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Cloudbaseが目指す未来——ミッション・バリューに込めた思いについて

【プロフィール】
岩佐 晃也(いわさ こうや)
Cloudbase株式会社 代表取締役

10歳からプログラミングを始め、特にセキュリティ領域に関心を持つ。学生時代から様々なサービスを開発し、京都大学工学部情報学科在籍時にLevetty株式会社(現: Cloudbase株式会社)を創業。2年間で6回のピボットを経て、クラウドセキュリティ領域に至り、Cloudbase事業を始める。2023年にはForbes 30 Under 30 Asia、Forbes 30 Under 30 Japanに選出される。

Cloudbaseの岩佐です。先日、CloudbaseはシリーズA ファーストクローズとして11.5億円の資金調達を実施しました。

そして事業が加速するこのタイミングにあわせて、「ミッション」と「バリュー」を再整理し、新たに策定しています。

従来のミッション・バリューを踏まえながらも、改めて「Cloudbaseという企業が何のためにあるのか?」「この先どのような存在になっていきたいのか?」をいちから問い直し、文字どおりメンバー全員で議論を重ねました。

今回は、この新たなミッション・バリューについて、背景や意図もふくめてご紹介したいと思います。

ミッション - 日本企業が、世界を変える時代をつくる。

まずはミッションです。Cloudbaseがなぜクラウドセキュリティの領域でサービスを開発しているのか。今の社会にどんな課題をみているのか。そして、どんな未来を目指しているのか。Cloudbaseという会社が存在する意味を、この言葉に込めました。

> 日本企業が、世界を変える時代をつくる。

“沈みゆく日本”の閉塞感を突き破るために

私は1996年生まれで、この世代に共通する感覚だと思うのですが、これまで日本の将来に明るいイメージをもったことはほとんどありませんでした。むしろ人口減少、少子高齢化、右肩下がりの閉塞感、何かが生まれるというよりはまた失敗に終わるんだろうなというマイナスな空気のなかで育ってきた気がします。野球でいえば、10点差か20点差、満塁ホームランでも逆転できない、もう負けがみえてしまっている感覚です。

10歳の頃にはじめたプログラミングでも、当時は主に日本のWebサービスにお世話になっていたのですが、今では使っているサービスのほとんどが海外のものになってしまいました。日本発のサービスが世界と競えなくなることには、やはり悔しさを感じてしまいます。

学生時代に起業し、ピボットを繰り返すもなかなか勝ち筋を見出せない苦しい時期のなかでも、「何でもいいから確度の高い事業を」とはどうしても思えませんでした。突き詰めて考えたときにたどりついたのが、事業を通じてこの閉塞感を突き破りたいという思いだったんです。

「ここから世界を変える何かが生まれるんじゃないか」「この先にさらなる成長が待っているんじゃないか」そんなワクワクを感じられる社会へと日本を変えていきたい。そのために私たちは何をすべきか?私たちに何ができるのか? その答えの一つが、クラウドセキュリティ事業なんです。

モノづくり×ITで、日本の大企業に小さなチャレンジの連続を

かつて、モノづくり大国として世界をリードした日本。インターネットの時代になり状況は大きく変わったとはいえ、日本企業が積み重ねてきたモノづくりのアセットは、間違いなく世界に誇れる大きな強みだと思います。

そこにITを掛け合わせることでさらなる価値を生み出すことが求められているわけですが、DXの本丸ともいうべきクラウドの活用には、セキュリティリスクの問題から日本企業の多くでまだまだ歯止めがかかっている現実があります。

リスペクトを込めて言いますが、たとえばサーバを立ち上げるのに数週間かかったり、プロダクトのセキュリティチェックに半年以上かかったり、結果としてニーズの移り変わりがすさまじい市場のなかで、企画からリリースまでに数年単位の期間を要したり……。そんな制約のなかにあってあれだけの事業成果を上げつづけているのが、多くの日本企業の姿なんです。その制約を取り除くことができたとしたら、一体どんなことになるのか! 考えるだけで、ワクワクしてきませんか?

たとえば、AWSの利用申請が半分の期間で済むようになる。小さなサービスを社内のエンジニアがサッと作ってリリースできるようになる。そんな変化の積み重ねの先に、日本企業から世界を変える新しい何かが生まれてくるはずです。Cloudbaseは多くの日本企業とその思いを共有して、ともに次の時代をつくっていくことができればと考えています。

バリュー - Unlock / With という2つの問いかけ

続いて、ミッションに向かう上で必要となる考え方を、「Unlock」「With」という2つのバリューとしてまとめました。これは「Cloudbaseらしさ」をあらわす言葉でもあり、メンバー一人ひとりが“約束”としてつねに自分に問いかけるものでもあります。

2つという数にもこだわりました。削ぎ落としたというよりもむしろ「欲張った」という感覚のほうが強いかもしれません。というのも、数が多くなればなるほどすべてを意識するのは難しく、一つひとつのバリューが「いくつかあるバリューのうちのどれか」になって希薄化してしまいますが、2つであればどちらか片方だけではなくつねに“両方”を意識することができるからです。この「両取り」する感じがCloudbaseらしいと言ってるメンバーもいます(笑)。

Unlock - 昨日までとは違う明日をつくるために

Unlockは日々のアクションや課題解決のスタンスを示すバリューです。スタートアップにとって、現状維持は死んだも同然。当たり前の連続で「日本企業が、世界を変える時代」をつくることができるでしょうか? 

解決すべき課題にぶつかったときや新しいアイデアが生まれたとき、お金がない、人がいない、時間がない……とできない理由を挙げるのは簡単です。でも、Cloudbaseはつねに「できる理由」を探しつづけることのできる集団でありたいと思っています。そういう意味で、Unlockはメンバー一人ひとりの仕事に対する強烈な問いかけでもあると思っています。

With - 一つのチームとしてコトに向かうために

Withは、お客さまやパートナー、投資家、Cloudbaseメンバーなどあらゆるステークホルダーとの関係性をあらわすバリューです。まず大前提、Cloudbaseメンバーはもちろん、お客さまもパートナーもみんな、目指している先は同じはずです。それにも関わらず、それぞれの立ち位置から見える景色が違うことで、不要な対立や誤解が生まれてしまったり意見がぶつかりあったりしてしまうのは、非常にもったいないことだと思います。

コミュニケーションのスタンスとしてCloudbaseが理想としているのは、相手と向かい合うのではなく、相手と“一緒になって”コトに向き合うということ。課題や問題を一つのテーブルにのせ、“横並び”になって一緒に考えていく。それを組織の当たり前にしていきたいと考えています。

スタートアップの基本はチームプレーです。一人ひとりの個人がUnlockして突き抜けながらも、自分以外の仲間とのWithな関係性を意識するという具合に、2つのバリューの間をいったりきたりしながら、一人ひとり思考しつづけることがとても重要だと考えています。

ミッション・バリューを、より多くの企業や人と共有できるように

今回の資金調達をもとに、Cloudbaseはさらにアクセルを踏み込んでいきます。具体的には、これからの3年で国内市場シェアNo.1を目指します。それに伴い、組織強化も積極的に進めていくつもりです。

組織の急拡大が社内にひずみを生むといった話を耳にすることも少なくないですが、そうならないためのミッション・バリューです。お客さまからパートナー企業、投資家の方々、社員も含め、みんなが「Cloudbaseと関わることができてよかった」と思える会社を目指して、まず私自身が本気でミッションに向かい、誰よりもバリューを体現することで、Cloudbaseのカルチャーを全力で支えていきたいと思っています。

日本企業が、世界を変える時代をつくるために。Cloudbaseのこれからに、ぜひご注目ください。

編集:Cloudbase HR/PRチーム


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