろう。皆察してくれ。
 あの密告から7日経った今の結末がこれである。これで心置きなく冒険者の夢を・・・・
 なんてそうは問屋は下ろさない(笑)そうこのオレが王位継承権第一位になったのだ。だがまだ4才。家庭教師が就くまでもう少し時間があるから、その間に貴族の膿をもっと出していけたらと思う。

 そして月日が流れ オレの歳も8才となった今、また新たな問題が・・・



次回は月夜の物語へ
カオールンの物語は月夜編が落ち着いたら続きを

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?