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マナブへ

マナブがcloutに参加する時の話は以前にも書いた。俺の任務は「マナブを2年間うちで預かる」でもなく、「一緒に2年間楽しく仕事する」でもなかった。分かってた。でもcloutに来てすぐにコロナ禍となった。初めての【緊急事態宣言】。お客様がほぼ来なくなった。俺がビビったら終わり。ボスがビビったら終わる。明るく過ごした。俺がオープンした2011年3/9。その2日後に東日本大震災。固定のお客様がほとんどいない状態でのそれ。TVでは津波、原発の被害、ご新規のお客様なんて来る訳ない。仕方なかった。朝からクローズまでゼロなんて余裕であった。売上げに【0】って記入するのは嫌だったから、自分て仕入れたシャンプーを自分で買って【2000】とかにしていた。ヨーさんに渡す月々の生活費は銀行で借りた。

あんな苦しい思いマナブにして欲しくなかった。
でもこんな状況だから、2年間じゃ

無理かなってちょっと思ってた。

でも準備だけは始めた。うちと取引のある信用金庫(感謝です)で口座を作り、定期預金を組んだ。これで2年間くらい付き合えば必ず融資の相談に乗ってくれる。かは分からないけど、とりあえずそうした。信用を掴んでいく。これが大事。知らない人にお金は貸してもらえない。

俺の任務は「2年後に独立させる事」だった。

師匠とも約束した。

マナブはラッキーな事に師匠の許しを得て、修行先からのお客様を多くお連れする事ができていた。それだけ頑張ったんだな。加えてcloutで掴んだお客様、全員引き連れて2年後に近くで開業するというのが俺達の目標であり、俺の夢だった。

本当の事言えば、自分で決めた知らない街に、遠くに、行って欲しくなかっただけなんだけどさ。悪かったなマナブ。俺の作戦だった。

「そろそろ2年だなあ」と思ってた今年の1/4、今までも軽く探してたけど新しいの出てないかなって思ってネットで検索したら「え!」っていうのが出てた。隣町の用賀、駅から徒歩5分以内、家賃も相場より安い。速攻で不動産屋に連絡したら「空いてる」っていう。暗くなる前に見たかったからサウナ行く予定を諦めて内見させてもらう事になった。マナブは予定があったから俺とヨーさんで見に行った。

「あー決まり決まり。ここ本人が見るまで押さえといて下さい。」と言った。決まりだった。あんな条件良い物件もう出ないと思った。同時に、

「これでマナブいなくなっちまうな」って思った。

そこからは早かった。マナブは次の日に内見、その次の日に契約した。自己資金が無いと融資受けられない。そこはクリア。俺から見てても派手に遊んでる様子はなかった。よく頑張った。内装工事業者、前から付き合いのあるとこ。高いけど、ちゃんとやってくれる。俺も2軒ともそこで頼んだ。見積もりが出て、後から上げてくる。そこも交渉だ。笑顔でな。何かに挑戦しようとすると必ずトラブルがつきまとう。1つずつ潰していく。ようやくそれも終わるな。

マナブを2年間預かるってなった時、
「この2年間をマナブの応援に捧げよう。その為ならどんな事だってしよう。」そう決めたんだ。俺のチャレンジはどうだった?カッケー兄貴分でいれたかな?

昨日でcloutでの修行は終わった。どうだった?俺は楽しかったぜ。けどね、「1番覚えてるシーンは?」って聞かれたら、最初の緊急事態宣言でお客様全然来ないから、店で桜新町の居酒屋さんで売ってた【炭火焼きチャーシュー弁当】食った時なんだ。あれはマジで美味かったな。

状況的には苦しい時だったな。だってお客様来ないんだもん。でも覚えてるのってそういう苦しい時なんだよ。「1番楽しかった思い出」って分かんねえんだよ。ずっと楽しいんだもん。たまにあるピンチとか、苦しい時の方が記憶に残るの。だからさ、たまに思い出して欲しい。cloutであったアスカさんとサワD、俺らとの楽しい思い出。思い出して、忘れないで欲しいんだよね。もうすぐ新しいお店が出来るな。間違いなく幸せに生きていけるよ。自転車で5分。本当のピンチの時だけ連絡くれ。すぐ助けに行くぜ。

俺さ、生まれ変わってもまた師匠探して、弟子にしてもらおうと思ってんの。お前もそうしろよ。

そしたらまた兄弟分だ。

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