合格体験記 (東京大学理科二類)

出身校: 栃木県立宇都宮高校

性別: 男

科目ごとの勉強法

国語
東大は理系でも国語の配点が80/440で、数学の大問4つ分に相当するのでそれなりにしっかりと対策をするべきと考えました。また、特に数学や物理のような理系科目は序盤で計算ミスをしたり、そもそも方針が間違っていた場合には全く点が入らないリスクがありますが、国語に関しては慣れていれば文意を取り間違えることは滅多にないので安定して得点できる科目でもあります。しかし、東大のような記述形式のものを独学で勉強しようとすると、自分の作成した解答が何割の得点に値するのか判断に迷う場合があります。そこで、私は比較的自己採点する際の基準を明確に設定している河合塾の「得点奪取シリーズ」の現代文・古文・漢文を自習用の教材に選択して、自習室でひたすら問題演習を進めていました。

数学
最後まで頭を悩ませた科目です。というのも、東大の理系の数学は一見簡単に見える問題設定でも実は超難問だったり、逆もまた然りで、それをすぐに見抜くレベルに達していなかった私は得点が中々安定しませんでした。あまり参考にならないかもしれませんが、河合塾の「やさしい理系数学」「ハイレベル理系数学」の典型問題を何回も解き直し、少なくとも見たことがある設定の問題であれば対処できるようになることを目指しました。試験本番では、明らかに解けなければならないと思われる体積の計算問題の答えがマイナスになり、半泣きになりながら終了間際に誤りを見つけて訂正したりと結局最後まで足を引っ張った科目ではありますが、どういうわけか数学に近い領域を大学の専門に選んだので、なんだかんだ勉強しておいて良かったとは思います。

英語
頑張って勉強したものの、得意とも不得意とも言い難い科目でした。ただ量をこなすだけと考え、電車の中で単語帳「ターゲット1900」を読んだり、入試の過去問をひたすら解いたりしていました。海外経験のない私にとっては東大のリスニングは難しく、最後まで苦手意識を抱えた分野ですが今となって考えるとyoutubeの著名人のスピーチや洋画を字幕付きで見るといった勉強法が一番効果的なのではないかと思います。通えるのであれば英会話教室に行くのもありかもしれません。いずれにせよ、所謂「座学」ではどこかで壁に突き当たってしまうような気がします。。。
物理
一番好きな科目でした。「難問題の系統とその対策」「名門の森」「物理の分野別問題集」といった問題集に載っている問題をひたすら解いていきました。問題設定を正確に数式に落とすこと、絶対に計算ミスをしないことを徹底するために、答え合わせをする前に注意深く見直しをすることを習慣化することに努めました。

化学
これはもう問題演習するのみだと思います。暗記すべき項目を徹底的に習得した後は、ひたすら計算の精度を高めるよう反復演習を行いました。お勧めの参考書は「化学の新演習」「有機化学演習」「過去問25ヵ年」などです。

世界史
センター試験のために勉強しましたが、配点が小さいにもかかわらず暗記量が多いのでかなりストレスでした。首都圏の進学校では倫理・政経か地理を選択するのが常識というのは後から知ったことで出身校を恨みましたがこればかりは仕方ないので、理系科目の勉強に疲れた時などに教科書に目を通すなど、何とかして勉強時間を確保することに努めました。


息抜きの方法
私は栃木県のど田舎出身でしたがありがたいことに浪人時代は大宮の予備校に通うことができたので、勉強に疲れた時には大宮を一人で散策したり、栃木にはないような少しお洒落なカフェで友達と一緒に勉強するなどしてリフレッシュすることにしていました。

趣味・特技の話

集中できない時の対処法

受験生にメッセージ
一昔前は大学入試が大きなふるいわけで、勉強したことは社会人になってからは役に立たない、結局大切なのはコミュニケーション能力だ、といった議論をよく見かけることがありました。これは私たち世代、特にみなさん世代にとっては大きな誤りかもしれません。GAFA(Google, Amazon, Facebook, Apple)といった新聞やニュースで毎日のように目にする超巨大な外資系企業が東京オフィスを拡張しており、努力次第では新卒で入社することができます。(もちろん、給料も破格です!) 面接官が外国人で、英語で議論しなければならなかったり、ホワイトボード上にプログラムを書かされたり、数学の問題を解かされたりといった能力ベースでの採用プロセスを取る会社も増えています。そこで皆さんには、大学受験をあくまでも一つの通過点として、そして将来自分が成し遂げたいことに向けた訓練期間のつもりで、自己研鑽に励んでほしいと思います。「失われた30年」というワードをよく目にしますが、この体験記を読んだみなさんが研鑽を積み、これからの日本を再度盛り上げてくれることを心より願っております!

最後になりますが、現在では勉強系YouTuberと呼ばれる人たちがおすすめの勉強法について無料でSNS上で公開してくれています。勉強方法は人それぞれですが、「浪人時代の辛かった話」など息抜きになるようなエンタメコンテンツも発信してくれているため、勉強に疲れたときは気晴らしにSNSを開いてみるのもよいでしょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?